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2024年5月16日更新

ゴンゴラ|ハチ誘い花粉運ばせる 3パターンの巧妙な仕掛け|熱帯植物の生存戦略②

執筆:佐藤裕之(海洋博公園 熱帯ドリームセンター主任)
イラスト:安里淳子(同センター職員。イラストレーター)

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執筆:佐藤裕之(海洋博公園 熱帯ドリームセンター主任)
イラスト:安里淳子(同センター職員。イラストレーター)

 

 

ゴンゴラ

科名:ラン科
学名:Gongora(ゴンゴラ)


なじみのない名前に奇妙な花。初めて目にする方は、不思議に思うかもしれません。ゴンゴラは、日本では海洋博公園 熱帯ドリームセンターを含む一部の植物園でしか見られないため、ほとんど知られていませんが、類いまれな生存戦略を隠し持っています。

ハチ誘い花粉運ばせる
3パターンの巧妙な仕掛け
 
自生地は中南米の熱帯雨林。樹上に着生し、長い花茎を垂らして親指大の花をたくさん咲かせます。花には独特の香りがあり、シタバチというハチの仲間を誘って花粉を運ばせます。ゴンゴラはランの仲間で、原種は70種程度見つかっています。花の構造により受粉の仕組みは3パターンあり、それぞれに花粉を付着させる巧妙な仕掛けがあります。

一つ目はすべり台式。香りを放つ花びらがロウ質になっていて、ハチが花粉のある場所まで滑り落ちます。
二つ目は蝶番(ちょうつがい)式。花びらの付け根が蝶番のようになっていて、ハチが飛び立とうとすると、花粉がある場所に頭が突っ込んでしまいます。三つ目はヘッドロック式。花びらと花粉のある器官がハチの頭を抱え込み、花粉を押し付けます。

よくできた仕掛けに驚くと共に、これほど複雑な花を生んだ自然のすごさを感じずにはいられません。

週刊ほ〜むぷらざ「熱帯植物の生存戦略」
第1919号 2024年05月16日掲載

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