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2021年8月19日更新

[沖縄・輝く女性を紹介]彩職賢美リターンズ|紅琉 デザイナー 下地 ナホさん|紅型を暮らしに 伝統と今を融合

彩職賢美に出た人が再登場する「彩職賢美リターンズ」。紅型をあしらったオリジナルのバッグや器、インテリア雑貨を企画・デザイン・販売する紅琉のデザイナーを務める下地ナホさん(47)。天然素材との組み合わせ、ハンドメイドにこだわり、紅型らしい華やかさと、おおらかでリゾート感のあるデザインが特徴。「伝統工芸を暮らしで語り継ぐことができたら」と、夫婦二人三脚で、紅型の魅力を新たな形でデザインする。


紅琉 デザイナー
下地 ナホ 
さん

温故知新の心 自然に楽しむ

紅型をもっと普段使いできるように。そんな思いで、紅型をあしらったバッグや食器、グラス、服、傘、インテリア小物などをデザインしています。

私自身が欲しいもの、使いたいものが商品企画のベース。普段の生活の中で見たり、食べたり、触れたり、聞いたりするものすべてが、ものづくり視点になっているので、どんどんインスピレーションがわいてくる。

2018年には、オリジナルの壁紙もデザイン。生活雑貨からインテリアまで、デザインの幅が広がっています。


原点はペットグッズ 古典柄、吉祥柄が軸

20代の頃は、飲食店を中心に店舗デザインにも携わっていました。紅型への興味が深まったのは、京友禅を使ったアロハシャツで知られる、京都の老舗染め工場に勤めたことがきっかけ。柄合わせや服のデザインに携わる中で、沖縄にも紅型という素晴らしい伝統工芸がある。その魅力を新しいデザインで伝えたいと、06年に夫と「紅琉」を立ち上げました。

最初に作ったのは、当時一緒に暮らしていた愛犬の首輪とリード。そこから、お散歩用のトートバッグや、本革と紅型を組み合わせたカバンや財布などのオーダーが増えていき、現在は約80点のアイテムがあります。

アイデアが浮かんだら、ワクワクして眠れなくなってしまう。夫が朝起きるのを待って、手書きのラフデザインを見てもらうのですが、その判断力がすごくて。夫が経営的な視点からツッコミを入れてくれるので、私は安心してものづくりができる。少しはニーズとコスト意識を持って、作るモノを絞り込めるようになったかな。

紅型のデザインでは、古典柄や吉祥柄を大切にして、全体的な調和をとっています。ブランドを立ち上げた当初は、「紅型らしくない」と言われたこともあります。でも、私たちが変わらず大切にしているのが、「温故知新」の心。受け継がれてきた柄が持つ意味やストーリー、歴史を伝えていきたいと、いつも考えています。


紅型壁紙で新提案 香りも一緒に演出

12年には、県内のホテルの客室装飾を手がけ、全100室、各部屋のイメージに合わせたファブリックパネルを製作、施工しました。ホテルのお部屋の装飾やリフォームなどを手掛ける中で、「壁紙もできるのでは」と思い立ち、ハイビスカスやパッションフラワーなどをモチーフにした紅型壁紙をデザインしました。もともとイギリスの壁紙が大好きで、いつかは私も…と、思い描いていたことが実現できました。

壁は面積が大きい分、雑貨とは少しデザインの勝手が違います。柄の大きさでインパクトを出すことも必要。A3サイズの用紙に実寸でプリントアウトした柄を、何枚も並べては組み替えてを繰り返し、11種類の壁紙を仕上げました。

紅型をデザインするとき、使うシーンをイメージすると香りも一緒に思い浮かぶんです。それなら、紅型の柄に合わせた香りを自分で作ってみようと、精油を調合して香りを作り出すアロマブレンドデザイナーの資格を取得しました。壁紙と香りを一緒に提案できるようになり、空間演出の幅も広がりました。建築資材のアイテムも増やしていきたいですね。


海外出展で広がり 経験が自信を生む

4、5年前からは、県外の百貨店での展示会や、ギフトショーにも積極的に出展しています。19年、20年には、インテリア界のパリコレと言われ、フランスで開催されるインテリアとデザインの見本市「メゾン・エ・オブジェ」に出展。1年目はあまりにハイレベルな企業ばかりで圧倒され、自信が持てず、プレッシャーのあまり泣いてしまいました。

うちの商品は、国内ではよく、インポートと間違われるのですが、海外では日本を感じると評価してもらい、うれしかったです。メゾン・エ・オブジェへの出展では、第一印象のインパクトを与えつつ、回遊、商談しやすいブースレイアウトも学ばせてもらいました。そのおかげで、20年の東京インターナショナル・ギフト・ショーでは、ベストブースデザイン賞もいただきました。

ブランドを立ち上げて14年。模造品が出るなどの苦い経験もあり、「もっといいのを作らなきゃ!」と、自分を追い込んでいた時期もありました。経験を重ねて少しずつ自信がつき、構えることなく、自然にデザインが仕上がっていく今をありがたいと感じています。いつか、宿泊施設を全て紅琉のアイテムでコーディネートするのが夢。人生100年時代ですから、夢は大きく持ちたいですね。

 
紅型の柄と香りのコラボレーション

「香りって、かぐと記憶がよみがえったり、イメージがスッと浮かぶんですよね」と下地さん。懐かしさを感じて落ち着く香り。休日の午後の日だまりの中にいるような、甘い香り。デザインした紅型のモチーフのイメージと込めた思いに合わせて、アロマオイル(精油)をブレンドし、4種類の香りを提案している。

アロマブレンドデザイナーの資格を取得したのは、2018年のこと。ペットケアでも取り入れていたアロマだが、「効能から選ぶアロマセラピーと、香りを作り出すアロマブレンドでは精油の考え方、選び方がまったく違ったという。

「香りを作るときは、ストーリーから入るんです。とても楽しいのですが、いつも眉間にしわを寄せているようで、よく怖いと言われます」と笑う。

四季を感じることが少ない沖縄だが、「梅雨明けを知らせる季節風『カーチーベー』など、沖縄ならではの季節を感じる香りがあります。壁紙に合わせて、もっといろいろな香りを提案していきたい」

■問い合わせ先/紅琉 ☎098・914・4855



プロフィル
しもじ・なほ
1974年生まれ、浦添市出身。2004年から2年間、京友禅の老舗、亀田富染工場が手がける「パゴン」に勤務。06年に、夫とともにオリジナルブランド「紅琉」を立ち上げ、デザイナーに。オリジナル商品の企画、デザイン、販売だけでなく、12年には琉球温泉瀬長島ホテルの客室内装を手がけた。アロマブレンドデザイナー


初登場の紙面(2010年2月11日号に掲載)


撮影/比嘉秀明 文/比嘉千賀子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美リターンズ<14>
第1776号 2021年8月19日掲載

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比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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