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2020年12月30日更新
[企業家インタビュー]ピンチ乗り越え30年目の飛躍|株式会社リポースカンパニー
県内外のリゾートホテルで10のスパサロンを展開し、オーガニックコスメも輸入販売。近年は、県内のショッピングセンターにも直営店を出店し続けている㈱リポースカンパニー。「新年の2021年には創業30周年を迎えます。長く仕事を続けていれば波はありますが、それでも、観光業界がこんなに大打撃を受けたのはことしが初めて」と粟國淳子代表は振り返る。
粟國 淳子さん/㈱リポースカンパニー代表
あぐに・じゅんこ/1963年生まれ。外資系大手化粧品メーカー勤務を経て91年、那覇市で開業。県内外でタラソや温泉、沖縄素材にこだわったサロンを展開。2013年、輸入部門「ベルダ事業部」新設。15年からイオングループの店舗(ライカム、北谷、那覇)にカウンターをオープン。ことし8月には具志川店にも新設
2021年の取り組み
タラソ・自然素材・デトックス 今こそ心身を癒やす場が必要
30年目で初の休業 会社見直す機会に
県内外のリゾートホテルで10のスパサロンを展開し、オーガニックコスメも輸入販売。近年は、県内のショッピングセンターにも直営店を出店し続けている㈱リポースカンパニー。「新年の2021年には創業30周年を迎えます。長く仕事を続けていれば波はありますが、それでも、観光業界がこんなに大打撃を受けたのはことしが初めて」と粟國淳子代表は振り返る。
「スパ業界にも働き方改革が必要」と新人を多数採用した矢先、コロナウイルス感染防止対策の一環として、県から自粛要請が出された。「創業以来初めて休業を余儀なくされ、大きな損失も出ました。が同時に、ずっと走り続けてきた私たちにとっては、じっくりと会社を見直す良い機会になりました」
見える化で仕事しやすく 待遇改善し雇用も維持
特に意識したのは「仕事がしやすい環境づくり」。まずは仕事の流れからディスプレーに至るまでを見直し、徹底的に無駄を省いて在庫もスリム化。売り上げを把握しやすいシステムに変えるなど、仕事の見える化を図った。合わせて「スタッフの待遇改善も欠かせない」と、昨年から予定していたベースアップを実行。コロナ禍の厳しい最中にあっても給付金を活用しつつ、雇用の維持・安定に努めてきた。
「一番変わったのは社員の意識です。一人一人と向き合い危機感を共有した結果、現場の士気がアップ」。順調に業績は回復している。
四つ目の直営店も好調 セラピストの仕事に自信
一方で改めて感じたのは「癒やしの場、セラピストという職業はお客さまに求められている」という自信。実際、6月にスパが入るホテルと共に行った「医療従事者キャンペーン」は、予想を上回る関係者が来店。8月にイオン具志川店内にオープンした四つ目の直営店も出足は好調だ。「先が見えずストレスが蓄積している今だからこそ、心と体をメンテナンスし、エネルギーをチャージする場が欠かせない」とゆるぎない。
そのためにも必要だと語るのが「ブランドコンセプトに立ち返る」こと。海の恵みを体内に取り込むことで体本来の自然のバランスを取り戻す「タラソテラピー」、クチャや沖縄のハーブなど地元の天然素材を使った「デトックス」、オーガニックコスメを活用した「ヘッドスパ」に「全身ケア」。これら一つ一つの特徴を生かし、リゾートエステの世界観を取り入れたメニューを開発。地元の素材や人のぬくもりなど、沖縄らしさを大切に、心と体を癒やせるナチュロセラピストの育成に力を注ぐ。
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新年はいよいよ30年の節目の年。未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きることが明日につながる―。見通しの立ちにくい今だからこそ、大切にしている言葉だ。「もちろん時代に応じた変化や挑戦も大切。2021年は事業承継も見据え、やるべきことを一つ一つクリアしながら、さらなる飛躍へつなげる年にしたい」と力を込めた。
『週刊ほ〜むぷらざ』企業家インタビュー
第1743号 2020年12月31日掲載