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2016年8月11日更新

[彩職賢美]大城海産物加工所 代表者の大城久子さん|

沖縄の伝統的な保存食品スクガラスや美肌効果で注目されるピパーチなど県産素材にこだわり商品開発を続ける「大城海産物加工所」。手掛けてきた商品は40種類以上。代表の大城久子さん(67)は持ち前の好奇心を生かし、食材の掘り起こしを行う。また、女性経営者目線から育児や家庭のことをしやすい環境も整える。思いや取り組みを聞いた。


 

沖縄の良い食材を全国に

小魚の絵が描かれた青いラベル。塩で漬け、透明な瓶にぎっしりと詰まったスク(アイゴの稚魚)は、スタッフが1匹ずつ手作業で瓶に詰めたものだ。「愛子ちゃん」のパッケージでおなじみのスクガラスは、事業を始めた1991年から変わらぬ製法で作る人気商品。ほかにも県産のイカの塩辛など、大城さんが加工する海産物の珍味は、酒の肴やご飯のおかずとしても長年親しまれている。

93年ごろからは海産物に加え、島トウガラシを使った定番の調味料「コーレーグス」を県内で先駆けて販売。最近では美肌効果が期待される島コショウ「ピパーチ」を使いやすい粉末タイプに、水揚げは多いが商品としてほとんど使われない県産魚ミジュンは「アンチョビ」にするなど、独自の視点を生かし商品を次々に生み出す。

コンセプトは「地元食材を活かす」。大城さんは「県内には表には出ないが、良い食材がたくさんある。食品を加工し、新たな商品を作り販売することで全国へ広がる」と語った。

食材に対する好奇心やひらめきは、商品開発をする上で大事なポイントであり、大城さんの強みだ。食材からインスピレーションを受けると、早速商品開発にチャレンジ。中でも昨年3月に販売を開始したミジュンのアンチョビは、若い世代でも食べやすく、幅広い料理に使えるよう、味付けなどを研究した。すると、販売開始1年で4300個以上を売り上げる注目商品に。一方では「失敗を繰り返して、時間がかかる商品も少なくない」と苦笑する。

大城さんは「生産者とのつながり」も特に大切にする。中でも主力商品のトウガラシは年間3~5トンもの量を仕入れ、さまざまな調味料に加工する。必要量を確保するため、本島北部の生産者と契約し、栽培を委託。生産者のメリットも考え、収穫した実はすべて買い取るほか、トウガラシの苗木を提供したり、台風対策のフォローなども欠かさない。「一緒に頑張っているから当然」と胸を張る。

この仕事を始めたのは1991年。海の近くで育ったこともあり、海産物の加工に関心があった。加工所を廃業した友人に「やってみたい」と頼み、スクガラスや塩辛など、数種類のレシピを教えてもらった。設備を譲り受けると、試行錯誤を重ねながら商品を作り、経営を学びながら営業に出て、自ら販路を切り開いた。

経験ゼロからの事業を軌道にのせたカギは、家族や従業員の協力と「自分の力量を知り、身の丈に合ったことをする」という姿勢。「できる範囲で最大限努力し、コツコツといいものを届けることを25年間続けてきた」。堅実な仕事ぶりで売り上げは右肩上がりに。商品は県内はもとより、全国に広がる。

経営スタイルも女性であり、母親、主婦の視点を生かす。現在9人いる従業員はたまたま全員が女性。育児や家庭のことに支障がないよう働きやすい環境を整える。「納期に間に合えば問題ないし、全員でフォローし合う」と、全体を見て判断、結束は固い。
新商品の開発に意欲的な大城さん。「良い商品を一つでも多く作り、沖縄をもっと元気にしたい」と熱意あふれる表情を見せた。

 

美肌効果のあるコショウ談

大城さんが注目するのが「ピパーチ」という島コショウ。毛細血管が活性化するため、美肌などに効果があると期待されている。
「ジューシーや炒め物に使ったり、紅茶に入れたり。私自身食事に取り入れるようになってから体温が上がった気も」と実感。「料理に幅広く使えるし、いいものだから勧められる」と胸をはる。商品開発だけでなく仲間たちと定期的に苗木の栽培法や料理の講習会も行い、普及に努める。


※写真/県産のハーブと島トウガラシを混ぜた調味料を加工する現場で、品物の出来について話す大城さん(中央)と従業員


※写真/イカの塩辛の製造現場


※大城海産物加工所で製造する商品の数々。スクガラスなどの珍味やアンチョビ、島トウガラシを使った調味料がある


 

大城さんのハッピーの種

Q.気分転換にしていることは?

カラオケです! 2年くらい前から週1回は歌うほど大好き。主に演歌を歌いますが、ポップスも好き。気持ちを切り替え、オンとオフとのメリハリをつけています。こうした趣味は健康維持と円滑な業務にもつながります。
料理も好きなので家族や友人とお酒を飲んでワイワイすることも。うちのアンチョビとマスカルポーネチーズをクラッカーに乗せたカナッペは簡単でおいしいので、よく作りますよ。

Q.家ではどんなお母さんですか?

今はおばあちゃん業がメーン(笑)。孫たちの部活の送り迎えも楽しみの一つです。夫や子どもたちは私の仕事を理解してくれています。北部まで仕入れに行ったり、苗木を届けたり、協力してくれるので本当に感謝しています。
家族ぐるみのお付き合いをしている農家さんもいます。島トウガラシでいえば母娘2代で関わってくれる人、家庭菜園での人もいれば500~1000本以上の規模で栽培してくれる人も。その人に合った生産量で原材料を提供してもらっています。

<問い合わせ先>
大城海産物加工所
098-850-1036
(8月15日~18日の旧盆期間・祭日土日は休業)
 




PROFILE
大城久子(おおしろ・ひさこ)1949年、今帰仁村生まれ。高校卒業後、図書館での勤務などを経て、家庭に入る。1991年、大城海産物加工所を創業、代表に。代表的な商品にスクガラス、イカの塩辛、コーレグス、島香七味シリーズがある。県産魚ミジュンを使った「沖縄アンチョビ」は2015年度沖縄県産業まつりにて奨励賞を受賞。2児の母、2人の孫の祖母。



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撮影/矢嶋健吾
編集/相馬直子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1224>
第1517号 2016年8月11日掲載

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相馬直子

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編集者
横浜市出身、沖縄で好きな場所は那覇市平和通り商店街周辺と名護から東村に向かう途中のやんばる。ブロッコリーのもこもこした森にはいつも癒されています。「週刊ほ〜むぷらざ」元担当。時々、防災の記事なども書かせていただいております。被災した人に寄り添い現状を伝えること、沖縄の防災力UPにつながること、その2点を記事で書いていければいいです!

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