きっとあの辺りに|本村ひろみのコラム|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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COLUMN

本村ひろみ

2018年6月29日更新

きっとあの辺りに|本村ひろみのコラム

フリーパーソナリティーの本村ひろみさんが、暮らしを楽しむアンテナを巡らせて日々の沖縄・風景をレポートします。fun okinawaコラム「おきなわ 暮らし散歩 Vol.44」




おもいのほか日差しの強いお昼前の時間、初めての場所を歩いていた。
文京区の江戸川橋駅から川を渡って住宅街
携帯のマップを見たらこの川はあの神田川だ。
橋を渡るベビーカーの親子を眺めながらしばし暑さでボンヤリしていると信号が変わった。
さて、たぶんこの方向?
グーグルマップの道案内が、まるで羅針盤のように向きを変えるので、番地を確認しながら目的地まで歩く。
ひと汗かきながらたどりついた場所は
ギャラリー「WAITINGROOM」
川内理香子さんの『Tiger Tiger, burning bright』が開催されていた。
「食べる」という行為をテーマに創作する川内さんが
今回、社会人類学者レヴィ=ストロースの神話に影響を受けて制作した作品が並んでいる。
シャーベットのようなパステルトーンのドローイングと神話の融合
期待の若手作家の作品と向き合う時間に刺激を受け
来た甲斐(かい)があったとギャラリーを後にする。






お昼をだいぶ過ぎた時間
神楽坂に向かう途中に見つけた蕎麦屋にふらりと入った。
「今日は暑いですね、冷たい蕎麦にしますか?」そう言いながら
お茶を出す店の方の笑顔に気持ちがほどける。
私はいま旅の途中という実感。





那覇市真嘉比にあるビストロモンマルトル
ラジオの取材で伺った時に奥の個室に通された。
パリの学校で美術史を学んだオーナーマダムの穏やかな語らいに耳を傾けながら
壁に掛かった絵を眺める。
大好きな藤田嗣治の「猫と裸婦」(1920年 ルーブル美術館所蔵)
横の壁にはマルク・シャガールの「ヴァンスの空の少女」(1969年代)
反対側の壁には彼女のお父様が描いた白壁の建物の絵が飾られていた。
シャンデリアの明かりに浮かび上がる名画






まるでパリの街角にいる気分で食事を楽しむ
愛嬌(あいきょう)のいいギャルソンが丸みのある白い器を運んできた
ヴィシソワーズ。ヒンヤリと甘く柔らかい。

食後にアイスティーを頂きながら次の予定までこの空間で過ごそう。
鞄の中には先日東京から持ち帰った「銀座百点」が入っている。
旅の余韻
カフェや画廊のページをめくりながら頭の中に地図を描く。
きっとあの辺りにまだ知らない場所がありそうだ。
小さな楽しみがまた増える。





 

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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。

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