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2017年3月23日更新

[彩職賢美]コミュニケーションスタイリスト 吉戸三貴さん|「伝える」を最適に

新しい商品を売りたい時、ブランドを立ち上げたい時、そこには必ず気持ちや価値を伝えたい相手がいて、伝え方=コミュニケーションが重要になる。その「最適な言葉と伝え方」をあらゆる角度から導き出し、企業や個人の課題を解決するのが、コミュニケーションスタイリストの吉戸三貴さん(40)。東京と地元沖縄を拠点に活躍中だ。

今週の彩職賢美は「(株)スティル代表取締役 吉戸三貴さん」
 

コミュニケーションで扉開く

コミュニケーションスタイリスト
(株)スティル代表取締役
吉戸 三貴
さん


コミュニケーションスタイリストの仕事には、いわゆる定型がない。例えば新商品のPR一つとっても、まずはクライアントの話に親身に耳を傾けつつ、絡まった思考を整理。「ブランドの価値や新商品の位置づけ、これから達成したいことを明確化する」ことから始める。「『とにかく販促』だと一時は良くても元に戻ってしまうし、ファンとの信頼関係を築くのも難しい」ためだ。そうしてブランドの中から出てきた物語や思いを、「ひとりよがりでなく、届けたい相手に、届く手法と言葉で伝えること」を大切にしている。
そのため、必要とあらば事業の大小を問わず、時にブランドのコンセプトを作り、イベントをプロデュース。ウェブで展開するならターゲット像を作成。オーナーのプロフィル文を整え、写真の写り方もアドバイスする。まさに「コミュニケーションのオーダーメード」だ。
独立前に勤めていたPR会社で企業の広報を行う際は、予算や内容に応じて、ある程度の型があった。「それはそれで効率よく仕事を進めるには重要なこと。でも、もっと自由に、いろいろな手法を試してみたかった」。
大手企業を主に担当していた会社員時代に比べ、PRの経験がない個人事業者や中小企業との仕事が多いのは、「常に新しい課題を解いていたい」から。「判断を下せる方との距離が近い方が効果が高まるし、結果も見えやすい。その方がダイナミックだったり面白いことができる」と仕事の醍醐味は増しているよう。自身がかかわった広島の小さな植物店が、数年でフランスの有名ブランドとのコラボを実現させたのが好事例だ。
近年は、県の泡盛振興事業で、大宜味村の酒造所が開発した新製品のPR戦略を提案。観光振興関連事業のアドバイザーも務めるなど、沖縄の産業振興との関わりも増加中。「クライアントがいきいきと変わっていく姿をみるのが、幸せを感じる瞬間」だ。

親しみやすい会話とチャーミングな笑顔。そんな現在からは想像もつかないが、子どものころは「実家の骨董店の壷に入り、周囲を観察していた」ほどの人見知りだった。
大学デビューを夢見て本土に進学・就職するも、沖縄とのさまざまなギャップに「挫折」感を味わった20代。同僚に背中を押されて留学したパリで、予想だにしないトラブルに巻き込まれて必死に交渉したり、世界中から集まった学生らと過ごす中、「思っていても伝わらなければ意味がない」と心底、実感したのが転機になった。
PRの世界に足を踏み入れたのは帰国後。年間千件を超える取材に対応した美ら海水族館時代も、2度目の上京となったプランナー時代も、起業してからも、不測の事態に追い込まれるほど自分を俯瞰(ふかん)しては笑い飛ばし、地道に努力を重ねた。そして事態を好転させる陰にはいつも、「コミュニケーションがきっかけとなって支え、応援してくれる人がいた」。
そんな自身の経験を詰め込んだのが、1月に出版した『内地の歩き方 23のオキテ』。「若いころ、先輩たちに教えてもらったように、私にできることを」との思いが込められている。
自身にとってコミュニケーションは「人生の扉を開けてくれるカギ」。人とのつながりを大切に、新たなステージへの扉を開く。





ウェブでのPR戦略アドバイス

吉戸さんが県外の新規顧客に向けウェブでの戦略をアドバイスした田嘉里酒造所の「大山原(うふやんばる)」=写真。ウェブのリニューアルや実際の発信手法の変更はこれからだが、「コンセプトや将来の方向性を明確にでき、できる範囲で最善の手を打つための思考を整理してもらった」と担当者。




ラッピングも提案

手書きコミュニケーションの専門家としても活動。メディアで文案を提案したり、ラッピングや手土産の提案も行う。左はその一例で「ママがプチギフトに実家のタンカンをお裾分け」がテーマ。画用紙に描いた目と口をビニール袋に貼って顔をつくり、市販の取っ手をつけて持ちやすく。メッセージは吹き出し状の付箋に。「これなら会話も生まれるし、タンカンの数も少なくていいから、あげる方ももらう方も気を使わずに済みますよ」と吉戸さん。




県外進学・就職者へ23のオキテ!

コミュニケーションの関連本も執筆する吉戸さん。左が1冊目の『心に残る人になる たった1つの工夫「ありがとう」の手書き習慣』。『全国の書店員が心から中高生に推す一冊』(右)にも選ばれた。中央がボーダーインクから1月に出版した『内地の歩き方―』。内地生活につまずいた経験から、県外へ行く人に向けてアドバイス。初対面で使える雑談のネタ、時間を守るコツなど具体的で分かりやすい。県内書店で発売中。

 

吉戸さんのハッピーの種

Q.最近、お気に入りのアイテムは?
オーガニックの精油を使ってオーダーメードでブレンドしてもらった香りと、その香りを入れて使うガラス製のイヤリングです。イヤリングは、長時間外で仕事をする時など、集中とリフレッシュが必要な時によく身につけます。ほかにもハンドクリームやハーブウォーター、バスソルト、ネイルオイルなど、シーンで香りを使い分け。香りでパッと気分を切り替えることが多いですね。


funokinawa|吉戸三貴(よしど・みき)那覇市生まれ。慶応大学卒業後、県の奨学金でパリに留学。帰国後PRの世界へ。美ら海水族館広報、東京でのPRプランナー経験をへて、企業や個人のコミュニケーション課題の解決を行う(株)スティルを設立。沖縄・東京を拠点にPRコンサルティング、ブランディングなどを行う。国内外での講演のほか、コミュニケーション関連本の執筆も
PROFILE
吉戸三貴(よしど・みき)那覇市生まれ。慶応大学卒業後、県の奨学金でパリに留学。帰国後PRの世界へ。美ら海水族館広報、東京でのPRプランナー経験をへて、企業や個人のコミュニケーション課題の解決を行う(株)スティルを設立。沖縄・東京を拠点にPRコンサルティング、ブランディングなどを行う。国内外での講演のほか、コミュニケーション関連本の執筆も



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撮影/泉公(ララフィルム)・編集/徳正美
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1247>
第1549号 2017年3月23日掲載

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