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2020年9月24日更新

秋の十五夜にフチャギ|作ってみよう 行事料理[3]

旧暦8月15日(2020年は10月1日)は十五夜。沖縄ではフチャギ(吹上餅)を仏壇や火の神に供えます。松本嘉代子さんは「フチャギは簡単に作ることができます」と話します。

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フチャギ(吹上餅) 



●材料 5人分
餅粉300g 水1+1/4カップ 小豆1カップ

●作り方

 小豆は洗ってたっぷりの水に3〜5時間漬け、火にかけて煮立ったらゆで汁をこぼす。新たにかぶるくらいの水を加えて40〜50分くらい崩れない程度に煮て、ザルに取る。

 ボウルに餅粉を入れて、分量の水を少しずつ入れて十分に練り、耳たぶくらいの硬さにする。



 よく練った餅粉を15等分(目安は1個50g)して楕円(だえん)形のもちを作る。

 蒸気の上がった蒸し器に布巾を敷いて餅を並べ入れ、強火で15分蒸す。​



 蒸し上がった餅が温かいうちに、1の小豆をまんべんなくまぶす。​


味の記憶は残る

 沖縄の年中行事の多くが農耕に関係していますが、旧暦8月の十五夜は大切な日でした。収穫を終えた後の満月にあたり、豊作への感謝と次の農耕への期待を込めた祈りをささげてきたのです。「十五夜の月御願」とも言われます。

旧暦8月15日の晩には、各地域で豊年祭が行われ、村芝居や獅子舞、歌などが披露されました。昔と今では異なることも多くなりましたが、行事の内容や意義について子や孫へ話しておくのは大切なことだと思います。多くの行事が途切れがちになっている背景には、伝えることが十分でないこともあるのではないでしょうか。 特に、味の記憶は残ります。手作りした行事料理は、何年たっても忘れることはできません。

ユウナや月桃の葉に

フチャギは餅粉と水を練って蒸し、ゆでたあずきをまぶす素朴な一品です。調理のポイントは水の量を守ることと餅が温かいうちに小豆をまぶすこと。

時間がなくて初めから作るのが難しい時は、買ってきた白餅を熱湯に入れて温め、缶入りやパック入りのゆでた小豆をまぶしてもいいですよ。伝統を途絶えさせないためには、行事を継続することが大事だと思います。 フチャギを盛り付ける際は、皿に餅がくっつかないように、ユウナや月桃の葉が用いられてきました。これらの葉は殺菌作用も高いため、保存にも適していました。また、葉の強い香りには魔よけの役割もあったと考えられています。

小豆はタンパク質や糖質に富み、食物繊維が多く、整腸作用もあります。ビタミンB1やカリウムも含まれていて、成分的に優れています。 以前はフチャギには、ササゲという小豆に似た豆の一種が使われていました。つやが無く煮崩れしにくく、赤飯やおこわにも用いられてきました。
 

県内書店で発売中の「沖縄の行事と食~伝統のならわし・重詰め料理~」(松本嘉代子著)では、返し昆布のより詳しい作り方や、すべての重詰め料理のレシピを掲載。2000円(税抜き)。問い合わせは、タイムス住宅新聞社 電話=098(862)1155へ。



まつもと・かよこ/松本料理学院学院長。新聞やメディアで琉球料理の継承について広く発信。県「琉球料理伝承人 琉球料理担い手育成講座」の指導に携わる。
 
『週刊ほ〜むぷらざ』作ってみよう行事料理
第1729号 2020年9月24日掲載

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