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2018年6月14日更新

[彩職賢美](一社)絵本メンタリング協会 代表理事の仲宗根敦子さん|絵本の力で人生豊かに

日本各地、アジアやヨーロッパへも足を運び、絵本や文章術の講座を開いている仲宗根敦子さん(47)。受講者は延べ5千人以上に上る。「未来を担う子どもたち、そして親たちが絵本を通して自信と絆を育み、人生を豊かに過ごせるようお手伝いがしたい」と、2017年に絵本メンタリング協会を設立。自身の子育て経験を交えて絵本の効果と取り入れ方を伝え、講師育成にも力を注ぐ。


 

すべての人が輝くために

(一社)絵本メンタリング協会 代表理事
仲宗根敦子 さん

「子どもの脳は6歳までに約90%出来上がると言われていて、その時期の親の言葉掛けや環境づくりが子どもの自信や価値観、習慣を育みます。絵本はその手助けになるんです」。「実は、読み聞かせをする大人の心にも絵本は作用します。絵本には美しい言葉、優しい言葉がいっぱい。どんな言葉のシャワーをかけるかで人生は変わる」。

絵本のことを語り出すと笑顔が弾け、話は尽きない。講座では自身の体験、子どもの発達や心理学の視点を踏まえ、絵本の効果や取り入れ方を楽しく伝える。内面の願望と現実での行動をつなぐメンタリングや、教育にたけた仲間と作り上げた独自の絵本講座。親子の絆と自己肯定感を育み、コミュニケーション力や創造力といった心の知能指数(EQ)を高めるヒントが得られると、会場は常に満席だ。

この春、大学生になった長男を妊娠した際、子育てがうまくいく方法を調べて絵本にたどり着いた。「簡単に読めるし、私でも続けられそうと思ったんです」と振り返る。産院を退院した日から、読み聞かせを始めた。「1歳までには1日30冊読めるくらい、息子は絵本に集中してくれました」。

次男が生まれて間もなく夫が他界。シングルマザーとして会社勤めと子育てを両立させる中、親子で毎日楽しんだのは絵本だった。自宅には1500冊以上の絵本。子どもの通う小学校では、週1回の読み聞かせボランティアを10年続けた。

「『ずっと絵本に集中して偉かったね』と教室で声を掛けるとみんなうれしそうで、読むたびに真剣になって聴いてくれるのが感動的でした。絵本は子どもに幸福感をプレゼントできるし、子育ても楽になると実感しました」


絵本講座を開くきっかけは、「息子たちに夢を持って人生を歩んでほしい」という思いから。自分が夢にチャレンジする姿が見本になると考えた。「私にできるのは、息子たちが絵本でしっかり育ってくれた経験を伝えること。子育て中のお母さんたちの力になりたいと思いました」。

誰かの役に立ちたいとの思いが、持ち前の“学び好き”を加速させた。コーチング、NLP(神経言語プログラミング)、心理学も学び、2014年に22年間勤めた航空会社を退職。子育て絵本アドバイザーの活動を始めた。当初は自信が持てず自己発信も消極的だったが、共感を呼ぶ文章術と出合い気持ちが前向きに。ブログやSNSで自分の思いを発信すると、県外、海外からも講座や講演の依頼が来るようになった。

「子育てに絵本を取り入れる良さを多くの人に広めたい」と、17年には絵本メンタリング協会を設立。講師育成にも力を注ぐ。現在、50人余りが講師として活動するが、その多くは子育て中の女性だ。「母親とは違う、講師としての一歩引いた客観的な視点が持てるようになると、子どもと接するのがもっと楽になる。何より、お母さんの生き生きした姿は子どもの栄養になります」。

「同じ思いを持って活動してくれる仲間に感謝。一人の力は小さくても、力を合わせればどんなことも実現できる。すべての人が輝くために、絵本を通して多くの夢の実現を応援していきたい」。息子のために始めた絵本育児はいま、たくさんの親子の支えになっている。



仲宗根さんおすすめの絵本

「小学3、4年生になると他者との違いを明確に自覚するようになります。自分をほかの子と比べてしまい、自己肯定感が下がりやすくなります」と仲宗根さん。「ええところ」(くすのきしげのり/作、ふるしょうようこ/絵、学研)「わたしとなかよし」(ナンシー・カールソン/作、なかがわちひろ/訳、瑞雲舎)は、そんな子どもの自己肯定感を高めてくれる絵本。ぜひ親子で読んでみて。
 毎日子育てを頑張っているけど、不安というお母さんには、ニュージーランドに伝わる作者不明の詩「今日(Today)」(伊藤比呂美/訳、下田昌克/画、福音館書店)。子育ては大変だけど素晴らしい。そんな素直な思いが表現されていて、元気がもらえます。


自己肯定感を高める絵本
ええところ|絵本の紹介
「ええところ」

わたしとなかよし|絵本の紹介
「わたしとなかよし」


子育て中のママに
今日(Today)|絵本の紹介
「今日(Today)」


メンタリストDaiGoとコラボ

5月28日、熊本県でメンタリストDaiGoさんとのコラボ講演会があった=写真。
「DaiGoさんは、お母さまがたくさん本を読んでいた影響を受けたとおっしゃっていました。そのお話から、子どもの未来は親の与える環境の中にあると実感。私も絵本の読み聞かせの素晴らしさを心を込めて伝えさせていただきました」と仲宗根さん。

メンタリストDaiGoとコラボ|FUNOKINAWA

※上記4点の写真は仲宗根さん提供



仲宗根さんのハッピーの種

Q.ご自身の絵本の思い出は?
5人きょうだいなので、なかなか絵本を読んでもらう機会もなかったのですが、寝るときに一度だけ、母の隣をゲットして『人魚姫』の絵本を読んでもらったことがあります。母の読んでいる声、触れていた肌の感覚は、今でも強烈に覚えています。
大学生、高校生になった息子たちに、「お母さんにしてもらって一番うれしかったこと」を聞いたことがあります。二人とも絵本の読み聞かせでした。旅行にもたくさん連れていったし、部活の大会にも全部行ったのに(笑)。

絵本メンタリング協会
mail:info@eq-ehon.com​


なかそね・あつこ|1970年、沖縄市出身。航空会社に22年間勤めた後、2014年に独立。日本だけでなく、台湾、韓国、シンガポール、パリ、ロンドン、アメリカなど10カ国で絵本講座や文章術講座を開催。一般や小中高校、企業などで講演も行う。2017年、絵本メンタリング協会を設立。代表理事を務める。EQ絵本インストラクター、日本生涯学習協議会公認エンパシーライティング・コーチ。
PROFILE
なかそね・あつこ
1970年、沖縄市出身。航空会社に22年間勤めた後、2014年に独立。日本だけでなく、台湾、韓国、シンガポール、パリ、ロンドン、アメリカなど10カ国で絵本講座や文章術講座を開催。一般や小中高校、企業などで講演も行う。2017年、絵本メンタリング協会を設立。代表理事を務める。EQ絵本インストラクター、日本生涯学習協議会公認エンパシーライティング・コーチ。



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撮影/比嘉秀明・ライター/比嘉千賀子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1303>
第1612号 2018年6月14日掲載

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比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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