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2019年11月28日更新

[彩職賢美]コープなご宮里 店長の森恵美子さん|笑顔の花咲く店

コープおきなわでパートの事務員からスタートしましたが、コープおろくで初の女性店長となり、2017年から、北部地域に初出店となるコープなご宮里の店長として頑張っています。お店を通し名前で呼び合える組合員さんをもっと増やしたいと考えています。

人を育てるのが店長の仕事

コープなご宮里
店長
森恵美子 
さん

現場に学びと成長あり 失敗を成功に変える

「あなたにとって大切なものはなんですか?」。25年前、コープおきなわの店舗建設中の懸垂幕に書かれた言葉が森さんの人生を変えた。人々が支え合う協同組合の理念に魅力を感じた。最初はパートの事務員というスタート。本部の企画、副店長を経て、コープおろくで組織初の女性店長に就任。現在は北部地域で初出店となる「コープなご宮里」の店長として、16人のスタッフを統括する。

職員にはあいさつはもちろん、組合員の名前や好きなものも覚えるよう指導している。「今日は組合員さんと何を話した?」。1日の終わりに森さんは職員へ尋ねる。会話がないなら注意する。職員との会話で元気になったり、気軽に要望を言えるような店にするためだ。同店では職員と組合員が名前で呼び合い、日常の何げない会話を楽しむ姿がある。

「今日も来たよ~!」。80代の女性は「ここに来るのが生きがい」と話す。買い物ついでに職員とのおしゃべりを楽しむ。この女性のように毎日通うという人は珍しくない。

森さん目当てに来店する客もいる。「あ! 居た居た、店長! 今日はこんなのあってさ~」と楽しそうに話し始める。そんな組合員の存在が「すごくうれしい」と目を細める。

温かな交流が生まれている店内ではあるが、オープン後は激務が続き、夜中に1人で商品を出すことも多かったという森さん。「帰宅すると訳もなく涙が流れた。真っ暗闇にいて明日が見えない。誰にも相談できず、なんで誰も分かってくれないのかと人を責めてばかりいた」と話す。

あるとき、「自分の当たり前は相手にとってそうではない。できないのは相手のせいではなく、自分がきちんと仕事を理解し指示を出せていないからだ」と思い、自身で全業務に取り組み内容を理解。その上で職員一人一人の課題を見つけ、的確な指示を出すようにした。「職員は若く未熟な点も多いが素直なのが良いところ。言えばできる。気付きを促し、一つずつ考えさせたら、今は〝あの人の仕事〟ではなく、店の一員として自らやるようになった」と職員の成長を喜ぶ。

通常の10倍という発注ミスがあったときは、全員で販売促進に動き、完売することができた。「失敗を失敗で終わらせず、成功に変える。そのとき大きな成長がある」と森さん。「人を育てるのが店長の仕事。相手ができないのは自分が教えていないから。だからこの2年で私自身が育てられた」と笑顔を見せる。


誰もが状況的に厳しい運営になると想像した同店の店長に自ら手を挙げた。「大きな意義を感じた。50代になって体力的にも今のうち。挑戦してみたかった」と話す。

「現場に行ってみないと分からない」が森さんの信念だ。企画担当のころ、自信を持って提案しても人が動かない。「なぜなのか知りたくて」店舗勤務を願い出た。そこでは日々の業務をこなすのに精いっぱいで余裕がない上、企画意図が理解できない提案に疲弊する現場の空気を感じた。「いかに現場に寄り添わない提案をしてきたかが分かった」

現場へ足を運び、企画の目的、テーマを丁寧に説明するよう企画者に促すと、現場も納得し動いた。「人に喜ばれ、供給が上がれば、現場も活気づき、自ら声を出すようになる。ある程度、経営的な数字を意識させることは、店の継続、人材育成において大事」

知人に店を紹介したり、要望や意見など貴重な声を届けてくれる組合員もいる。

「コープなご宮里ができて幸せと言ってくれる組合員さんが心の支え。そんな組合員さんのために頑張りたい」。力強い言葉と優しい笑顔が輝いた。


地域の人々と2周年を祝う


森さん提供

2017年、「コープなご宮里」は組合員の強い要望に応え、北部地域で初めて出す9番目の店舗としてオープンした。ことし10月19日には、2周年を祝うイベントを開催。開店前には、地域で活動するバトントワリンググループの子どもたち(左写真)が演技を披露して場を華やげ、地域の人々840人が集まり、喜びを共にした。

地域の組合員を代表して祝辞を述べた比嘉孝子さんは店を毎日訪れているという常連。「コープの協同購入で30年お世話になり、お店もできて、私たちは幸せです」と語った。

店には親子3世代で来店する家族もいて、親が子へ離乳食やコープ商品のアドバイスをしている姿も見られた。森さんは「多くの組合員さんが絶対の信頼を寄せてくださり、継承されていくのを見るとすごくうれしい。組合員さんの喜ぶ声と笑顔が私の前に進む原動力になっています」と笑顔を見せた。


さんのハッピーの種

森さん提供

Q. ストレス解消法は?
忙しくて、なかなか実現するのが難しいのですが、海を眺めてボーッとしたり、沖縄ではダム巡り、県外ではお城巡りの他、神社仏閣にお参りへ行くのも好きです。
ダムやお城など、大きいものを見ていると、自分が小さい存在だと感じるのがいいですね(笑)。また、双子の娘も独立して県外に暮らしているので、年末年始には娘のところを訪ね、ゆっくり親子の時間を過ごすようにしています。




プロフィル
もり・えみこ

1963年、那覇市出身。大学を卒業後、沖縄富士通に入社。システムエンジニアとして東京で勤務。結婚後、義父の介護のため退職し鹿児島へ移住。義父が回復し、双子の娘の育児を考え沖縄に移住。94年、コープおきなわでパートの事務として勤め始める。2014年、正規職員となり、17年2月、コープおろく 店長就任。組織初の女性店長となる。10月、北部地域で初出店となる「コープなご宮里」の店長に就任。


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撮影/比嘉秀明 文・赤嶺初美(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1350>
第1687号 2019年11月28日掲載

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