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2019年6月6日更新

[彩職賢美]琉球プロトコール協会代表の伊禮典子さん|国際儀礼を伝え輝く人材を

マナーや風習は国や地域によっても異なります。お互いを尊重しつつ共通のルールで気持ちよくコミュニケーションし、世界平和を実現する。そのために生まれたのが世界共通マナーのプロトコールです。観光立県・沖縄ではもちろん、2020年の東京オリンピックを控え、マナーの大切さを伝え、指導する人材を育てることが私の責務と思っています。

世界共通マナーで心豊かに

琉球プロトコール協会代表
伊禮典子 
さん

保育士の経験を強みに 人材育成にも力を注ぐ

マナー講師として活動し、ことしで8年目を迎える伊禮さんが主に指導するのは、国家間の儀礼における公式ルールの「プロトコール」。世界平和のための「国際儀礼」のことで、宮中の晩さん会やサミットなどの国際会議、公的行事はプロトコールにのっとって行われている。「プロトコールと聞いて堅苦しい印象を持つ方もいるかと思いますが、その基本は相手を敬い、不快な思いや迷惑をかけないといった気配りが『マナー』であり『プロトコール』なんです」と説明する。

指導するにあたり「人に見られていること」を意識するよう強調している。「初対面の場合、視覚からの情報は最も重要で、人の印象は55%見た目で決まると言われるほど。2秒~7秒で第一印象が決まってしまうんです」。そのため身なりはもちろん、姿勢や立ち居振る舞いが重要になるという。

「そのほか、私は特に表情を重視しています。よく『笑顔は印象的にいい』と聞きますが、私の考える笑顔は、表面的な作り笑いではなく、心の中からにじみ出る笑顔。それを『温顔』と呼んでいます。心の底から楽しいというような表情が自然と出るよう意識することが大切です」。

また、講座では話し方の工夫にも力を入れている。「話し方には『はっきり・ゆったり・丁寧に』という三原則があり、ゆっくり話をすることで、自分自身で話の順番を整理しながら、言いたいことが伝えられるようになる。生徒にはそう指導しています」。

「マナーは繰り返して行うことで身に付きます。元の姿勢や表情に戻らないように常に意識し、それが無意識になるまで継続してほしい」と話す。


以前は保育士として、子どもたちを相手にしてきた伊禮さん。保育士として働く傍ら礼儀作法を学び、いずれはマナーの講師をしたいと考えていた。転勤を機に29年間勤めた保育士を辞める決意をし、その後、作法を学ぶ中で、プロトコールのことを知り、世界で通じるマナーに興味を持った。「思い立ったらすぐ行動するのが私」と言う伊禮さんは、プロトコールを学ぶため東京で行われていた講座を定期的に受講し、資格を取得。2011年よりマナー講師として活動を開始した。

「よく、保育士だった人がなぜマナー講師にって質問されますが、それは私の強みと思っています。保育者はしつけという生きていく上での土台づくりをします。マナー講師は社会に出て活躍する人材育成を担っています。しつけもマナーもすべて線でつながっていて、その延長線上にプロトコールがあるのです」と伊禮さん。

2020年の東京オリンピックに向け、プロトコールを身に付けたいという人が多くなっているという。その一方で、県内ではプロトコールの認知度がまだまだ低いという。

「プロトコールという言葉は聞いたことがあっても、内容が分からないという人が多い。本来なら、観光に関わっている人すべてが、身につけて携わっていくことが大事だと思います。どう興味を持ってもらえるかがこれからの課題」。

観光立県・沖縄は外国から訪れる人も増加。公共の場や社交の場では世界共通のマナーが必要になってくる。「正式なプロトコールをお伝えできる人材はまだそう多くはいません。東京オリンピックを間近に控え、そのような人材を育てるのも私の責務と考えています。講座を通して心豊かに輝く人を増やしていきたい」と意欲を示した。


専門学校講師としても活動


以前は保育士だった伊禮さんは、現在、専門学校の講師としても活動。沖縄中央学園では保育者を目指す学生に保育原理と家庭支援論を教え、沖縄ブライダルモード学園では、冠婚葬祭のマナーの指導を中心に教壇に立っている。

「学生に接すると、初心に戻った気持ちになり、楽しく指導できます。相手を思いやれる心豊かな指導者を育てていきたい」と話し、保育やブライダルを支える専門家の育成にも力を注いでいる。


2019年6月19日に基本セミナー


伊禮さんが講師を務めるセミナー、「世界共通マナーの基本セミナー」が、2019年6月19日(水)に那覇市西のネストホテル那覇で開かれる。同セミナーは、世界標準マナーを身に付けることで国際ビジネスパーソンとして、コミュニケーション力の向上を目指すという内容だ。

問い合わせ先/
琉球プロトコール協会 
090‐9787‐1451 



パッチワークとガーデニングも


絵本作家でガーデナーであった「ターシャ」に憧れて、パッチワークとガーデニングを始めたという伊禮さん。パッチワーク教室に通いコツコツと作品作りを楽しんでいる。パソコン入れや裁縫箱、ハサミ入れなどを作り、普段使いしている。作品には刺しゅうを施すこともある。「迷っていることがあっても、気持ちが整理できる。私にとって欠かせない時間です」と笑顔。

ガーデニングもリフレッシュの時間。「育てたバラが開花した時の喜びは至福です」と話す。



プロフィル
いれい・のりこ

1960年、沖縄市出身。1981年、保育士資格を取得。29年間保育士として活動。2011年、マナー講師として活動を開始。2015年、琉球プロトコール協会を設立。現在、プロトコールの講座をはじめ、講師の育成に努める。専門学校沖縄中央学園、専門学校ブライダルモード学園講師として教壇に立つほか、社会人向けのマナー講座・研修などを開講中。

週刊ほーむぷらざ「彩職賢美」|輝く女性を応援!
今までの彩職賢美 一覧


撮影/比嘉秀明 編集/安里則哉
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1335>
第1662号 2019年6月6日掲載

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スタッフ
安里則哉

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編集者
日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。

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