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2025年2月27日更新

絵画で表現 仲間と楽しむ|那覇造形美術学院の深見汎さんら 生徒の皆さん(那覇市)[人生ブラボー!⑩]

仕事の一線を退いた後も、年を重ねても、人生を生き生きと送る人たちを紹介します。今回は那覇市造形美術学院の一般美術教室に通う深見汎さんら生徒の皆さん。絵画で表現することの楽しさを語る表情がキラキラと輝きます。

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那覇造形美術学院の深見汎さんら生徒の皆さん(那覇市)
喜屋武千恵さん(前列左から2人目)が指導する美術教室火曜日クラスの皆さん。取材日は、カジマヤーを迎えた深見さん(前列中央)を共に祝おうと、教室仲間でサプライズを実行。用意したお茶とまんじゅうで乾杯し祝った。深見さんは赤色のちゃんちゃんこと頭巾を身に付け、照れ臭そうにしながらも、笑顔で記念撮影に収まった=那覇市造形美術学院(那覇市)


 96歳、芸術生む探究心 

静かな住宅街にある那覇市造形美術学院。2001年に芸術・美術大学受験の予備校として開校した後、一般社会人を対象とした教室も開講。20代から90代まで幅広い年齢層の生徒が集っている。

社会人対象美術教室に週2回通っているという深見汎(ひろし)さんは最年長の96歳。「旧制中学のころ、図画は成績も良く好きではありましたが、あくまで趣味の範囲。ずっと日本画に興味があったんだけど、沖縄では学べる場所がなくてね。75歳のとき、やっと喜屋武千恵先生に巡り合え、通うようになりました」ときっかけを話す。

それから22年。深見さんは、県社会福祉協議会が主催する「沖縄ねんりんピック・かりゆし美術展」で何度も入賞。2018年には「全国健康福祉祭」において、最高賞となる厚生労働大臣賞も受賞した。「受賞にはコツがあるんです。それは先生の言うことをよく聞くこと。それができなければ、しょう(賞)がない」とジョークを飛ばす。

指導者の喜屋武千恵さんも一緒に笑いながら「深見さんは、誰よりも早く教室に来て道具の準備をするなど、すごく熱心で探究心が旺盛。私の方こそ教えてもらうことは多いんですよ」と目を細める。

冗談好きな深見さんの周りには自然と人が集まる。深見さんの作品に感化され、同じ教室に通うようになったと言う山城東雄(あずまお)さんは「深見さんは、明るくユーモアがあり、漢文に詳しいなど博識なんです。楽しい会話の中にも学びがたくさんあり、みんなから尊敬されています」と話す。


作品集を出版予定の深見さん。作品の修復作業にも力を注ぐ


俳画で表現を楽しむ

深見さんは英語力を生かし、県内の米軍基地をはじめ米国商社などで70歳まで働いた。言葉や文字に関心が深い。俳句も好きで、俳句に絵を添える「俳画」の作成にも取り組んでいる。「最近は、体力が必要な大作の絵画より色紙などに描く俳画がいい」と話す。

日本画の魅力を「色彩がきれいで、あでやかで、深みがある」と語る深見さん。特に俳画は、俳句の内容と絵の取り合わせが重要で「俳句の季語など、要素を全て絵に詰め込むのではなく、その意を読み取り、自分の解釈を表現することが大事。そこが面白い。奥深くて、もっと上手になりたい」と目を輝かせる。

年齢に関係なく、常に成長し続けることの素晴らしさを教えてくれる深見さん。近々、作品集を出す予定で、傷んでしまった作品の修復などにも力を注ぐ。芸術を通し、自己表現を楽しむその姿に、多くの後輩たちが続いている。


厚生労働大臣賞を受賞

深見さんの作品「沖縄の闘牛」=写真=は、2018年の「全国健康福祉祭」で最高賞となる厚生労働大臣賞を受賞した。

作品では、深見さんが、実際にうるま市の闘牛場で見て感じた迫力を表現したいと、牛がぶつかるときに起きた砂ぼこりを金箔(きんぱく)を使って描くなどした。「闘う牛の目の迫力など、喜屋武先生に細かくご指導いただいたおかげ」と感謝する。

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取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1941号 2024年10月17日紙面から掲載」

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