ビューティー
2020年10月29日更新
「痛み研究所」について|教えて!ドクター当山〈229〉
「美容医療に興味はあるけれど痛みが気になる」という女性もいるのでは? そんな「痛みを軽減する工夫」に特化し、当山美容形成外科と長年痛みの研究を続けるドクターがこのほど立ち上げたのが「ペインラボ」。設立の経緯や人気のペインレスメニューについて当山拓也院長と大城宜哲ドクターに話を聞いた。
眉やリップのアートメイク、男性のヒゲ脱毛、膝痛関連の慢性疼痛など
麻酔や施術の痛み ほぼ無痛に!
「痛み研究所」について
痛み研究する「ペインラボ」
麻酔科医とコラボし設立
―「痛み軽減」に着目した経緯は?
当山
当院の別館であるアネックスはアートメイクと脱毛に特化したクリニックです。どちらも以前から人気の高い治療ですが、「痛み」が心配で二の足を踏む人が多いのも事実。また「痛み」は美容医療だけでなく、当院で行っている再生医療とも密接にかかわる分野です。そこで今回、当院と麻酔科医の大城先生がコラボし、痛みの研究所である「ペインラボ」を設立しました。
大城先生は現在、神戸大学客員准教授として院生の指導をしていますが、沖縄では癒やしの医療提供を目的に講演会やワークショップなどを行うNPO「ゆいめど」も運営。愛と笑いの力で患者を癒やした感動作として話題を呼んだハリウッド映画「パッチアダムス」のモデル・アダムス医師の来日支援を行い、沖縄にも招へいした実績の持ち主です。
―「ペインラボ」では具体的にどのようなことを行っていますか?
大城
まずは現在勤務しているアネックスで行っている施術をペインレス化。具体的には眉やリップのアートメイク、男性のヒゲ脱毛に独自の麻酔方法を導入しました。
筋膜リリース治療も準備中
医療と社会をペインレス化
―どのように痛みを軽減しているのか、詳しく教えてください。
大城
アートメイクでは麻酔注射自体が痛いという声が多くあります。そこで、リップに対しては、麻酔スプレーで十分痛みを軽減することができると判断し、注射を廃止しました。麻酔スプレーは、歯科で麻酔注射の痛みを軽減するために使われているもので、麻酔クリームよりも高濃度です。
一方、同じアートメークでも、眉はスプレーでは麻酔が不十分。そこで研究を重ねた結果、鈍針を使うことで注射の痛みを減らし、かつ麻酔も十分に効くことが分かりました。こちらも「ペインレス眉アート」としてメニュー化し、好評を得ています。
また当院では男性脱毛も強化していますが、ヒゲのレーザー脱毛は、かなりの痛みを伴い、施術範囲も頬から鼻の下、アゴまで広範囲にわたります。そこで神経に作用し痛みが伝わる経路をブロックする麻酔注射を応用したところ、特に一番痛い鼻下を数分でほぼ無痛にすることができました。
―今後の展開は?
当山・大城
当院の再生医療による膝痛などの研究にも生かしていく予定。また膝痛などで動かなくなると筋膜の癒着による痛みが二次的に起きますが、この癒着をはがして痛みを取る「筋膜リリース治療」の開始に向け準備を進めているところです。ペインラボは「医療と社会のペインレス化」を目指し、取り組んでまいります。
右上から反時計回りに当山院長、大城医師、脱毛専門看護師である前原友樹さん、新垣江利さん、當山舞さん
当山 拓也 氏
当山美容形成外科 院長
東京医科大学卒業後、東京大学医学部形成外科学教室入局。東京警察病院、杏林大学形成外科等で研さんを積む。リッツ美容外科・東京院、東京西徳洲会病院形成外科・美容外科医長、アヴェニュー表参道クリニック副院長をへて、2016年4月に医療法人形成会当山美容形成外科副院長に。17年6月、同院院長に就任。
大城 宜哲 氏
ペインラボ 代表
新潟大学医学部卒、大阪大学大学院にて医学博士取得。米国留学後、姫路石川脳研所長・ペインクリニック部長、NPOゆいめど代表。2016年神戸大学医学部客員准教授に。2020年、株式会社ペインラボを設立。 大城 宜哲 氏
<この記事に関する問い合わせ先>
医療法人形成会 当山美容形成外科
098-867-2093
http://www.touyama.com
Eメール info@touyama.com
※次回は「糸を使ったたるみ治療のご案内」です。
<過去記事一覧>
『週刊ほ〜むぷらざ』 教えて!ドクター当山<229>
第1734号 2020年10月29日掲載