[彩職賢美]篠笛奏者の金刺文美子さん|感じた思い音にのせて|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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彩職賢美|沖縄の輝く女性にインタビュー

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彩職賢美

2019年8月15日更新

[彩職賢美]篠笛奏者の金刺文美子さん|感じた思い音にのせて

息遣いまでもが音の一部で、息の吹き込み方や笛の角度で多彩な音を奏でることができるのが篠笛(しのぶえ)の魅力です。和太鼓奏者の夫と組むユニット「そらなり」では、「祈り奏でる」をテーマに演奏しており、曲を作るときは「自然の中で感じたことや生きていることへの感謝の気持ち」を表現しています。

篠笛の音色で祈り奏でる

そらなり-SORANARI-
篠笛奏者
金刺文美子 
さん

自然や命への感謝を表現 主催イベントに奮闘も

涼しげな篠笛の音色に寄り添うように、和太鼓の音と振動が響く。篠笛奏者の金刺文美子さんは、和太鼓奏者の夫、金刺凌大さんとユニット「そらなり」として、県内外で演奏している。

東京から沖縄に移住したのは2016年。プロの和太鼓奏者として国内外を飛び回る夫が、のどや口の中に潰瘍ができる症状に悩まされたことがきっかけ。「当時の夫は、演奏するために生きていた」と言い、今後の生き方を考えた末、「幸せに生きることを第一としたライフスタイルに変えようと移住した」という。

結婚当初から2人で演奏していたが、移住を機にユニット名を改め、CDも発売した。篠笛の他にも、歌を担当。作詞・作曲は夫と2人で行い、「『祈り奏でる』をテーマに、自然や生きていることへの感謝の思いを表現している」と独自の世界観を説明する。

力強さや幻想的な雰囲気を感じるオリジナル曲「天空」には歌詞がない。「宮崎県高千穂の山奥にある神社で感じた、『天の上の世界と私たちが住む世界がつながっている』という感覚を表現した」と紹介し「言葉で伝えたいことと、音だけで感じてほしいことは別なんです」と力を込める。「曲を作るのは苦しみもあるけど、生まれてきたものはいとおしい。曲って、演奏するたびに育っていくんですよ」と少女のように笑う。


9歳からフルートを吹いていたこともあり、夫と演奏し始めた当初はフルートと和太鼓の組み合わせだった。しかし、フルートらしい音が和太鼓の音量に消されると感じ、「和太鼓と相性の良い、篠笛を吹こうかなって、軽い気持ちで始めた」と屈託なく笑う。「音の正確さを重視するフルートと、息遣いまでもが音になる篠笛は奏法が違うため、苦戦した」と言い、篠笛奏者に師事を仰いだり、独学で勉強して腕を磨いた。

「篠笛は鼻歌を歌うような感覚で、自分の思いを奏でやすい楽器。傾けると音が変わったり、吹く息の音や、音と音の間の微妙な音も魅力。聴く人の心を震わせる演奏ができるように心を込めている」。和太鼓と一緒に奏でることで表現の幅が広がり、互いの音を支え合えるのも夢中になる理由のようだ。

2015年には娘を出産。「育児と仕事の両立は葛藤もある」とポロリ。「演奏の間、舞台袖で待たせている娘の時間を奪っているんじゃないかと思ったりね」。自宅で事務作業をする際は作業時間を決めたり、作業中は隣で娘にお絵かきをさせるなどの工夫も。「娘なりに私たちの仕事を理解している。楽しく仕事ができるのは、私を支えてくれる夫と娘のおかげ」だと話し、「大きくなったらね、そらなりに入るの」と夢を描く娘の成長が楽しみだとほほ笑む。

6月には、ドイツでの演奏を実施。ベートーベンなどドイツの音楽家の曲や、てぃんさぐぬ花を披露したと言い、「訪れた地域の音楽を演奏することも多い」のだとか。最近はバレエ教室の発表会用の曲の作曲・演奏を依頼されるなど、年々活動の場を広げている。

現在は9月に行われる、夫が所属する和太鼓集団「ひむかし」の沖縄公演の企画製作に奮闘中。「和太鼓は奏者によって音も表現方法も変わる。そのかっこよさをもっと多くの人に知ってほしい」という熱い思いも。自身もコラボレーションアーティストとして観客の前に立ち、篠笛の演奏を行う。「これからも旅をしながら、いろいろな場所で音を奏でることができたら」と、凛とした表情で今後の夢を語った。


「祈り奏でながらの旅」は幸せ


金刺さん提供
 

今年6月、演奏のために訪れたドイツ。家族で1カ月間滞在し、「休日にはケルンの大聖堂に行きました。家族で祈り奏でながら旅できることが幸せ」と笑顔を見せる。

夫の凌大さんのことは、「親友であり、恋人であり、娘の親。そして、私が尊敬するアーティスト」と表現する。「結婚したことで、絶対的な味方を手に入れた感覚」なのだという。怒られたりすることもあると言うが、「私に足りないものを持っている。彼以上のパートナーはいない」と断言。娘の紗貴子ちゃんは、金刺さんの演奏や歌で感動して泣くこともあるのだとか。

篠笛の魅力を伝えるため、県内で篠笛教室を開催中。

■問い合わせ/soranari2016@gmail.com


 

モノ作りが好き

金刺さん提供

作詞、作曲を含め、何かを「作ること」が大好き。演奏する際の衣装(上写真)や小物をミシンで作ることも。主催するイベントのポスターなども手作りだという。


和太鼓集団10周年公演開催

夫の凌大さんが所属する東京スタイル和太鼓ソリスト集団「ひむかし」のアニバーサリーツアー。県内ではそらなりが主催し、3公演を開催する。9月1日(日)に沖縄市、5日(木)に浦添市、8日(日)に八重瀬町で。

■問い合わせ先/090・2339・9385(寺村)



プロフィル
かなざし・ふみこ

1982年生まれ、東京都出身、南城市在住。「いつかは母になりたい」と日本女子大学家政学部通信教育課程児童学科に入学、卒業。小学生の頃からフルートを習い始め、18歳まで東京都台東区ジュニアオーケストラに所属。高校入学と同時に役者を目指し、ドラマやCMに出演した経験もある。現在は和太鼓奏者の夫と2人で「そらなり」を結成し、篠笛・歌を担当。2人で作詞・作曲も行う。ソロでも活動中。

週刊ほーむぷらざ「彩職賢美」|輝く女性を応援!
今までの彩職賢美 一覧


撮影/比嘉秀明 文/比嘉知可乃
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美<1342>
第1672号 2019年8月15日掲載

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この記事のキュレーター

スタッフ
比嘉知可乃

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新人プランナー(企画・編集)
1990年生まれ、うるま市出身。365日ダイエット中。
真面目な話からくだらない話まで、「読んだ人が誰かに話したくなる情報」
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