彩職賢美
2019年2月21日更新
[彩職賢美](株)BRILLIANT色彩部門「色彩カラフルライフ」主宰の福岡百合子さん|色で内面引き出す
レンタルオフィスなどを手掛ける(株)BRILLIANT(那覇市)。同社の色彩部門「色彩カラフルライフ」主宰を務める福岡百合子さん(40)は、心理学と色彩を組み合わせた心理療法「コミュニケーション色彩心理・キュービック」プログラムを展開。色の力を使って心の解放を目指すカラーに携わり、ことしで11年目。「カラーで多くの人を元気にしたい」と話す。
カラー取り入れ自分らしく
(株)BRILLIANT
色彩部門「色彩カラフルライフ」主宰
福岡百合子 さん
「私たちの身近にあふれる色を使って自分の心のケアはもちろん、家庭や社会というコミュニケーションが重要となる場面で活用できる色彩心理メソッド(手法)を多くの方にお伝えしたい」と語る。
そのメソッドが、福岡さんが行う「コミュニケーション色彩心理・キュービック」プログラム。自分の気持ちを色に映し出し、それぞれの持つ色の特徴から、なりたい自分になるためのサポートをする色彩心理療法だ。「プログラムでは、赤や黄色、青など異なる10色の立方体(カラーキュービック)の中から5色を選び、十字型に並べて『今の心境』や『将来の展望』などを診断します。並べた位置や順番、色の組み合わせにも意味があって、話をしながらその方の心情を読み解くカウンセリングを行います」と説明する。
「色はその人の気持ちを表しています。『こうなりたい!』という意志はあるが、自分の内にある向上心や行動力に気付いていない人も多い。そこに気付いてもらえるよう、私の体験談も交えながらアドバイスするようにしています」と話す。
「プログラムを終えたお客さまが、最初の不安な表情から『部屋に明るい色を取り入れてみます』などと笑顔になるのを見るとうれしいし、私も励みにもなります」。参加者はプログラムを重ねる中で、次第に服装や持ち物がカラフルになっていくという。
色彩心理療法と出合ったきっかけは「キュービック・マム」講座に参加したこと。「以前からカラーに興味があり、講座に参加しました。そこで学んだことを子育てに取り入れると、悩みが緩和されたのです」と振り返る。
福岡さんがまず行ったのは、思春期を迎え会話も一言程度だった息子と向き合うこと。彼のパーソナリティーカラーを調べたところ「彼の中にある、『楽しいことやおしゃべり好き』の黄色の部分を知り、その部分を引き出すように意識しました」。例えば、息子がテレビを見て笑っていると、「何が面白いの教えて」と一緒に楽しんだり、息子の趣味のダンスのビデオを見て、一緒に踊ったりもした。「子どもと目線を合わせ同調していくと会話も増え、家庭で冗談を言い合うようになったんです」という。
それからは、色の持つ可能性を追求したいと思い、2011年にキュービックカラーセラピストの資格を取得。13年には、キュービックエデュケーター認定講師資格を取得し、後進の育成にも力を入れている。
「時には、お客さまにお会いする際、体調不良で気持ちが沈みがちになることもあるのですが、そんな時はきれいな色の写真を眺めたり、赤など明るい色の洋服を着たりしてモチベーションを高めるようにしています」と福岡さん自身、普段でも意識的に色で気持ちをコントロールしている。
「うれしいときや悲しいときなど、自分の心の状態に上手に向き合えているかを意識することは大切。色を通して自分自身を知り、心のバネを強くすることを目指しています」。さらに「自分を理解することで他者理解も深まり、人付き合いにも良い影響が出るはず。日常に色を取り入れることで、なりたい自分に近づけると思います」と強調する。「家庭や社会の中でキュービックを取り入れ、彩り豊かに自分らしく輝く人を増やしていきたい」と目を細めた。
パステル画で癒やし効果
福岡さん提供
福岡さんの講座の一つ、色を使って楽しくストレスを吐き出す「パステルアートセラピー」。同講座は、パステルを使って画用紙に星や手のひらなど、好きな模様を自由に描くというセラピー。「描いていると次第に肩の力が抜けて、ゆったりした気分になり、心が癒やされてくるんです」説明する。簡単で子どもから大人まで楽しくできる。「普段からその絵を目につきやすいところに飾ることで、癒やし効果も期待できますよ」と話す。
旅先で出合う土地のカラー
福岡さん提供
年に数回ほどは国内外の旅行に出かけ、その土地土地のカラーを楽しんでいるという福岡さん。
「歴史や文化を学ぶのはもちろんですが、建物や看板などを見ては『こんな色を使うんだ』、『色の組み合わせがおもしろいなあ』などと関心させられることも多いですね。特に印象的だったのは、マレーシアを旅行した際に目についたバトゥ洞窟のカラフルさ」と笑顔。
福岡さんのハッピーの種
Q.趣味は?
時間があれば、読書をします。謎解きやミステリー系が好きで最近では、特に東野圭吾さんの書籍にハマっています。トリックや登場人物の内面を緻密に描いているところなど、どんどん引き込まれていきます(笑)。夜寝る前の1時間くらいは必ず読んでいて、病院の待ち時間や飛行機の中などでも読むことが多いですね。
Q.印象的なエピソードは?
以前、出前講座を行った際、小さなお子さまを抱っこしたお母さんが参加されていて、その方の選んだ色から「心身が疲れているのでは」と判断し、「大きなことを抱えてらっしゃるのですか」と声を掛けると泣き出してしまって…。そのお母さんの話を「よく頑張っていらっしゃいますね、気持ち分かります」と同調しながら聞いていくと、終わるころには、すっきりした顔で帰って行かれました。
同じ母親として、子育てや家庭のことに悩んでいらした方の心が晴れたことがうれしかったですね。お母さんが元気で明るくなれば家庭もおだやかになると思います。これからもキュービックを通して、子育ての応援はもちろん、お母さん方の応援もしていきたい。
◆色彩カラフルライフ
098‐943‐2099
PROFILE
ふくおか・ゆりこ
1977年、那覇市出身。国内線客室乗務員として勤務後、結婚を機に退職。子育て法を探る中でキュービックと出合う。2011年、キュービック・カラーセラピスト認定資格取得。2013年、キュービック・エデュケーター講師認定。キュービック各種認定資格講座、アドラー心理学講座など、さまざまなワークショップや各種講座、企業研修などを行う。(株)BRILLIANT専務取締役、色彩カラフルライフ主宰。
[今までの彩職賢美 一覧]
撮影/比嘉秀明 編集/安里則哉
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1327>
第1647号 2019年2月21日掲載
この記事のキュレーター
- スタッフ
- 安里則哉
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編集者
日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。