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2017年9月28日更新

[沖縄をあそぼう!]沖縄の鉄軌道に触れよう!|10月14日は鉄道の日

新橋~横浜間に日本初の鉄道が開業したのが1872年10月14日のこと。それを記念し10月14日は「鉄道の日」と定められている。沖縄では現在、ゆいレールが那覇市内を走っているが、戦前には沖縄県営鉄道や路面電車、馬車軌道も営業していた。そんな沖縄の鉄軌道の歴史をひもときつつ、遺構や鉄道ゆかりの資料館を紹介。ゆいレールからケービンまで、沖縄の鉄軌道に触れてみて!

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沖縄の鉄軌道に触れよう!

10月14日は鉄道の日
ゆいレールからケービンまで


県営鉄道、嘉手納駅の様子。那覇市歴史博物館所蔵
 

那覇~首里間 大正時代に開業!

沖縄の鉄軌道の幕開けは、大正時代にまでさかのぼる。
1914年(大正3年)5月、那覇~首里間に開業した路面電車が実質的な沖縄の鉄道事業の最初となる。さらに同年11月には与那原~小那覇(後に泡瀬まで延伸)を沖縄馬車軌道が、12月にはケービンの名で親しまれた沖縄県営鉄道与那原線(那覇~与那原)が開業した。
1920年には那覇~糸満を結ぶ糸満馬車軌道、1922年には沖縄県営鉄道嘉手納線(那覇~嘉手納)、翌年には沖縄県営鉄道糸満線(那覇~糸満)が開通し沖縄における鉄道の全盛期を迎えた。
 

バスの台頭で廃線も沖縄戦経て鉄路復活

昭和に入ると、乗り合いバスとの競争が激しくなり、1933年(昭和8年)に路面電車が廃止。1935年には糸満馬車軌道が休業状態(後に廃止)となった。沖縄県営鉄道はガソリンカーを導入してスピードアップを図りバスに対抗した。しかし太平洋戦争末期の沖縄戦で駅舎や線路が壊滅的な打撃を受け、1945年に運行停止を余儀なくされた。
終戦後、道路整備が優先されたため鉄道が復活することはなかったが、2003年8月、沖縄都市モノレール(ゆいレール)が那覇空港駅~首里駅間で開業。実に58年ぶりに沖縄に鉄軌道が通ることになった。
ゆいレールの開通により、赤嶺駅が日本最南端の駅、那覇空港駅が日本最西端の駅となり全国の鉄道ファンに注目されている。さらに現在、首里駅~てだこ浦西駅間で延伸工事中。2019年の春の開業(予定)が待ち遠しい。


地元客だけでなく観光客の足にもなっているゆいレール

※参考:ゆいレール展示館、与那原町立軽便与那原駅舎展示資料館


鉄道を知るならココへ!

鉄道の展示物が約400点!
ゆいレール展示館

沖縄都市モノレール(株)の敷地内にある施設で1階がゆいレール関連(写真)、2階は鉄道関連の展示フロアになっている。
1階の見どころは映像コーナー。ゆいレール着工から開業までの様子を紹介している。2階では県営鉄道の歴史や資料の紹介のほか、古い切符や国鉄時代の行き先案内幕など鉄道マニア必見の貴重な鉄道グッズを展示。11月26日にはゆいレール祭りも開催予定。



「路面電車と県営鉄道のレールも展示しています」と営業企画課調査役の我謝幸男さん

那覇市安次嶺377-2
098-859-2630
9時30分~16時30分(入館は16時まで)
土・日・祝日、12月29日~1月3日休み
入館無料
P30台




与那原町立軽便与那原駅舎展示資料館
開業100年に合わせ復元

1914年の開業から100年後の2014年に復元された与那原駅の駅舎。開業時の駅舎は木造だったが、1931年に沖縄で唯一のコンクリート駅舎に。与那原駅は戦後改修され与那原町役場などに使用されてきた。
スタッフの平良幸松さんによると戦前の与那原は、物流の経由地として大変にぎわい、与那原駅は那覇駅に次いで乗降客が多く、構内の売店ではラムネなどが販売されていたという。復元された駅舎には、往時の写真や時刻表などが展示され、映像の上映もしている。


駅舎正面。入り口には通称「三郎オジー」が鎮座

かつての駅舎を支えた9本の柱がそのまま残る

同館は「近々、国指定の登録記念物(遺跡関係)に登録される」と平良さん

与那原町与那原3148-1
098-835-8888
10時~18時(入館は16時まで)
火曜、12月29日~1月3日休み
入館100円(与那原町民は無料)
P3台




宜野湾市立博物館
沖縄で唯一、ケービンの台車を展示

館内には戦前の宜野湾市(当時は村)の空撮写真が床に展示されており、県営鉄道嘉手納線の路線と大謝名、真志喜、大山の3駅が確認できる。
学芸係長の平敷兼哉さんによると、3駅の中で特に大山駅は有人の主要駅で、ここからサトウキビを運搬するトロッコ線が各地に延びていたそう。普天満宮参拝の玄関口としても利用されたといい、にぎわっていたことがうかがえる。
1983年、かつての大山駅付近の道路工事中に客車の台車が発掘され、博物館内に展示されている。現存する台車はこの1台のみ。貴重な鉄道遺産を見にぜひ出かけてみよう。


黒く力強さを感じさせるケービンの台車

「大山駅では客を待つ客馬車や通学する学生たちが見られました」と平敷さん

宜野湾市真志喜1-25-1
098-870-9317
9時~17時(入館は16時30分まで)
火曜、祝日(慰霊の日、文化の日除く)、12月29日~1月3日休み
入館無料
P40台




沖縄県立博物館・美術館
鉄道の動画や模型間近に

沖縄の歴史や文化、自然などを総合展示と部門展示で多角的に紹介している沖縄県立博物館・美術館の常設展。その一角に鉄道関連の展示がある。
かつての那覇駅(現在の那覇バスターミナル)の様子を映像で紹介。縮尺模型も展示されており、当時の様子を知ることができる。


動画はナレーション付き。当時に思いをはせて
 

那覇市おもろまち3-1-1
098-941-8200
9時~18時(入館17時30分まで)
金・土曜は9時~20時(同19時30分)
月曜休み(祝日は開館し翌平日が休館)
12月29日~1月1日、その他休みあり
博物館常設展入館410円(70歳以上、県内小中学生は無料)
P158台




ココもチェック!


壺川東公園
かつての那覇駅と壺川駅の間にあり、公園整備の際に線路が見つかったという。展示している機関車は南大東島でサトウキビを運搬するために使用されていたもの。1983年まで運行されていた。


浦添市大平の線路跡
浦添市の大平養護学校前バス停のすぐ近くに線路が保存されている。これは道路工事時に発掘された線路。全長約2mと短いが細いレール、狭い線路幅などケービンの様子がうかがい知れる。
 


取材/伊東一洋(トラベローグ)
『週刊ほーむぷらざ』沖縄をあそぼう(17)
第1576号 2017年9月28日掲載

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