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2017年3月30日更新

[彩職賢美]沖縄ホンダ(株) 宮里 志津香さん|新車1千台を販売

沖縄ホンダ(株)の宮里(黒島)志津香さん(45)は入社以来営業一筋。同社の女性で初めて1千台を販売し、女性初の店長になった。じっくり顧客の話を聞き、トラブル時は現場に直行。誠実な対応に、長い付き合いのリピーターが多い。現場は離れたものの「今でもお客さまから連絡がある。お子さんが成長して買いに来てくれると感無量です」と柔和な顔をほころばせる。

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リピーターに支えられ

沖縄ホンダ(株)
四輪事業 法人営業部主任
宮里(黒島)志津香 
さん


「話し下手で、営業に向いていると思ったことは一度も無い」。輝かしい経歴からは、意外な言葉が飛び出した。
話すよりも聞くことが得意だ。「営業に役立ったのは、聞く耳と想像力。じっくり話を聞くから、お客さまに向いている車を勧められる。無理には売りません」とほがらかに笑う。
入社後、担当の引き継ぎで訪問すると、「購入後のフォローが無い」と憤る顧客への対応が続いた。「いつも怒られて謝ってばかり。帰ってきては泣いていた」。その時に「高い買い物をしたお客さまに、こんな思いをさせてはいけない」と強く感じたことが、その後の信念となる。
入社時、女性の営業は珍しく、「男を連れて来い」と言われたことも度々あった。そこでくじけず奮起し、車種や特徴、保険、税金など車に関わることをスクラップし、独自で勉強した。さらに顧客の車の状態や点検内容、家族のことまで頭に入れ、事故や故障などトラブルが起きると現場に直行。車を購入しなかった人にも手紙を書き、他社で点検していても相談に乗った。「目先の台数ではなく、いかに信頼関係を築くか」。
一人一人誠実に関わり続けた結果、入社後3年たつころから紹介やリピーターが増え始めた。「宮里さんのファン。いつも丁寧で、事故時の対応に感動した。店舗が移っても追いかけていました」とは顧客の声。長い付き合いの人が多い。


仕事をする中で最も苦しかったのは、二人の子どもが小さかったころ。営業の女性で初めて育児休暇を取ったものの復職後の仕事時間は限られ、土日出社で子どもと一緒にいる時間も短い。「いつ保育園から呼ばれるか分からないし、定時に上がってもお迎えはギリギリ。子どもが熱を出すと、他の社員に仕事を振らないといけない。お客さまにも会社の人にも子どもにも申し訳なくて、しょっちゅう泣いていました」。それでも「私が前例になれば、後輩が後に続きやすくなる」と踏ん張った。育休中や復職後のフォロー体制など、課題と感じた事は会社に伝え、女性の働く環境づくりに一役買った。現在では制度も整い、子育てをしながら働く女性や女性の営業職は増えている。
40歳、店長にならないかと打診を受ける。子どもが小さく手がかかる時期だったため、断ろうと考えていたが、銀行の支店長だった義母に「次は無いから、子どものことは考えずに受けなさい」と叱咤激励され、引き受けることに。同社初の女性店長となった。「実績を上げながら、人をまとめないといけない。大変だったけれど、学ぶことは多かった」。義両親や夫の協力を得て2年間務めた。そのころ、念願だった1千台販売も達成。表彰され、多くの顧客が祝ってくれた。「お客さまに、おかげさまで達成できました、とお礼を言えたのがうれしかった」。
現在は法人営業部主任として、販売店を回る日々。今後の目標は人材育成だ。「女性の細やかな心遣いは営業の強み。5年たつと仕事が面白くなり始めるが、その前に辞める女性が多くてもったいない。気負わずに、子育てをしながらも続けられるんだよと伝えたい」。しなやかに力強く。道を切り開いていく。




愛車はヴェゼル

「カッコイイ大きい車が好き」な宮里さん。現在の愛車ヴェゼルは、販売開始を待って購入した。3年間乗っていて、シャープなフロントマスクがお気に入り。「何度か仕事を辞めようかと思うことはあったのですが、続けられているのは車が好きなことも大きい。洗車も自分でしますよ!」(写真は3枚とも宮里さん提供)




家族で愛犬をみとる

宮里さんは1月、愛犬をみとった。18年前に父が拾ってきて以来、家族と共にいた「ちょび」(写真)。子どもの面倒を見てくれたり、家族がけんかをすると仲裁に入る優しい子だったという。最後は腎不全で歩けなくなり、仕事以外の時間はずっと一緒にいた。「家族にとって、大事な時間でした。食事をあげて、仕事の前に病院へ送って点滴をしてもらって、仕事の後迎えに行って。子どもたちにとっては生まれたときから居て当たり前の存在で、一緒に介護ができて、いい経験になったと思います」。

 

宮里さんのハッピーの種



Q.パワーの源は何ですか?
子どもとの会話や、子どもと過ごす時間です。家族みんな野球が好きで、子どもと一緒にキャンプに行くのが楽しみ。去年、「本物の野球を見に行こう!」と思い立ち、福岡のヤフオクドームに行きました。事前に休みが取れる日の飛行機を予約していたのですが、その日がたまたま「鷹の祭典」という人気イベントの日で、コンビニを走り回って何とかチケットをゲット! 子どもたちと、盛り上がりました(写真)。
仕事では旧姓を使っているのですが、家に帰ったら「黒島さん」。名前が変わると気持ちも変わります。家事と育児の両立は大変だし、子どもに寂しい思いをさせてまで仕事を続けるか悩んだこともありましたが、子どもがいるから頑張れる。働く姿を見せていたら、子どもが社会に出たときに頑張れるんじゃないかなと思っています。



PROFILE
宮里志津香(みやさと・しずか)1971年名護市生まれ。1992年沖縄国際大学短期大学部国文科卒業後、沖縄ホンダ(株)へ入社。2000年に長女、2006年に長男を出産。同社で営業職の女性で初めて出産・育児休業を取得し復職。2011年、女性初の店長となり2年務める。同年1千台販売を達成し表彰された。



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撮影/比嘉秀明・編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1248>
第1550号 2017年3月30日掲載

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スタッフ
栄野川里奈子

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編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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