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2017年3月2日更新

[彩職賢美]琉球フィルハーモニック 事務局長 上原玲子さん|プロの演奏多くの人に

琉球フィルハーモニックオーケストラなどの運営を行う一般社団法人、琉球フィルハーモニック。その事務局長として、イベントの企画や会場の手配などを手がける上原玲子さん(54)。「お客さまに楽しんでもらうのはもちろん、演奏者自身にも演奏会を楽しんでもらいたい」と、業務に励む縁の下の力持ちだ。

彩職賢美|琉球フィルハーモニック 事務局長 上原 玲子さん
 

奏者支える縁の下の力持ち

琉球フィルハーモニック
事務局長
上原 玲子
さん


「音楽を通じてたくさんの人と同じ時間を共有し、一つになれることが喜び。『私はこう演奏するから』『では、私はこう演奏する』と、楽団員同士で駆け引きがある。その駆け引きが一つのきれいな音楽になったとき、幸せを感じます」と上原さん。その瞬間を聴衆も共有。聴衆の反応は演奏者にも伝わるという。スタッフの一人として自分がそんな演奏会に関われることに喜びを感じ、やりがいにもつながっている。
演奏会やイベント企画、出演者の日程調整など事務局長の業務は多岐にわたる。演奏会などの催しの際は受付に陣取り常に笑顔で対応。「お客さまが最初に出会うのは受付で、気持ちよく演奏を楽しんでもらいたいと常に考えています」。それが演奏者のベストな演奏を引き出すことにつながるとの思いからだ。
事務局長として演奏会やイベントなどの出演依頼には特に気を配る。「連絡の際には、演奏会場の環境や報酬内容などを分かりやすく伝えるよう意識しています」。これも、演奏者に気持ちよく演奏してもらい、いい音楽をつくり上げる一助になればとの思いからだ。「演奏会も年間を通し少しずつ増やしていける環境になった。多くの人にプロの演奏を体感してほしい」との思いが原動力になっている。

宮城県の大学でピアノを専門に学んだ後は、地元で演奏会などを行っていた上原さん。音楽を通じ、プロの楽団「仙台フィルハーモニー管弦楽団」の団員だった夫・正弘さんと出会い結婚。夫の帰沖を機に沖縄へ。「沖縄に来たころは、ホルン奏者の夫のリサイタルにピアノ演奏で参加していました」と話す。並行してプロの演奏家で、アンサンブルの演奏活動をしながら人脈を広げていった。
活動する中で「自分たちにできる地域貢献は何か」を夫婦で考え、2009年、琉球フィルハーモニー管弦楽団の名で活動を開始。2012年から一般社団法人琉球フィルハーモニックとして新たな一歩を踏み出した。
「子どもたちがより高水準の音楽教育を受けられ、才能を発揮する環境をつくりたい」と、2013年に「那覇ジュニアオーケストラ」を結成した。「当初は、楽器不足などもあり不安でいっぱいでした」。運営費や楽器の調達、指導者や練習場の確保のため、知人や世話になった人に頭を下げ、協力を仰いだ。賛同や支援の手を広げるために企業や市役所、教育委員会などに足を運んだ。
そんな活動が奏功し、東日本大震災から5年、昨年の3月にはサントリー芸術財団の協力で、岩手、宮城、福島県のジュニアオーケストラのメンバー13人を招き合同演奏会を開催。「みんなが力を合わせて演奏を楽しめ、笑顔になれたのがうれしかった」と話す。
さらに、沖縄県文化振興会の支援で子どもたちの居場所づくりを目的に「ジュニアジャズオーケストラ那覇ウェスト」を結成し、昨年10月から活動を開始した。初心者中心の約30人のメンバーに対し、プロ講師やボランティア指導員らと協力しながら、子どもたちを指導。上原さんも楽譜の読み方やリズムの取り方などの基本を子どもたちに伝授している。
「県内外の優秀な音楽家が沖縄で演奏できる環境を整え、子どもたちにいい音楽環境を提供していきたい」と声を弾ませた。





ジュニアメンバー宮城へ

昨年3月、夫・正弘さん(左)や那覇ジュニアオーケストラの子どもたちと一緒に、岩手、宮城、福島県のジュニアオーケストラのメンバーを空港で歓迎する上原さん(右)。合同演奏会では、岩手・宮城・福島・沖縄の子どもたちが一つになり、迫力ある演奏を披露し、会場をわかせた。今でも子どもたち同士、「余震大丈夫だった?」などと、連絡を取り合っているそう。お互いを思いやる心や、地域の問題を身近に感じられるいい機会になったという。
ことしの8月には、那覇ジュニアオーケストラのメンバーが宮城県に行って合同演奏会を開催する。「みんな、再会を楽しみにしている。音楽で子どもたちが元気になれるのはもちろん、そのつながりが、将来子どもたちの役に立つとうれしい」と上原さん。(写真は本人提供)


彩職賢美|音楽発表会で司会進行

音楽発表会で司会進行

ことし1月に行われたジュニアジャズオーケストラ那覇ウェストの発表会では、司会進行を務めた上原さん。「最初は不安を抱いていた子どもたちが、練習を重ねるうちに成長するのを実感した」とニッコリ。指導した琉球フィルのメンバーも「練習の時は心配もあったけど、本番ではみんなよく頑張っていた」とたたえていた。=那覇市津波避難ビル


彩職賢美|カフェで演奏会も

カフェで演奏会も

「土曜の午後の小さな音楽会」と題し、カフェでピアノ演奏を披露する上原さん(右奥)。ピアノの後進の育成も行っている。(写真は本人提供)

琉球フィルハーモニック
080-6497-8049

 

上原さんのハッピーの種

Q.お休みの日はどう過ごしていますか?
音楽ばかりの毎日ですが、休みが取れれば、本を読んだり、時間があれば美術館巡りをすることもあります。美術館は音がないので、気分転換になりますね。沖縄で盛んなビーチパーティーは、日焼けが怖くてほとんど参加できないんです。演奏の際、ドレスを着るので日焼けが目立つといけないから。ビーチに出掛けても、木陰に隠れていることが多いかも(笑)。


今週の彩職賢美|琉球フィルハーモニック 事務局長の上原玲子さん
PROFILE
上原玲子(うえはら・れいこ)1962年、宮城県出身。宮城学院女子大学音楽科卒業。ピアニストとしての演奏活動のほか、音楽企画などを展開し多彩な演奏会をプロデュース。97年、沖縄に移住。その後もピアノリサイタルをはじめ、県内各地の演奏会に出演。2012年、夫とともに琉球フィルハーモニックを設立。13年に那覇ジュニアオーケストラ、16年にジュニアジャズオーケストラ那覇ウエストを設立した。



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撮影/比嘉秀明・編集/安里則哉
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1245>
第1546号 2017年3月2日掲載

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安里則哉

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日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。

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