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2020年3月26日更新

ウチナーグチとヤマトグチ|地元の宝ありんくりん[12]

執筆:竹内章祝
地元の宝ありんくりんの最終回は、世界に誇る沖縄固有の文化「琉球の言葉」について述べます。

ウチナーグチとヤマトグチの関係

琉球の言葉と大和の言葉、この両者はまったく異なるようにも感じますが、実は兄弟のような関係の言葉です。今からおよそ1000年以上も前にさかのぼりますが、もともとこれらは似ている言葉でした。それが、それぞれ独自の社会や文化を形成していく中で、長い年月をかけながら変化していき、今では大きな差が生まれたというわけなのです。

琉球諸島で話される言葉は、その文法や語彙、音韻などの側面から①奄美・沖縄方言 ②宮古・八重山方言③与那国方言の三つに大別されます。細かく見ていくと、それこそ島ごと、集落ごとにも言葉は異なっています。その中でも今回は、沖縄本島の言葉(以下ウチナーグチ)と大和言葉(以下ヤマトグチ)を文法的に解釈しながら、その意外な共通性を見ていきたいと思います。


①3母音の法則

ヤマトグチの母音は「あいうえお」の5母音ですが、ウチナーグチでは「あいう」の3母音で表現します。

「あいう」は同じように発音しますが、「え」は「い」で、「お」は「う」でウチナーグチは表現します。

例えば、あめ(雨)→あみ、ふね(船)→ふに、よる(夜)→ゆる、こころ(心)→くくる、おどり(踊り)→うどぅい、など。この3母音の法則が分かるだけで、かなりのウチナーグチの単語が聞き取れるようになります。


②「あい」→「えー」

3母音の法則で「え」「お」はそれぞれ「い」「う」に変わると言いましたが、「え」「お」の音が全くないわけではありません。ヤマトグチの「あい」や「あえ」は「えー」と、「あう」「あお」は「おー」と発音します。具体例を見てみましょう。あんばい(塩梅)→あんべー(いいあんべーと言いますね)、たいがい(大概)→てーげー、まえ(前)→めー、といった具合です。


③口蓋化

口蓋化とは、あまり聞きなれない用語ですが、発音する際の口内の現象を表す言葉です。代表的なものは「き」を「ち」で発音するというものです。たんき(短気)→たんち(短気な人を「たんちゃー」と呼びますね)、きよらさ(清らさ)→ちゅらさ、きょう(今日)→ちゅう、きも(肝)→ちむ(きもごころ(肝心)で「ちむぐぐる」ですね)。

④「わ」→「あー」
ヤマトグチの「わ」は、ウチナーグチでは「W」の音が欠落して「あー」という発音に変わります。みみがわ(耳皮)→みみがー、かわ(川)→かー(湧水の意)、あわもり(泡盛)→あーむい、といった具合です。

さて、ここまで基本的なウチナーグチの法則のうち、代表的なもの四つを述べてきました。ここでひとつの単語を使って復習してみましょう。ヤマトグチの「おきなわ」とウチナーグチの「うちなー」。両者は全く異なった単語のようですが、法則に合わせてみていくと…。

「お」は3母音法則で「う」、「き」口蓋化で「ち」、「な」は変化なく「な」、「わ」はWが脱落して「あー」つまり「おきなわ」は「うちなー」になるのです。このように文法的に両言語を比較していくと、それらの共通点が見えてきます。冒頭に述べた琉球の言葉と大和の言葉が兄弟であるということもご納得いただけるかと思います。

残念なことに、現代では沖縄の大切な文化である「島々の言葉」を話し理解できる人が急激に減少しています。県民が力を合わせて無二の言語を保全し、また後世に伝えていく努力をしなければなりませんね。なぜなら島々の言葉こそ、連載名である「地元の宝」なのですから。(終わり)

参考文献:沖縄の言葉と歴史 外間守善著 中公文庫 2000年/沖縄語の入門 西岡敏、仲原穣著 白水社 2000年

執筆者

たけうち・あきのり
末期の沖縄病に感染した東京下町出身の人情派! 韓国や戦中のユーゴスラビアなど20年近くを海外で過ごし、沖縄に移住。沖縄地域通訳ガイド(韓国語)、通訳案内士養成研修講師など。
 

毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1704号 2020年3月26日紙面から掲載」

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