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2019年8月29日更新
[ぶら~りまちある記]中城ハンタ道巡り 歴史に触れる
ぶら~りまちある記[2]
処暑を過ぎ、少し暑さも和らいだこの時季。外出して自然の空気に触れるのもいい。国の指定文化財に指定された「中城ハンタ道」は地域の歴史を物語る文化財や史跡が残され、歴史に触れながら歩くことができる。
9月の連休は外に出て散策をしてみては! 首里城を起点に中城城を通り、勝連方面に向かう琉球王府時代の古道「ハンタ道」を歩いてみるのもいい。先人たちが築き上げてきた歴史や文化に触れることができる。
歴史・文化体感 古道の歩き旅
2015年に国の指定史跡に道の一部が指定された「中城ハンタ道」。高台にあり景色のいい「東太陽橋」から中城城跡を目指し、歩を進める。白い石畳の道になっており、たどりながら歩いてみた。
出発から約15分、「南上原のユクヤー」に到着。ハンタ道を通る旅人の休憩ポイントということで、風に当たりながら中城湾を眼下に景色を楽しんだ。さらに進み、カフェ沿いに道が続いている。歩を進めると「安里村壱里山」という休憩場所を通過し、車道に出た。
道路を横断し階段を上ると、沖縄戦に関する遺跡の「161・8高地陣地」と、村奥間集落発祥の地とされる「キシマコノ嶽」に。草木が生えていて全貌は見えなく残念だったが、村の貴重な拝所や戦跡が昔のままで残っていることに驚いた。
今度は下りの階段が続く。畑を横目に進んでいくと、新垣集落へ。川沿いを進み県道に出ると、新垣区民館の前に「県道開削記念碑」を発見。集落の坂を上りきると「ツンマース」と呼ばれる道の分岐点に到着。中城城跡方面へ歩を進めると、新垣グスクの敷地内に。「内原の殿」と呼ばれる拝所があり、神聖な場所。自分も手を合わせて先へ進む。
次に現れたのは「ペリーの旗立岩」。ペリー艦隊の調査隊が訪れたという痕跡があったことにビックリ! さらに石畳にしたがって進むと、ゴルフ場が見えてくる。ゴルフ場のフェンスに沿って進み、山の中へ。案内板では中城城跡まで、残り20分の所まで来たが現在、道の改修中のためここでいったん終了。
約2時間の歩き旅。汗をぬぐいながら「いい運動になった」と満足感に浸った。
東太陽橋(アガリティーダばし)
風心地よく眺めいい
2015年に整備された東太陽橋(アガリティーダばし)。ハンタ道の中でも眺めがいいスポット
161.8高地陣地・キシマコノ嶽
拝所と戦跡
161.8高地陣地は、標高161.8mの高台にあった陣地で村指定文化財。太平洋戦争末期、キシマコノ嶽周辺に日本軍が築いた陣地。大岩の上に監視哨(敵を見張る場所)、岩の根本に本部壕が設けられた。同地では日本軍と米軍との間で激戦が展開された。
キシマコノ嶽は、地元ではヒシマク御願、ウガンモーと呼ばれているスポット。奥間集落の発祥地で、現在でも奥間集落の人たちに拝まれている。
県道開削記念碑
県道の開通たたえ建立
県道普天間・与那原線(現県道35号線)が開通したことをたたえて、1934年に新垣の青年団によって建立された。村指定史跡。
新垣集落の住宅街を延びるハンタ道。
新垣集落の坂を上りきると、現れる「ツンマース」。道の分岐点となっていて東側に行くと中城城跡へ向かい、西側に行くと宜野湾に続いている。
内原の殿(ウチバラノトゥン)
新垣集落の拝所
新垣グスクの東側の入り口近くにある、内原の殿。戦前まで5月と6月のウマチー(稲の収穫儀礼)には区民総出で、ここで拝みをした。
近くに公園があったので、ゴルフ場から寄り道をすることに。
中城公園に到着し、屋根のついたベンチで、しばし休憩。多くの家族や仲間同士が遊具で遊んだり、キャッチボールしたりと楽しんでいる光景が目に飛び込んできた。子どもたちが、トランポリンで飛び跳ねてはしゃぐ姿に思わず私も顔がほころぶ。
子どもたちから力をもらったところで、せっかくなので、今回ハンタ道では通行止めとなっていた中城城跡を目指そうと進む。登りがきついが「いい運動! ダイエットにもなる」と自分に言い聞かせ踏ん張る。
30分ほどかけ到着。持参していた水も飲みほし、冷たいものがほしいと思う中、城跡の入り口付近のパーラーで、ほっと一息。かき氷を口にかき込み、パワーをチャージ。
その後は中城城跡を見学、太平洋を一望できるビュースポットにもなっていて心地よい風を感じながら景色を楽しんだ。歴史の道をふり返ると、「よく歩いたなあ」と達成感でいっぱいになった。
中城城跡
城壁の技術に曲線美
世界遺産(琉球王国のグスクおよび関連遺産群)、国指定史跡、日本100名城に指定され、自然の岩石や地形を利用した美しい曲線の城壁や当時の巧みな石積技術を目の前で見ることができる。また、太平洋を一望できるビューポイントにもなっている。入場料は大人
400円、中・高校生300円、小学生200円。
■問い合わせ先/098-935-5719
ペリーの旗立岩
ペリー艦隊と星条旗
1853年、米国ペリー艦隊が日本遠征の途中で琉球に立ち寄り、探検隊を編成して沖縄本島の調査をした。その探検隊が中城を通った際に、新垣集落の北側にある大岩付近で休憩をとり、その大岩に星条旗を立てたことから旗立岩と呼ばれている。村指定史跡。
ペリーの旗立岩の近くには、見晴らし台があり、休憩スポットに。
中城公園
広々、遊具もいっぱい
子どもたちに大人気のトランポリンや大小さまざまなすべり台などカラフルな遊具はもちろん、芝生広場や散策路などがあり、子どもから大人まで多彩な遊びができ一日中楽しめる。芝生広場では家族で弁当、水筒持参でピクニックにも最適だ。
■問い合わせ先/098-935-2666
レインボーコーヒー
のんびり飲食を楽しむ
中城城跡の入り口近くにあるパーラー「レインボーコーヒー」。人気のかき氷はマンゴーやイチゴ、メロンなど6種類に、ぜんざいもある。そのほか、グアバジュース、自慢のコーヒー、ラテも人気だ。
注意事項
・休憩は時間を決めて多めに取る(熱中症対策として水を持参するのを忘れずに)。
・山道にも入るため、蚊や虫などに注意!(虫よけスプレーを持つといい)。
・服装は長袖・長ズボンで、暑い日は帽子やタオルも用意するといい。
編集/安里則哉
『週刊ほ〜むぷらざ』ぶら〜りまちある記[2]
第1674号 2019年8月29日掲載
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編集者
日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。