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2011年4月14日更新

ミーカガン「オジィ海人の心を刻む」

海んちゅ写真家 古谷千佳子のフォトエッセー「潮だまり」vol.01



ミーカガン

オジィ海人の心を刻む

黒いウエットスーツを身にまとい、海に潜って、魚やタコなどを捕って暮らすという生きざまに憧れて、私は17年前に沖縄に移住してきました。

中でも、呼吸を止めて行う「素潜り漁」は、動力機械や情報通信技術などに頼る近代漁法からは縁遠い、原初的な漁法です。限界ギリギリまで息をこらえて潜水作業を繰り返し、タコやイカ、魚や貝など海の恵みを捕らえます。自分の肺活量がリミッターとなるために、これなら資源を捕り尽くすこともありません。

そんな昔ながらの漁を続けるオジィ海人達から、人と自然がどうやって共生していけるのかを学びたいと思い、撮影を続けてきました。オジィ海人の必須アイテム、「ミーカガン」(水中眼鏡)は私たちが水泳競技や海水浴で使っているゴーグルの原型なんですよ!

明治17年(1884年)糸満の漁師・玉城保太郎氏によって考案されるまでは、裸目で潜っていたため、長く目を開けていることが出来ませんでした。戦前戦後、モノの無い時代にはミーカガンだけをつけて、浜から沖まで泳いで、海の幸を捕らえて生き延びたという話をオジィ達から繰り返し聞いてきました。

ミーカガンを今でも愛用しているのは、ごく少数のオジィ海人だけとなりましたが、自然に還る優しい木枠には海苔が付き、オジィの顔にもあってきます。使い込まれたミーカガンには、海に畏怖と感謝の気持ちを持って生きてきたオジィの心が刻まれています。




[文・写真]
古谷千佳子(ふるや・ちかこ)
那覇市在住。海の仕事に従事、スタジオで写真を学んだ後、海人写真家となる。海・自然と調和する人々の暮らしや伝統漁業を主に撮影する。TBS「情熱大陸」などに出演。著書に 写真集「たからのうみの、たからもの」、「脳を学ぶ2」(共著)ほか
​http://www.chikakofuruya.com/
 
古谷千佳子のフォトエッセー『潮だまり』
週刊ほーむぷらざ第1242号(2011年4月14日)に掲載。

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