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2011年8月11日更新

海女「潜る女 沖縄にいない謎」

海んちゅ写真家 古谷千佳子のフォトエッセー「潮だまり」vol.05

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海女

潜る女 沖縄にいない謎



ヒューィ、ヒューィ。
海辺にいると、潮風に運ばれてあちこちから磯笛が聞こえてくる。県外で海女(あま)の取材をはじめて、数週間が過ぎた。ここは、全国に2千人ほどいる海女のうち、その半数近くが存在する三重県。

素潜りで、アワビ、サザエ、ウニ、ナマコや海藻(アラメ、テングサなど)などの海の恵みを採る海女は、日本列島においては2千年以上の伝統を持つ。昭和31年の調査では全国で1万7611人の海女が働いていたが、その数は年々減少し、現在はおよそ8分の1となってしまったという。

その一方で、近年では男の潜り手「海士(あま)」が増加しているということを、ここに来て私は初めて知った。

身一つと簡単な道具で行われる素潜り漁はまさに体力勝負であり、肺活量や腕力、体力面で優れている男性の方が、潜水深度、潜水時間で優位と考えられるが、海女の仕事に向くのは女性だという。それは寒さに耐える「忍寒力」があるからだ。女は男に比べて脂肪が厚いため、冷たい海に深く潜れるのだという。また獲物を見つける勘の良さ、身のこなしの柔軟さが、岩場での潜水作業に適しているという。

長い間ほとんど裸に近い簡単な装備で営まれてきた海女の世界に、昭和30年ごろからゴム製のウエットスーツが導入され始め、寒い季節にも男が潜れるようになり海士が増えてきたようだ。 ならば何故、沖縄の暖かい海で、女が潜らないのだろうか?

リーフに囲まれた沖縄の島々では、干潮時に干上がってできるサンゴ礁の浅瀬の道「ワタンジ」を歩いて、タコや魚をとることができるから、わざわざ海に潜る必要がない、ということなのか?

もしかしたら、これまでの調査でもカウントされていない、ちょこっと潜ってオカズをとるだけの「幻の海女」が沖縄に存在するのかもしれない?

海潜りが好きな私としては、沖縄に海女がいない訳が気になって仕方が無い。海女と潜り続けることで、この謎を解く事ができるだろうか?




[文・写真]
古谷千佳子(ふるや・ちかこ)
那覇市在住。海の仕事に従事、スタジオで写真を学んだ後、海人写真家となる。海・自然と調和する人々の暮らしや伝統漁業を主に撮影する。TBS「情熱大陸」などに出演。著書に 写真集「たからのうみの、たからもの」、「脳を学ぶ2」(共著)ほか
​http://www.chikakofuruya.com/

 
古谷千佳子のフォトエッセー『潮だまり』
週刊ほーむぷらざ 第1259号・2011年8月11日に掲載

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