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2021年5月5日更新
[特集]多彩な模様が魅力 沖縄の「やちむん」
沖縄の焼き物を意味する「やちむん」。古くから親しまれている模様の他、窯元独自のデザインも。多彩な模様の中から、好みのものを見つけてみては。
沖縄の代表的な焼き物の「壺屋焼」。那覇市立壺屋焼物博物館の比嘉立広さんは「いろいろな国の文化が混ざり合っていて、縁起の良い模様が多い」と話す。今回は、暮らしに取り入れやすい食器を中心に、3工房の作品と合わせて紹介。好みの模様を探してみて!
魚や唐草、菊など多彩な模様がある壺屋焼。
比嘉立広さんは「1616年、薩摩藩から琉球に派遣された朝鮮人の陶工が、湧田村(現在の那覇市泉崎周辺)で朝鮮式の壺を作ったことが沖縄の陶器の始まり。壺屋焼は厚みのあるぽってりとした形が特徴で、中国や東南アジア、日本などの焼物技術の影響を受けて発展。模様にも複数の国の文化が混ざり合っている」という。
「中国の模様を基本に、亀や菊など、壺屋焼は縁起が良い模様が多い」と比嘉さん。「中国では有り余るという意味の『余』と『魚』が同じ読み方であることから、魚の模様は富や幸福の象徴と考えられている。また、卵を多く産むので、子孫繁栄の意味もある」のだとか。
同様に、繁栄の意味があるとされる唐草模様の原点は、復活や再生の象徴として古代エジプトで親しまれていた、ロータス文様と言われている。「インドや中国を経由して伝わったと考えられ、壺屋焼でもよく見かける模様。博物館ではさまざまな模様の壺屋焼を紹介している。足を運んでほしい」と笑顔を見せた。
日々の食卓にも
「初めて壺屋焼を購入するなら好きな模様を探すのもいい。壺屋焼は日用雑器としての歴史があり、洋食に合うデザインもある」と紹介するのは、幸陶器の赤嶺肇幸(としゆき)さん。「沖縄の海のイメージなのか、外国人や本土の人には青色が人気。気軽に使ってもらい、良さが広まってほしい」とにっこり。
新垣製陶所の新垣貴司さんは「父や先輩から習った知識や技術を駆使して作品を作っている。ウンケージューシーやソーキ汁用にと、行事前に器を購入する人も多い。県外に嫁ぐ女性が沖縄らしさを感じる土産として購入することもある。購入した人がどのように使ってくれるかを考えるのも楽しみの一つ」と話す。
清正陶器明史工房の小橋川明史さんは「贈り物には万人に縁起が良いとされる魚の模様がおすすめ。フリーハンドで描くので、同じ模様でも一つずつ微妙に違う。色の濃淡も含め、一つとして同じものがないのも良い」と説明。長年作り続けるひまわり模様はオリジナル。「見ていると元気になれる」と語った。
参考文献/つぼややき動植物園ーやきものの文様ー(那覇市立壺屋焼物博物館)
迫力ある赤絵の魚が目を引くマカイ。丼ものやそばに合う/清正陶器明史工房
鮮やかな魚が印象的なマカイ/新垣製陶所
薄いブルーにシンプルな魚が映えるコーヒーカップ/清正陶器明史工房
中をのぞくと亀が見える。側面には唐草模様が描かれている/新垣製陶所
花びらが太陽のように放射状に広がることから、「太陽の恵み」の意味がある菊の模様のカップ/幸陶器
落ち着いた色の唐草模様に加え、はけで付けた渦巻きの模様も特徴/新垣製陶所
薄めの藍色の唐草模様が上品なスープカップ。持ち手があって使いやすい。アイスクリームなどを入れるのもよさそう/新垣製陶所
鮮やかな赤色の唐草模様がポイント。部屋に飾って楽しむのもいい/幸陶器
花びらの黄色が目を引く大きなヒマワリが特徴のマカイと皿/清正陶器明史工房
手まりをイメージした皿はお菓子を盛り付けるのもよさそう/幸陶器
洋食にも合うデザイン。飛びカンナという技法で、細かな線が彫られている/幸陶器
比嘉 立広さん
那覇市立壺屋焼物博物館 主任学芸員
赤嶺 肇幸さん
幸陶器 代表
新垣 貴司さん
新垣製陶所 代表
小橋川 明史さん
清正陶器明史工房 代表
縁起良い模様 贈り物にも
