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2022年12月29日更新
[企業家インタビュー]次代につなぐ人・サロン作りを|株式会社リポースカンパニー
フランス発祥の海洋療法「タラソテラピー」を軸に、県内外のリゾートホテルで八つのスパサロンを展開。県内のショッピングセンターにも直営店4店を出し、オーガニックコスメの輸入販売も手掛けるなど、多方面から「癒やし」を提供し続けるリポースカンパニー。昨年からことしにかけ、粟國淳子代表が改めて力を入れているのが「セラピストの育成」だ。
粟國 淳子さん/㈱リポースカンパニー代表
あぐに・じゅんこ/1963年生まれ。外資系大手化粧品メーカー勤務を経て91年、那覇市で開業。県内外でタラソや温泉、沖縄素材にこだわったサロンを展開。2013年、輸入部門「ベルダ事業部」新設。15年からイオングループの店舗(ライカム、北谷、那覇、具志川)にカウンターをオープン。昨年11月に創業30年を迎えた。ことしは金武町に新たな研修施設をオープン。
金武町に研修施設が完成 セラピスト育成に注力
フランス発祥の海洋療法「タラソテラピー」を軸に、県内外のリゾートホテルで八つのスパサロンを展開。県内のショッピングセンターにも直営店4店を出し、オーガニックコスメの輸入販売も手掛けるなど、多方面から「癒やし」を提供し続けるリポースカンパニー。昨年からことしにかけ、粟國淳子代表が改めて力を入れているのが「セラピストの育成」だ。創業30年の節目となった2021年は、技術はもとより化粧品の知識から接客まで、外資系の大手化粧品メーカーに勤めた自身の経験と30年のノウハウを詰め込んだ自社マニュアルを作成。31年目となることしは、金武町屋嘉に専用の研修施設を完成させた。
「バルコニーの目の前に海が広がり、波の音しか聞こえない」施設は、スパの入るリゾートホテルからも近く、リラックスできる環境。「スパから通いやすいこともあり、これまで以上に個々のスキルや要望に合わせてきめ細やかにサポートができるし、コミュニケーションを深める場にもなる。セラピスト一人一人が高いレベルを維持し続けることこそ、お客さまの満足度につながる」と力を込める。
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10月には3年ぶりにタラソテラピーの本場フランスへ足を運んだ粟國さん。「むこうは社会情勢も経済も安定し、観光客が増加。国全体が活気づいているのを肌で感じた」。日本も近い将来、そうなることを考えると、「今こそアフターコロナを見据えた人材の確保、育成が不可欠」と粟國さん。「長く続けていれば波があるのは当たり前。厳しい時も諦めることなく先を見据え、やるべきことを見極め、地道に努力し続けることでしか道は開けない」ときっぱり。ベースアップをはじめ育児休業や社会保険制度の活用など、安心して働ける環境づくりも継続中だ。
経験とつながりこそ財産 SNSで若い世代に発信
長引くコロナの影響に加え、エネルギー高騰や物価上昇など厳しい状況下にあっても乗り越えてきた経験と、応援してくれる人とのつながりこそが「自信であり財産」と粟國さん。31年目に入り、将来の展望も見えてきた。「これまではタラソテラピーなど本場フランス仕込みの『高い技術力』と、お客さまに安心してお顔や体を預けていただける『信頼性』、ゆったりとくつろげる『ホスピタリティー』など、魅力的なサロンづくりに力を入れてきた。今後はその魅力を若い世代にどう伝えていくかが課題」と話す。そのために欠かせないのが、若いスタッフの価値観やアイデアを積極的に取り入れ、時代に即した発信やメニュー開発を行うこと。実際、利用者の大半が観光客だった石川県の吉祥スパは、SNSで発信することで地元客が増え、化粧品の売れ行きも好調だ。県内ではショッピングセンター内の直営カウンターに全身をケアできる機器「TMキューブ」を導入。買い物ついでにケアできる手軽さと続けやすい価格帯が功を奏し、リピーターが増えている。
「新年は泉崎の本店も改装予定。各サロンごとの発信力をさらに高め、今後につながるサロンづくり、人づくりに一層注力したい」と力を込める。
社名のリポースとはフランス語で「憩う・休息」を意味する言葉。社会の変化に対応しつつ、いつの時代も人々が求めてやまない「癒やし」を提供し続けるため、気持ちを新たにまい進する。
本場のタラソ導入
体全体からミネラルを補給することで毒素の排せつを促す効果が期待できる「海藻パック」。ミネラルが不足すると、むくみや肌荒れ、冷え、不眠などの体調不良が生じやすくなる
ミネラル豊富な海塩&海藻のマリンボールで深いリラクゼーションへ
全身のツボを刺激し筋肉のこわばりをほぐすアフュージョンシャワー
『週刊ほ〜むぷらざ』企業家インタビュー
第1847号 2022年12月29日掲載