[イマドキ子育て] HSC とても敏感で繊細な子|5人に1人 生まれ持った気質|fun okinawa~ほーむぷらざ~

沖縄で暮らす・食べる
遊ぶ・キレイになる。
fun okinawa 〜ほーむぷらざ〜

沖縄の魅力|スマイリー矯正歯科

わたしらしく

出産・子育て

2019年7月18日更新

[イマドキ子育て] HSC とても敏感で繊細な子|5人に1人 生まれ持った気質

とても敏感で繊細な子ども「HSC」を知っていますか。心理カウンセラーでHSCの子がいる斎藤暁子さん(41)は「HSCは生まれ持った気質。育て方が原因だと言われることもあるけれど、そうではありません。HSCを知り、気質に合う育て方をすることで、その子らしさを伸ばすことができます」と言います。


 

心理カウンセラー・斎藤暁子さんに聞く
「あなたはあなたでいい」と肯定する
その子だけに向き合う時間を

HSC(とても敏感で繊細な子)の共通点は、敏感さや思慮深さ、感受性の高さ。下の10の特徴が一つの目安になります。状況をじっくり観察し安全を確認してから行動するので、新たな環境や集団に慣れるのに時間がかかります。それは情報をたくさんキャッチし、深く処理するから。周りには気付かれないため、人知れず疎外感や孤独感を感じやすいです。

HSCの中には、学校に通うことや苦手なことを無理強いされることを苦しく感じる子がいます。そこで子どものペースを否定したり無理に頑張らせると体や心にストレスがかかり、不眠や腹痛、過剰なイライラ、泣くなどの行動が表れることがあります。

周囲から甘やかしや過保護ではと言われて悩む親御さんは多いのですが、HSCは障がいや病気ではなく生まれ持った気質です。社交性が重視される社会では自己肯定感が育ちにくい。そのため、何よりも子どもが「自分は大事にされている」と感じることが大切。「あなたはあなたでいい」と肯定し、子どもを尊重して。

親御さんがHSPの場合、共感できる強みがありますが、同じ苦悩をさせたくないと心配のあまり干渉し過ぎることも。子どもの気持ちに寄り添い、待つ・見守る姿勢で。

HSPではない親御さんはHSCを知り、子どもの気持ちや意見をしっかり聞いて受け止めることが大切です。

HSCの多くは、親御さんを独占したい気持ちが強い。1日に1回でも、その子のためだけの時間を作ってほしい。
 


たくさんの長所

気を配りたいのが、多感な思春期の関わり方です。内面の活動が活発なHSCは強い葛藤を抱えやすいのですが、大半は表に出さず、生きづらさを感じたり、不安障がいや摂食障がいなどにつながることも。子ども扱いせず信頼し主体性を尊重する、プライバシーを守る、思いや感情を吐き出したときに受け止めて寄り添う、ことが大切です。

親御さんにゆとりが無いと子どもを受け止める余裕が無くなるので、自分の心身のケアも必要だと思います。

HSCには、本質を見抜く力や人の気持ちを鋭く察知して細かい気配りができる、創造性に富む、といったたくさんの長所があります。HSCを知り気質に合う育て方をすることで、その子らしさを伸ばすことができますよ。

 




斎藤暁子さん。本部町在住。HSCの子の母。心理カウンセラー。HSCの情報発信、オンラインコミュニティー「HSC子育てラボ」代表。「HSC子育てラボ」で検索。

 
7月、斎藤さんとHSC書籍プロジェクトチーム協力で著書「HSCを守りたい」を発売(風鳴舎発行)




お母さんに聞く
娘がストレスで体調不良 登園拒否に
子どもの気持ちを尊重
ゆかりさん(仮名・南風原町・34歳)

6歳と4歳の娘がいて、長女がHSCの傾向が強いんじゃないかと思っています。小さなころから繊細で不安を感じやすい。登園拒否の時期もありました。

登園拒否をしていたころ、おしっこするのを痛がって、何度もトイレに行く。膀胱炎かと病院に行ったらそうではなく、医師に「ストレスで症状が出ることもある」と聞いて。私にとても依存したり、少しのことで泣いたり不機嫌になることも多く、精神面を知りたいと病院を受診し検査を受けたのですが、障がいでも病気でもありませんでした。けれど幼稚園に行けない、疲れる、と言う。どうしたらいいんだろうと悩んでいた時にHSCを知って、気持ちが楽になりました。

最初は子どもの意思を尊重したいけれど幼稚園にずっと行かなかったらどうしよう、と迷いもあった。斎藤さんのカウンセリングや本、ネットで情報を得て、「子どもの気持ちを尊重しよう」と決め、ゆっくり子どもと向き合うために退職。学年が上がってクラスが変わると、再度幼稚園に通うようになりました。


言葉かけに工夫

長女は何げなく言ったことに傷つきやすいので、言われたことは受け止めて、否定的な言葉はできるだけ使わないようにしています。「うるさい」でなく「静かにしてね」、「ダメ」でなく「ここを直したらもっと良くなるんじゃない」など。

小学校に入学後、からかわれている子を見て傷ついて、翌日学校に行けなくなったことがあります。思いやりがあって優しいのは長所だけれど、他人の気持ちを受けやすいので、「自分が一番大事。その次に他人だよ」と伝えるようにしています。

HSCと周囲に言うと、レッテルをはるのはどうなの? と言われたりするけれど、長女はHSCの要素が多いなぁ、とゆるく受け止めています。

子どもがHSCでもそうでなくても、「子どもをよく見る、受け入れる」といった対応はどの子にも通じることかな、と思います。いろいろな人がHSCを知って、子育ての一つのヒントになればいいな。



ゆかりさんが読み込んでいる本。子育てのヒントが得られて、気持ちが楽になった
 
編集/栄野川里奈子
『週刊ほ〜むぷらざ』イマドキ子育て
第1668号 2019年7月18日掲載

出産・子育て

タグから記事を探す

この記事のキュレーター

スタッフ
栄野川里奈子

これまでに書いた記事:294

編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

TOPへ戻る