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2016年12月22日更新

介護は急にやってくる【働き方ラボ】

ワークライフバランスコンサルタントの比嘉華奈江さんがつづるエッセー vol.9。
自身の体験を通して、楽しく柔軟な働き方を考えます。

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介護は急にやってくる

間もなく2017年を迎える。日本の人口構造の中で最も人口の多い団塊の世代が定年退職を迎えた2007年問題が騒がれて10年。いよいよ団塊世代の方々が70代に突入する。要介護者は、70代に入ると倍増する。現在でも介護が必要だが施設に入れない人の数は待機児童の約20倍とも言われているのに、来年以降、私たちのライフスタイルはどうなるのだろうか。

毎日、さまざまな企業に出向く。最近よく聞くようになったのは、「介護を担っていて働く時間に制約がある社員が増えてきました」という経営者の声だ。全社で働き方改革を進めていきたいというご相談を受ける。それを伺うと、正直、ほっとする。なぜなら、社員の声をきちんとキャッチされているからだ。


介護・看護で離職・転職した人の年齢

2016年高齢者白書より



 

介護離職は10万人

実は、育児と介護は全く違う。育児は、ある程度先々の計画が立てやすいが、介護は計画が立てられない。しかも、介護経験のある方々に伺うと、「介護は本当に急にやってくる」「なかなか会社に言うタイミングがつかめない」と皆、口をそろえて言う。特に男性は「介護中で時間に制約があると知られたら、昇進に響くのではないか」という不安もあるのが現実のようだ。そして一人で悩み、離職を選択する人も実に多いのだ。日本で介護離職者は約10万人にのぼる。

介護は誰がするのか? 夫婦間が一番多いが、子どもが親の介護を担うケースも多い。来年以降一気に増えていくのは、団塊世代の子どもたち、つまり団塊ジュニア世代が親の介護で時間の制約が出てくるということだ。

企業が人材の確保に苦戦している今、育児や介護で人材を失っていいのだろうか? いいはずがない。これからは時間に制約がある人だらけになるのだから、企業はそれをスタンダードだと捉え、働き方を考えていく必要がある。さまざまなライフステージの社員を強みに変え、付加価値を生み出し、生産性高く稼いでいける企業体質に変えていかねばならないのではないだろうか。

年末年始を迎え、親戚で集まる機会も多いだろう。みんなが元気なうちに、家族で人生設計を話し合ってみるのも面白いかもしれない。いざ介護が必要になった時、家族の誰か一人が担うのではなく、皆で支え合って人生の質を高めて行けるように、普段から話をして、改めて意識的にコミュニケーションを取っておくことが必要かもしれない。企業にも、来年はぜひ「働き方改革」に取り組んでほしいと願う。沖縄の未来のために。



(株)Life is Love 比嘉華奈江さん|fun okinawa

[執筆]
比嘉華奈江(ひが・かなえ)
客室乗務員を経て、2012年に(株)Life is Loveを設立。(株)ワーク・ライフバランス加盟コンサルタント。

(株)Life is Love
http://www.lifeislove-okinawa.com/

funokinawa|ワークライフバランスコンサルタントの比嘉華奈江さんがつづるエッセー


『週刊ほーむぷらざ』
第1536号 2016年12月22日掲載

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この記事のキュレーター

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比嘉華奈江

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株式会社Life is Love代表
日本教育推進財団 認定コミュニケーション・トレーナー
14年間の客室乗務員経験を経て、2012年起業。
経営戦略構築・働き方改革・チームビルディングなどの組織活性化コンサルティングから
人事評価制度や賃金制度を構築していく労務コンサルティングまでを
ワンストップサービスで提供。また、元客室乗務員メンバーから成るチーム「PLUS+」の総括も担当。
”価値をプラスする印象づくり”をテーマに、印象戦略支援や沖縄観光の価値の向上をお手伝い。

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