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2021年3月18日更新

[彩職賢美リターンズ]沖縄子育て良品株式会社 代表取締役社長 舩谷(ふなたに)香さん|子の心と体に優しい商品を

彩職賢美に出た人が再登場する「彩職賢美リターンズ」。子どもでも安心・安全に使うことができる商品の企画・開発、仕入れ販売する沖縄子育て良品。代表の舩谷香さん(52)は、「自分の子どもに安心して使えるものを作りたい」という思いで起業。数々のオリジナル商品を開発し、「子育てを頑張るママとその子どもたちの笑顔のために体にも心にも優しい商品を届け続けたい」と、13人のスタッフと共にまい進している。


沖縄子育て良品株式会社 代表取締役社長
舩谷 香 
さん

母親目線から笑顔を届ける

子どもが安心して日常生活を送る環境を整えるのが、親としての役目。私自身が敏感肌で、子どもはアトピーだったことから、自分の子どもが安心して使えるものづくりを始め、商品化。店舗をオープンさせました。

2004年、開業してすぐに彩職賢美に掲載され、多くの人に関心を持っていただく機会になりました。あれから17年、3人の子どものうち2人は成人。末っ子も高校生になりましたが、母親目線と「自分の子どもたちのために」という思いは、会社の理念として息づいています。


ものづくりが活力 無添加・県産が軸

開業時から力を注いでいるのは、赤ちゃんから大人までが安心して使える商品の企画・開発です。化学薬品を極力使わず、できるだけ沖縄の素材、国産にこだわって、体にも環境にも優しい商品づくりを目指しています。

ものづくりにやりがいを感じるようになったのは、起業する前に勤めていた伝統工芸品を販売する会社で、商品開発に携わったことがきっかけです。十代後半を熊本県水俣市で過ごし、日々、環境問題と向き合っていたことも、自然と人との関わり、安心・安全を重視する起点になっていると思います。

オリジナル商品は、沖縄の天然素材で作ったスキンケア・ヘアケアのシリーズや、肌に優しい素材で赤ちゃんを快適に抱っこできるベビースリングなど、数十種になりました。助産師さんと共同開発した、授乳用の「SANGOクッション」では、特許も取得しています。

自社企画だけでなく沖縄素材、安心・安全にこだわった商品を製造する県内企業と提携して、ブランド化した商品もあります。商品はいいのになかなか売れない。企業からそんな相談を受けたことから、提携商品が生まれました。関わる企業の成長・発展、沖縄の経済自立にも貢献できればと考えています。

商品開発は楽しいですが、集中して取り組む必要があります。4種類の商品を開発している最中に体調を崩して入院。入院先でも打ち合わせを重ねて仕上げましたが、継続商品とはなりませんでした。経営者は健康でなければいけないと痛感した出来事でした。


売り上げ構造を変革 ママの働き方も支援

スタッフが増え、2010年に法人化してからは、小さいながらも企業の仲間入りをしたことで、経営者として視点と意識も変わりました。

当初は県外企業への卸売り販売が売り上げの主軸で、売上高も順調に伸びていました。でも、法人化したタイミングで取引企業の方針転換があり、この先の取引の縮小が予想される事態に陥りました。

社員と会社を守るため、売り上げ構造を変えることを決断。オリジナル商品を自分たちの手で直接、お客さまに販売することに力を注ぎました。数年かけて取り組んだおかげで、今では南風原町の実店舗とネットショップの人気ベスト10を自社商品が占め、売り上げの安定につながっています。

企業理念として、母親目線を大切にしているため、スタッフには子育て中のママが多いです。障がい者雇用や事業所との連携にも長年取り組んでいて、それぞれが自信を持って商品をお薦めできるよう学習会なども開き独自のこだわりを共有。仕事と家庭が両立できるよう、スタッフの子どもたちのことまで視野に入れ、働く環境づくりを考えるようにしています。


55歳で自由な立場に 新たな展開を楽しむ

私は、55歳を区切りに、働き方を変えると決めています。スタッフには以前から宣言していました。元気に動けるうちに自由な立場になって、いろいろなことに挑戦したいという気持ちがあって。

それまであと3年余り。これまでは会社をどんどん大きくしようと思っていたのですが、次世代を意識したとき、スタッフ一人ひとりと関係を深めていける、丁寧な会社づくりをしたい、と思うようになりました。

プライベートでは、昨年再婚。夫が代表を務める会社では、与那原町に特化した、思いと文化を残せる商品の開発、販売に取り組んでいます。

主軸の子育て良品には、2年前に娘が入社。商品開発にも関わり、頑張ってくれています。娘が栄養士の資格を持っているので、栄養士監修のレストランなど、異業種への展開にも夢が広がります。

原点である「母親目線」を大事に持ち続けながら、新たな視点で自分の人生も会社も、楽しんでいきたいですね。
  

与那原町の魅力を発信

舩谷さんが昨年から商品開発を手掛ける、「よなばる商店」では、与那原町に特化したものづくりを大切にしている。「地域の歴史を反映した、思いのある商品を作りたい」と舩谷さんが初めて取り組んだのが、絵本「よなばるまじくものがたり」(上写真)だ。「再婚して、夫に与那原町のことをいろいろ聞く中で、よなばるまじくと呼ばれる魚の言い伝えを聞き、ずっと胸に残っていたんです」と話す。

絵本の主人公は琉球王朝時代のノロ、聞得大君(きこえおおきみ)。町内には、聞得大君の一人が葬られたとされる三津武嶽(みちんだき)がある。伝承として断片的に残っている情報をつなぎ合わせ、資料を探し集めていくと、「悲しいけれど、子を思う母のとても美しい物語があり胸が熱くなった。絵本なら、お母さんが子どもに読み聞かせもできる」と書き下ろした。

よなばる商店では絵本のほか、南部地域が水揚げ量日本一のソデイカが原料の「そでいか佃煮」なども販売している。

■問い合わせ先/沖縄子育て良品
電話098(996)2550




プロフィル
ふなたに・かおり
1968年生まれ、栃木県出身。結婚後、89年に沖縄へ移住。ゆいまーる沖縄勤務を経て、2004年に沖縄子育て良品を起業。2010年に法人化し、代表取締役社長に。よなばる商店(株)取締役、沖縄県中小企業家同友会理事、アロマコーディネーター。
 


初登場の紙面(2004年7月28日号に掲載)


撮影/比嘉秀明 文/比嘉千賀子(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美リターンズ<11>
第1754号 2021年3月18日掲載

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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