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2020年3月12日更新

[彩職賢美]旭中国語教室 代表取締役の王冬艶(おう・とうえん)さん|中国語講師が私の天職

沖縄で中国語を教えて20年ー。受講生の成長する姿を見るたびに達成感を感じ、この仕事が天職だと思っています。中国で国語の教員として働いた経験や、日本語を学んだことが私の強み。独自に生み出した指導法や、中国文化の体験なども交えて効率的に楽しく学んでもらえるように工夫しています。

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留学や教員経験が強み

旭中国語教室
代表取締役
王冬艶
 
さん

指導法は「話す」を重点に 世界で活躍できる人材を

「中国語を教えることは私の天職だと思う」。満面の笑みからは王冬艶さん(50)の仕事に対する熱い思いがうかがえる。

沖縄に住んで22年。自身が経営する中国語教室や琉球大学で教壇に立つほか、県内企業の社員向けに中国語を教えている。父が作った小さな黒板を使い、近所の子どもたちに遊びながら漢字を教えた幼少期。「あれが今の原点。先生になるのが夢だった」

生まれ故郷である中国のハルビン市は旧満州。「日本人も多く、日本という国を身近に感じていました」。中学校の国語教員だった28歳の時、「上級の教員になるために日本へ留学して視野を広げたい」と沖縄へ。琉球大学で東洋文化や、中国と琉球の交流史を学び、同大学大学院を卒業。飲食店のアルバイトでは、「厨房で琉球料理を作ると、中国料理との違いや同じところに気づき、シェフの話から沖縄の食文化も学べました」。文化を知ることで、その国をより深く理解できると身を持って体験したことは、中国語教室での指導でも生かされている。

受講生には独自に生み出した「トーエン式」で指導。耳で聞いた言葉を繰り返し声に出す練習法で、脳の仕組みや心理学などを応用している。「カラオケだと思って挑戦してほしい。耳で聞いて話せるようになると、読み書きも上達が早い。効率的に学べます」

受講生とは面談で性格や勉強のクセを把握。「書くのが好きな人は書いて覚えようとするが、話して覚えることに集中してもらう」。受講生からは「接客業の仕事中に自然と中国語が話せた」「中国人に発音を褒められた」などうれしい声が届く。「うまく話せるようになった姿を見るのが一番うれしい! 私も指導方法に自信がつく。教えることの楽しさや達成感が、長年この仕事をしている理由かな」

教室の開校当初は受講生集めに苦戦するなど、ビジネスの難しさも感じた。別の企業の経営者である受講生からアドバイスをもらったこともある。「私は人に恵まれている。今楽しく仕事ができるのは、周りに支えてくれる人たちがいるおかげ」


沖縄への留学は4年間のつもりだった。大学院卒業後、県内の友人や知人から中国語を教えてほしいという依頼が増え、人生を見つめるきっかけに。「ハルビンはなまりが少ないと有名な都市。漢語言文学を学び、中国語の文法や読解を中心に教える中学の国語教員として働いたことなど『育った環境や今までの経験が、日本人に中国語を教える強みになる』と気づきました」

そして何より、自身が日本語を学んだ経験が最大の武器に。「私は中国語と日本語の文法の違いや同じ部分を見つけて勉強した。だからこそ、日本人が理解しにくい部分が分かる。私が日本語を理解していることで、サポートできることがあるはず」と力を込める。

教えることと同じくらい、学ぶことも大好き。英会話、ピアノ、キックボクシングを習い、「せっかく沖縄にいるのだから」と一昨年からは空手もスタート。「強くなりたいのではなく、空手がどういうものなのかが分かることが楽しい」。好奇心旺盛なその姿は仕事でも変わらず、指導法の追求にも終わりはない。脳トレや子ども向けの教育講座に参加して「授業で応用できないかと考えているの。常に新しく、効果的な指導法を見つけることが楽しいんです」

今年から中国語教室では米国人の講師を雇用。講師には、自身が培った外国語指導のノウハウを教え、受講生たちには、英会話のレッスンを無料で受けられる機会も作った。「英語も中国語も両方話せると、その人の強みになる。世界で活躍できる人材の育成が私の役割だと思っています」

天職に出合い、常に高みを目指すその姿は輝いている。


 教室では文化体験も 


「言語の背景には必ず文化が存在している。言語と文化を切り離して考えることはできない」というのが王さんの考え。そのため、教室では語学を教えるだけではなく、中国の文化を体験してもらうことにも力を入れている。
恒例になっているのは、中国のお茶セット=写真=を使ってウーロン茶を入れる中国茶作法体験会や、水ギョーザ作り体験、中国ちまきパーティーなど。
「受講生と会話をすることが楽しい。中国のさまざまな文化を体験することで、さらに中国語を理解しやすくなる。楽しみながら文化を学んでもらえたらうれしい」。いかに分かりやすく教えるかを追求した結果の一つのようだ。

旭中国語教室
沖縄県那覇市泉崎1-21-2 泉崎ビル203 098-863-1898


 「トーエン式」のテキストも 


2015年には「トーエン式超速マスター中国語」のCDテキスト=写真=を発売した。右脳で覚えて左脳で中国語を定着させる独自のトレーニング法で、自身が日本語を勉強した経験も生かされている。
CDには2倍速の音声も録音されており、「2倍速で聞き慣れると上達が速くなります」と紹介。ただし、「話すときは2倍速を真似ずに、ゆっくり話すことが大切です」とも。



さんのパワーの種

Q.休日の過ごし方は?

休日は料理をすることも多く、材料は県内にある中国料理の食材を扱うお店で購入しています。餃子やワンタンを作ることもありますが、一番好きなのはラム肉のしゃぶしゃぶ。ハルビンは寒い地域だから、鍋料理が一般的でした。

ピアノは両手の指を動かすことで脳の活性化につながる「脳トレ」だと思って楽しんでいます。「脳トレのつもりで練習していたら、ピアノも上達した」って、何だかラッキーな気がしませんか?



プロフィル
おう・とうえん

1970年中国の黒竜江省(こくりゅうこうしょう)ハルビン市出身。中国で漢語言文学を専攻。中学校の国語の教員として8年間働き、28歳で沖縄へ。琉球大学大学院人文社会科学研究科を卒業後、旭中国語教室を開校。現在は琉球大学の非常勤講師を務めるほか、観光業や小売業などを中心に県内企業の社員にも中国語を教えている。

撮影協力/福州園


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今までの彩職賢美 一覧


撮影/比嘉秀明 編集/比嘉知可乃
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1359>
第1702号 2020年3月12日掲載

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この記事のキュレーター

スタッフ
比嘉知可乃

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新人プランナー(企画・編集)
1990年生まれ、うるま市出身。365日ダイエット中。
真面目な話からくだらない話まで、「読んだ人が誰かに話したくなる情報」
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