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2016年12月22日更新

[彩職賢美]チャタンハーバー ブルワリー&レストランの眞境名しのぶさん|「チャタンビール」を世界に

ブルワー(ビールの造り手)の眞境名しのぶさん(41)は野望を持っている。「『チャタンビール』の名を世界にとどろかせたい」。ことし6月、国際的なビール鑑評会「アジア・ビアカップ」で銀、9月には「インターナショナル・ビアカップ」2部門で銅メダルを獲得した。世界には120~140種類のビールがある。たやすい道のりではないが、夢実現に向け、意欲をかき立てている。

彩職賢美|チャタンハーバー ブルワリー&レストラン ヘッドブルワー 眞境名しのぶさん
 

「チャタンビール」を世界に

チャタンハーバー ブルワリー&レストラン
ヘッドブルワー

眞境名しのぶさん


「天職につけたね」とよく言われる。きっかけは、大学時代に県内地ビール製造会社のレストランでアルバイトをしたこと。すぐにビールの魅力に、はまった。「造ってみたい」。抑え切れない感情が進路を決めた。卒業後、そのまま製造部門に就職した。

自他共に認めるビール好き。琉球大学農学部で食品機能化学を専攻した。栄養士だった母の影響もあったのだろう。「普段食べている食物の力や素材の魅力を掘り下げて知りたかった」。進学の動機だ。

培った食品加工や醸造の基礎的な知識は、期せずして役立った。どの素材を組み合わせたら希望の色合いが出せるか。どこを工夫すれば良いか。「でも、社会に出てからの方が勉強している気がします」。端正な顔立ちに爽やかな笑みを浮かべた。笑みの向こうには、自信がみなぎっていた。

ザ・テラスホテルズに2014年9月に入社。12月にはビール醸造研修生許可を受け、ビールおよび発泡酒の試験醸造を県工業技術センター(うるま市)で始めた。試験醸造を経て北谷のビール工場が完成。15年12月にビール・発泡酒の醸造免許を取得し醸造開始。2016年3月にレストランがオープン、ビール提供を開始した。6月と9月には国際的なビール鑑評会で上位入賞を遂げた。ブルワーとして上々の滑り出し。「1回目の仕込みでアジアカップの銀を頂いた。うれしかった。これからももっとおいしいビールを造らねば」。大きな名誉に身が引き締まった。


6歳と3歳のやんちゃ盛りの男の子がいる。毎日、子育てと仕事の両立には心を砕く。下の子が3カ月の時、夫が3年間単身赴任した。転職した時期と重なった。1カ月弱の出張研修があった。子供たちは実家に預かってもらった。「寂しい思いをさせたかな」。しかし後ろめたさは引きずらない。明るい、おおらかな性格がなせる業だ。

特にこれといった趣味はないが、「ビール旅」に目がないという。ビールを飲むために旅をする。各地で行われるビール祭りを巡る旅だ。そこには造り手や愛好家が集まってくる。情報を交換し、味を研究し、技を学び取る場だ。そして横のつながり、人脈もできる。「人間はダイヤモンドの原石。ダイヤモンド(人)はダイヤモンド(人)で磨かれ輝く」。言葉の重みをビール旅で実感する。

醸造所の建設には設計段階から関わった。いくつもあるタンクを太いパイプがつないでいる。設計士もビールを造ったことがある人なので、ディスカッションをしながら働きやすい、高品質のビールが生み出せる職場を完成させた。その醸造所をガラス越しに見ながら「チャタンビール」が飲める「チャタンハーバー ブルワリー&レストラン(北谷町美浜)」が職場だ。醸造所で「ラガー」「ヴァイツェン」「ペールエール」など5種類のクラフトビールが製造できる。

夏にはハイビスカスをイメージした、薄いピンク色のビールを自社農園で収穫した小麦を使って造った。国内外の観光客に「『チャタンビール』を飲むために沖縄に来た」と言わせたい。ビール造りの目標は明確だ。




うまいビールの探究は続く

県工業技術センターでは、酵母菌やホップの種類、麦芽の比率などを変えたり、熟成の時間を早いもので1カ月、長いもので2カ月掛けたりしながら試作品を製造。試作品は関係者に集まってもらって試飲を繰り返し、うまみ、風味、奥ゆかさなど、より満足度の高い商品を追求した(写真上)。
ザ・テラスホテルズに入社後すぐに、東京のビール醸造所で20日間の醸造研修を受け、自信をつけた。自社ビールはレギュラー5種類に加え、季節ごとに味わえる、沖縄らしいおいしいビールがある。沖縄らしさとは何かを含め、うまいビールの探究は続く。




銀1、銅2のメダル獲得

1回目に仕込んだビールがアジア銀に輝いた(写真左)。続く世界大会では2部門で銅メダル(写真右)の快挙。ビール史に名を刻んだ。



 

眞境名さんのハッピーの種

Q.ビール造りで楽しいことは?

沖縄らしさを出したいと試行錯誤して、それがうまく行ったときです。生み出す過程は一番苦しいですけどね。
夏に出した夏季限定のハイビスカスをイメージしたビールは、薄いピンク色の爽やかな味に仕上がりました。
会社のコンセプト「自然との調和、自然への回帰」に沿って、ビールのメーカーとして6次産業を目指しながら、他社との差別化を図っていきたいです。

Q.心がけていることは?

どんなことにも興味を持ち、一つのことに固執せず、何にでもチャレンジしていくことです。あとはコミュニケーションを大事にして、伝達事項の確認を怠らず、意思疎通を円滑にしていくこと。
そして、気分転換を図ること。子どもと一緒に遊ぶことですね。男の子が2人いますけど、やんちゃ過ぎて毎日バタバタして、悩みの種でもありますけどね。
ママ友、パパ友との交流を通して子育ての悩みなど打ち明け合うと心が晴れます。



PROFILE
眞境名しのぶ(まじきな・しのぶ)1975年豊見城村(現在は市)生まれ。2000年琉球大農学部卒。地ビール製造会社、観光農園会社などを経て、14年9月ザ・テラスホテルズに入社しブルワリープロジェクト部門に配属。現在は醸造責任者としてレシピの考案、製造工程の管理、原料の調達など全般を取り仕切る。日本地ビール協会認定ビアジャッジ。



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撮影/比嘉秀明・編集/上間昭一
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1238>
第1536号 2016年12月22日掲載

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