金城真知子
2021年4月13日更新
「清明祭の準備、休んでもいいですか?」 長男嫁がお義母に伝えてみたら…|金城真知子のコラム
3人の子育てワーキングママ金城真知子が綴る「ホッとする沖縄時間vol.69」を綴ります。
〜〜 コロナ禍:我が家のシーミー 〜〜
入学・進学、新しい出会い。4月は何かと心が弾む。
ちょうど季節的にも、淡〜い青色が広がる空。適度に雨も降ってくれるので、若葉がぐんぐん伸びるし、歩道沿いのカラフルな花々が軽やかな風に揺られているのを見ているだけでも、心がはずんでしまう。
そんな爽やかな時期にやってくるのが、沖縄の伝統行事が清明祭(シーミー)。
清明祭とは、大きなお墓の前で親族一同が集まり、みんなで重箱やごちそうを広げて食べる風習のこと。ただ、このご時世。皆さんはどのようにお過ごしですか?
私の夫の家では、清明入りしてすぐ、一族皆で集まって行う御清明(ウシーミー)は去年に引き続き中止が決まり、翌週に、兄弟までの近い親族で行うわが家のシーミーは、簡素化した形で行うことが決定。
具体的には、家の代表者1人がお墓に手を合わせに行き、お供えだけしてそこでは食べずに帰ってくること。実家では食事をせずにお供え物のごちそうやお菓子を分けて解散するという形に決まったのだ。
ちなみに、家の代表者というのは、仏壇を持っている長男のお義父さんと弟にあたる叔父さんたち。そして夫と弟という男性陣。
お墓参りは男性1人だけなので、例年参加するオバちゃんにいとこ、兄弟の子どもたちは誰も来ない、かなりシンプルなコロナ禍のシーミー。
だけど、、、長男家の家族として両親と一緒に暮らしていると、お義母さんから
「ま〜ち〜! 男性陣がお墓から帰ってきた後は、持ち帰り用のごちそうを分けてあげたり、お茶だしたりで忙しいハズだから、、、ほら、食事食べないって言っても、お茶も出さないで帰すなんて、、、なんだかねぇ〜」という話が出てくるんです。
やっぱり、家庭内での女性の位置は、お茶出し&ごちそうの仕分け要員なんだろうか。。。とちょっとだけむなしい気持ちが胸をよぎった。
〜〜 勇気を出して本音を伝えてみる 〜〜
シーミー当日の朝。
「ね〜お母さん、お茶出しや仕分けだけだったら、私、その時間はお手伝いしなくっても大丈夫ですか?」勇気を出して言ってみた。
お義母さんの瞳が、一瞬だけ大きく開く。
長男嫁がその場に居ないなんて、やっぱりタブーな言葉だったんだろうか。
しばし、気まずい空気が流れる。
お義母さんの表情を見てしまうと、嫁としてダメだなーという気持ちが湧いてきたのだが、やっぱり言い出したからには、勇気をもって手伝えない理由を伝えよう。
受けたいセミナーが重なってしまっていること、そして身内へのお茶出しなら、夫でも十分できるんじゃないかということ、前準備で手伝える事はもちろんしっかりやりますから! と、そう伝えた。
するとお義母さんも納得した表情で
「そうだね! 今回のはま〜ち〜じゃなくても、居る人たちだけでもできるねー。お勉強頑張ってね〜!」とにっこり。
冷たく止まった時間が、また動きだした。。。
正直、かなりホッとした。
〜〜 役割にしばられているのは自分自身 〜〜
その後、すぐ夫に私の事情とともにシーミーでやってほしい事を伝えてみると
「いいよ〜これくらいのこと、俺ができるし!」と即OK! 私が一人でモヤモヤ悩んで何日もなかなか言い出せなかったことが、アッサリと解決してしまった。
「長男の嫁として」やるべき役割や理想像を勝手に決めこんでしまっていたのは、私の小さな頭の中だけだったようだ。
また一つ「長男嫁」という重役がふっと軽くなった瞬間だった。
〜〜 ダメで元々の気持ちで 〜〜
最近、試しながらようやくできるようになってきたことが一つある。
