特集
2016年12月29日更新
味わい深く琉球薬膳|薬膳龍花
年末年始は来客が多かったり、忘新年会でついつい暴飲暴食になってしまうもの。そんなとき、体に優しく、味わい深い料理でいつもと一味違った食を楽しませてくれるのが、インドの「アーユルヴェーダ」理論に基づいた料理と、中国から伝わり沖縄にもなじみの深い薬膳。その中から、酉年にちなんで鶏を使った料理を紹介します。
食べ物で体力補って
医学では、冬は春に備えて体が冬眠状態になるとされている。それは体が持っているエネルギーを使うこと。宮國さんは「無理に動くと体力が落ちるので、食べ物で補うことが必要」と話す。
今回紹介する十全大補湯(じゅうぜんだいほゆ)スープは、朝鮮ニンジンをはじめとする10種の生薬を使用。冷え性や貧血、疲労がひどくて顔色が悪かったり、病中病後の体力が弱っているときにおすすめ。鶏の手羽元も使っている。「チキンは気を補うもので、骨付きのものが良い」という。さらに、沖縄の食材の山芋、ハンダマを組み合わせることによって体力回復に良く、島ニンジンも入っているので、全身の血流を良くして代謝をアップさせる。
ハンダマキッシュはテビチを使っているが「皮膚が乾燥したり、空咳が多い場合に潤いを与え、体力補充にもつながる」と宮國さん。ハンダマは「血薬」と呼ばれ、肉(今回は鶏肉)と組み合わせることで血行促進力が高まる。チーズは食材の持つ油が肺を潤してくれ、ドライマウスのケアに最適だという。
甘酒は宮國さんが3年間、朝晩、飲んでいるもの。「1回50グラムを豆乳で割って飲むとおいしい」と話す。ベリーミックスを使うことによって血行促進にもなり、好みでショウガ汁やシークヮーサーを搾ると良い。
レシピ
甘酒
◇材料
米/1カップ
水/2カップ
米こうじ/200g
湯冷まし/1カップ
◇作り方
①米と水を合わせ、ご飯を炊く。
②湯冷ましを炊飯器の中に入れ、65度になるまで待つ。
③ボウルにこうじを入れ、手でしっかりほぐす。
④③を②の中に入れ、しっかり混ぜる。炊飯器は保温にし、ふたを開けたまま布をかぶせて7~8時間置く。
※ミキサーにかけてペースト状にすると、他の食材と混ぜやすいのでおすすめ。
※冷蔵庫で約2週間保存可能。
レシピ
ハンダマキッシュ(8個分)
◇材料
※フィディング(具材)
ハンダマ、豚足(ゆでて骨を取り除く)、タマネギ/各150g
オリーブオイル/大さじ2
卵/1個
豆乳/100ml
白みそ/大さじ1
トウバンジャン/小さじ1
ピザ用チーズ/適宜
※タルト生地
薄力粉/200g
卵黄/1個分
水/大さじ1~2
無塩バター/100g
◇作り方
タルト生地を作る
①ボウルに薄力粉を入れ、真ん中に溶き卵と水、溶かしバターを入れ、しっかり手でこねる。
②①をラップに包み、冷蔵庫で30分間寝かす。
③②を8等分し、タルト型に敷いて、生地の底にフォークで空気穴を空ける。その上にオーブンシートを乗せ、パオウエイトを置いて180度のオーブンで20分焼く。
フィディングを作る
①ハンダマは茎と葉に分けスライスし、タマネギもスライスする。
②豚足は圧力鍋で20分加熱し、粗熱をとって冷まし、骨を取ってジューサーミキサーにかける。
③フライパンにオイルを入れ、タマネギがきつね色になるまで炒め、ハンダマを加えてさらに炒める。
④ボウルに②、③、白みそ、豆乳、トウバンジャン、卵を入れ、混ぜ合わせる。
キッシュを作る
①焼いたタルト生地にフィディングを流し込む。
②①にチーズをのせ、180度のオーブンで20分程度焼く。
薬膳龍花 宮國由紀江さん
琉球薬膳料理研究家、国際中医薬膳講師、栄養士。
薬膳龍花
沖縄県うるま市宮里251-1
090-5485-0221
http://www.y-ryuka.com/
今回紹介した「十全大補湯スープ」は同店で販売している。要予約。価格は1人分で700円(税別)。1月20日(金)までは、キャンペーンとして500円(税込み)。営業は11時~16時。2017年1月3日(火)まで休み。
2017年2月から、薬膳龍花が認定する「琉球薬膳師」の育成講座を開講。すでに定員に達しているが、4月以降にも随時開催。詳細はHPで紹介する。
<スパイスで体に優しく>
・アーユルヴェーダ i-PLANA
『週刊ほーむぷらざ』
第1537号 2016年12月29日掲載