「学力だけでなく、人に迷惑をかけないこと、礼儀作法や言葉遣いも指導しています」と話す照屋繁子さん

教職経験生かし 地域へ恩返し

学研てるや教室 指導者 照屋繁子さん

子どもたちの「考える力」を伸ばす学研教室。学研てるや教室（那覇市）の指導者、照屋繁子さん（83）は定年退職後、教室を開設して20年になる。指導方針などを聞いた。


Ｑ 始めたきっかけは

Ａ　中学校教諭を38年間務め、吹奏楽・マーチングの部活を指導していました。県代表として九州大会や全国大会に数多く出場しましたが、その費用などを地域の方たちからご協力いただき、良い発表をすることができました。退職後、地域への恩返しをしたいという思いがありました。そんな時に学研教室から私が所有する建物の1階を借りたいという話をいただいたのがきっかけで、学研教室の理念、学習内容のすばらしさに共感して自分でやりたいと教室を開設しました。それから20年、現在は幼児・小中学生80人近くをアシスタント6人とともに指導しています。スタッフは教職経験者がほとんどです。
 

子どもたちが課題をクリアするたびにシールを貼ってその努力を見える化した。一定数を達成するとご褒美も

Ｑ　指導方針は？

Ａ　基本をしっかり学ぶこと。特に算数・数学は積み重ねが大事です。学力を身につけることは、自分の頭で考える力を養うことにつながります。それは社会で生きていくために大切なこと。そんな自分で考える力を育てるのが学研教室の理念です。答えを教えるのではなく、解き方のヒントを適度に与えながら自分で答えを導き出すよう指導しています。

目標を持たせることも勉強へのモチベーションを高めるために大事です。小学生のころから面談をして中学・高校進学の目標を決めます。目標達成のためにどれだけの努力が必要か説明して、保護者と本人が納得した上で目標に向かって頑張ってもらいます。学研教室の教材は、学年に関わらず本人の学力に合わせた問題を解いていくのが特徴。小学5年生のうちに6年生までの範囲を学び、発展問題に挑戦して受験に備えている子もいます。


Ｑ　やりがいは？

Ａ　努力のかいあって開邦中学校や昭和薬科大附属中、沖尚中に合格する子もいます。中学席次トップの子も多数います。また、入試の合否に関わる英検・漢検・数検の2級合格者も多いです。目標を達成した時の子どもたちの笑顔を見ていつもエネルギーをもらっています。学研教室を卒業しても、成人式の日に教室を訪ねてきて一緒に写真を撮ったり、初任給で私にプレゼントを贈ってくれたりと、進学・成人・就職など人生の節目で会いに来てくれる子もいます。「大学に合格できたのは先生のおかげです」と言ってくれる子もいて、指導者として冥利（みょうり）に尽きます。

学研の先生には定年がないので生涯続けたいです。当面の目標は90歳まで。これからも子どもたちと切磋琢磨（せっさたくま）していきます。


那覇市学びクーポンも使える

昨年、学研教室の指導者を20年務めたことを表彰された
 

学研てるや教室では、経済的理由で学習塾などに通えない子どもたちに対して助成する「那覇市学びクーポン」も使える。同教室では生徒を募集中で、対象は幼児・小学生・中学生。問い合わせは下記参照。


学研てるや教室
那覇市寄宮1－21－7
電話 080（1711）0778
   

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『週刊ほ〜むぷらざ』発信！沖縄の魅力ー未来をつくる企業ー＜419＞
第1907号　2024年2月22日掲載