それは、やってみたいことがあったら「なんて思われるかな?」「ダメって言われるかもしれないな〜」を前提にしながらも「まず言ってみる」ことである。
自分にとっては、大きなタブーを犯しているようで「きっとダメだろうな」という気持ちもあるが、言われた相手にとっては、大した事じゃない場合も多く、案外「サラッとかなっちゃう」ことも分かってきたのだ。
「母親として」の私、「嫁としての」私。
どれも大切な一部だけど「成長したい私」も「新しいことにチャレンジしてみたい私」も、同時に大切にしていきたい気持ち。
さまざまな役割の中で、お金や時間を自分のために使う事にちゅうちょしてしまう瞬間も否めないけれど、やっぱり大人になっても「やってみたい!」ことが湧き上がってきたら、ダメ元でいいから、言ってみるってすごくイイ。
そのおかげで、日曜の朝から自宅でオンラインフィットネスを始めたり、来週末は、子どもたちを抜きにして、友人と海遊びしながらSUP(スタンドアップパドル)をやる計画もできた。
どれも、口に出すことさえちゅうちょしてしまっていたことだけど「やってみていい?」って言ったら「いいよ〜」って、かなっちゃったことばかり!
そして「やりたいこと」をさせてもらった後は、いつも以上に優しい気持ちになれるし、今度は相手の「やりたい事」に全力でOKしたい気持ちになれるから、好循環ばかりである。
「いくつになっても『ずっとやりたかったこと』をやりなさい」
ジュリア・キャメロンのロングセラー本に背中を押してもらいながら、
淡い4月の空を見上げて「ダメ元でいいから、これも言ってみよ〜」と、ひとりつぶやいてみるのだった。
金城真知子さんのコラム[カテゴリー:子育て 大人女子を応援]
入学・進学、新しい出会い。4月は何かと心が弾む。
ちょうど季節的にも、淡〜い青色が広がる空。適度に雨も降ってくれるので、若葉がぐんぐん伸びるし、歩道沿いのカラフルな花々が軽やかな風に揺られているのを見ているだけでも、心がはずんでしまう。
そんな爽やかな時期にやってくるのが、沖縄の伝統行事が清明祭(シーミー)。
清明祭とは、大きなお墓の前で親族一同が集まり、みんなで重箱やごちそうを広げて食べる風習のこと。ただ、このご時世。皆さんはどのようにお過ごしですか?
私の夫の家では、清明入りしてすぐ、一族皆で集まって行う御清明(ウシーミー)は去年に引き続き中止が決まり、翌週に、兄弟までの近い親族で行うわが家のシーミーは、簡素化した形で行うことが決定。
具体的には、家の代表者1人がお墓に手を合わせに行き、お供えだけしてそこでは食べずに帰ってくること。実家では食事をせずにお供え物のごちそうやお菓子を分けて解散するという形に決まったのだ。
ちなみに、家の代表者というのは、仏壇を持っている長男のお義父さんと弟にあたる叔父さんたち。そして夫と弟という男性陣。
お墓参りは男性1人だけなので、例年参加するオバちゃんにいとこ、兄弟の子どもたちは誰も来ない、かなりシンプルなコロナ禍のシーミー。
だけど、、、長男家の家族として両親と一緒に暮らしていると、お義母さんから
「ま〜ち〜! 男性陣がお墓から帰ってきた後は、持ち帰り用のごちそうを分けてあげたり、お茶だしたりで忙しいハズだから、、、ほら、食事食べないって言っても、お茶も出さないで帰すなんて、、、なんだかねぇ〜」という話が出てくるんです。
やっぱり、家庭内での女性の位置は、お茶出し&ごちそうの仕分け要員なんだろうか。。。とちょっとだけむなしい気持ちが胸をよぎった。
〜〜 勇気を出して本音を伝えてみる 〜〜
シーミー当日の朝。
「ね〜お母さん、お茶出しや仕分けだけだったら、私、その時間はお手伝いしなくっても大丈夫ですか?」勇気を出して言ってみた。