魚や唐草、菊など多彩な模様がある壺屋焼。比嘉立広さんは「1616年、薩摩藩から琉球に派遣された朝鮮人の陶工が、湧田村(現在の那覇市泉崎周辺)で朝鮮式の壺を作ったことが沖縄の陶器の始まり。壺屋焼は厚みのあるぽってりとした形が特徴で、中国や東南アジア、日本などの焼物技術の影響を受けて発展。模様にも複数の国の文化が混ざり合っている」という。
「中国の模様を基本に、亀や菊など、壺屋焼は縁起が良い模様が多い」と比嘉さん。「中国では有り余るという意味の『余』と『魚』が同じ読み方であることから、魚の模様は富や幸福の象徴と考えられている。また、卵を多く産むので、子孫繁栄の意味もある」のだとか。
同様に、繁栄の意味があるとされる唐草模様の原点は、復活や再生の象徴として古代エジプトで親しまれていた、ロータス文様と言われている。「インドや中国を経由して伝わったと考えられ、壺屋焼でもよく見かける模様。博物館ではさまざまな模様の壺屋焼を紹介している。足を運んでほしい」と笑顔を見せた。
日々の食卓にも
「初めて壺屋焼を購入するなら好きな模様を探すのもいい。壺屋焼は日用雑器としての歴史があり、洋食に合うデザインもある」と紹介するのは、幸陶器の赤嶺肇幸(としゆき)さん。「沖縄の海のイメージなのか、外国人や本土の人には青色が人気。気軽に使ってもらい、良さが広まってほしい」とにっこり。
新垣製陶所の新垣貴司さんは「父や先輩から習った知識や技術を駆使して作品を作っている。ウンケージューシーやソーキ汁用にと、行事前に器を購入する人も多い。県外に嫁ぐ女性が沖縄らしさを感じる土産として購入することもある。購入した人がどのように使ってくれるかを考えるのも楽しみの一つ」と話す。
清正陶器明史工房の小橋川明史さんは「贈り物には万人に縁起が良いとされる魚の模様がおすすめ。フリーハンドで描くので、同じ模様でも一つずつ微妙に違う。色の濃淡も含め、一つとして同じものがないのも良い」と説明。長年作り続けるひまわり模様はオリジナル。「見ていると元気になれる」と語った。
参考文献/つぼややき動植物園ーやきものの文様ー(那覇市立壺屋焼物博物館)
魚 [富、幸福、子孫繁栄]
迫力ある赤絵の魚が目を引くマカイ。丼ものやそばに合う/清正陶器明史工房鮮やかな魚が印象的なマカイ/新垣製陶所
薄いブルーにシンプルな魚が映えるコーヒーカップ/清正陶器明史工房
亀 [長寿]
中をのぞくと亀が見える。側面には唐草模様が描かれている/新垣製陶所
菊 [太陽の恵み、長寿]
花びらが太陽のように放射状に広がることから、「太陽の恵み」の意味がある菊の模様のカップ/幸陶器
唐草 [繁栄]
落ち着いた色の唐草模様に加え、はけで付けた渦巻きの模様も特徴/新垣製陶所
薄めの藍色の唐草模様が上品なスープカップ。持ち手があって使いやすい。アイスクリームなどを入れるのもよさそう/新垣製陶所
鮮やかな赤色の唐草模様がポイント。部屋に飾って楽しむのもいい/幸陶器
いろいろな「壺屋焼」
花びらの黄色が目を引く大きなヒマワリが特徴のマカイと皿/清正陶器明史工房手まりをイメージした皿はお菓子を盛り付けるのもよさそう/幸陶器
洋食にも合うデザイン。飛びカンナという技法で、細かな線が彫られている/幸陶器
比嘉 立広さん
那覇市立壺屋焼物博物館 主任学芸員
赤嶺 肇幸さん
幸陶器 代表
新垣 貴司さん
新垣製陶所 代表
小橋川 明史さん
清正陶器明史工房 代表
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1761号 2021年5月6日紙面から掲載」
この記事のキュレーター
- スタッフ
- 比嘉知可乃
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新人プランナー(企画・編集)
1990年生まれ、うるま市出身。365日ダイエット中。
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