お義母さんの瞳が、一瞬だけ大きく開く。
長男嫁がその場に居ないなんて、やっぱりタブーな言葉だったんだろうか。
しばし、気まずい空気が流れる。
お義母さんの表情を見てしまうと、嫁としてダメだなーという気持ちが湧いてきたのだが、やっぱり言い出したからには、勇気をもって手伝えない理由を伝えよう。
受けたいセミナーが重なってしまっていること、そして身内へのお茶出しなら、夫でも十分できるんじゃないかということ、前準備で手伝える事はもちろんしっかりやりますから! と、そう伝えた。
するとお義母さんも納得した表情で
「そうだね! 今回のはま〜ち〜じゃなくても、居る人たちだけでもできるねー。お勉強頑張ってね〜!」とにっこり。
冷たく止まった時間が、また動きだした。。。
正直、かなりホッとした。
〜〜 役割にしばられているのは自分自身 〜〜
その後、すぐ夫に私の事情とともにシーミーでやってほしい事を伝えてみると
「いいよ〜これくらいのこと、俺ができるし!」と即OK! 私が一人でモヤモヤ悩んで何日もなかなか言い出せなかったことが、アッサリと解決してしまった。
「長男の嫁として」やるべき役割や理想像を勝手に決めこんでしまっていたのは、私の小さな頭の中だけだったようだ。
また一つ「長男嫁」という重役がふっと軽くなった瞬間だった。
〜〜 ダメで元々の気持ちで 〜〜
最近、試しながらようやくできるようになってきたことが一つある。
それは、やってみたいことがあったら「なんて思われるかな?」「ダメって言われるかもしれないな〜」を前提にしながらも「まず言ってみる」ことである。
自分にとっては、大きなタブーを犯しているようで「きっとダメだろうな」という気持ちもあるが、言われた相手にとっては、大した事じゃない場合も多く、案外「サラッとかなっちゃう」ことも分かってきたのだ。
「母親として」の私、「嫁としての」私。
どれも大切な一部だけど「成長したい私」も「新しいことにチャレンジしてみたい私」も、同時に大切にしていきたい気持ち。
さまざまな役割の中で、お金や時間を自分のために使う事にちゅうちょしてしまう瞬間も否めないけれど、やっぱり大人になっても「やってみたい!」ことが湧き上がってきたら、ダメ元でいいから、言ってみるってすごくイイ。
そのおかげで、日曜の朝から自宅でオンラインフィットネスを始めたり、来週末は、子どもたちを抜きにして、友人と海遊びしながらSUP(スタンドアップパドル)をやる計画もできた。
どれも、口に出すことさえちゅうちょしてしまっていたことだけど「やってみていい?」って言ったら「いいよ〜」って、かなっちゃったことばかり!
そして「やりたいこと」をさせてもらった後は、いつも以上に優しい気持ちになれるし、今度は相手の「やりたい事」に全力でOKしたい気持ちになれるから、好循環ばかりである。
「いくつになっても『ずっとやりたかったこと』をやりなさい」
ジュリア・キャメロンのロングセラー本に背中を押してもらいながら、
淡い4月の空を見上げて「ダメ元でいいから、これも言ってみよ〜」と、ひとりつぶやいてみるのだった。
金城真知子さんのコラム[カテゴリー:子育て 大人女子を応援]
この記事のキュレーター
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フリーパーソナリティー
沖縄県南城市出身。琉球大学卒業。
ラジオパーソナリティー・ウェディング司会者・スマイルトレーナー®
FM沖縄『ちゅら玉・浪漫紀行』ではライター兼ナレーターを担当。
沖縄の自然や習慣・格言などを題材にウチナーグチを交えて紹介。
本コラムでは、沖縄で暮らす3児のワーキングママとして、家族の日常を綴っていく。