【沖縄の年中行事・十五夜】2026年は9月25日 ほのかに月桃香る餅「フチャギ」を供え、豊作に感謝|ごちそうレシピ

読了時間 約3分

旧暦の8月15日(2026年は9月25日)は十五夜です。農作物の収穫を終えた後の満月にあたり、農作への感謝と次の年の豊作を祈る大切な日でした。その際に供えられた餅「フチャギ」を紹介します。(監修/松本嘉代子 松本料理学院 学院長・琉球料理伝承人宗匠)


※当記事は「沖縄の行事と食」(松本嘉代子著、タイムス住宅新聞社刊)、週刊ほ〜むぷらざ・第1729号(2020年9月24日発行)掲載の「作ってみよう行事料理」を引用して加筆し、再構成したものです。

松本先生が解説 「十五夜の月御願」とは

沖縄の年中行事の多くが農耕に関係していますが、旧暦8月の十五夜は大切な日でした。収穫を終えた後の満月にあたり、豊作への感謝と次の農耕への期待を込めた祈りをささげてきたのです。「十五夜の月御願(ジューグヤヌツィツィウガン)」とも言われます。

旧暦8月15日の晩には、各地域で豊年祭が行われ、村芝居や獅子舞、歌などが披露されました。昔と今では異なることも多くなりましたが、行事の内容や意義について子や孫へ話しておくのは大切なことだと思います。多くの行事が途切れがちになっている背景には、伝えることが十分でないこともあるのではないでしょうか。特に、味の記憶は残ります。手作りした行事料理は、何年たっても忘れることはできません。

フチャギ(吹上餅)は餅粉と水を練って蒸し、ゆでたあずきをまぶす素朴な一品です。餅の部分は月を、小豆の部分は星を表しているとも言われています。調理のポイントは水の量を守ることと餅が温かいうちに小豆をまぶすこと。時間がなくて始めから作るのが難しいときは、買ってきた白餅を熱湯に入れて温め、缶入りやパック入りのゆでた小豆をまぶしてもいいですよ。伝統を途絶えさせないためには、行事を継続することが大事だと思います。

フチャギを盛り付ける際は、皿に餅がくっつかないように、ユウナや月桃(サンニン)の葉が用いられてきました。これらの葉は殺菌作用も高いため、保存にも適していました。また、葉の強い香りには魔よけの役割もあったと考えられています。以前はフチャギには、ササゲという小豆に似た豆の一種が使われていました。つやがなくて煮崩れしにくく、赤飯やおこわにも用いられてきました。

フチャギ 調理目安時間:25分(小豆の準備時間を除く)

神様などに供え物を載せる台である三方に置き、写真のように少し山盛りにして盛りつけます

材料(5人分)

餅粉…300グラム
水…1と1/4カップ
小豆…1カップ

作り方

1 小豆は洗ってたっぷりの水に3~5時間漬け、火にかけて煮立ったらゆで汁をこぼす。新たにかぶるくらいの水を加えて40~50分くらい崩れない程度に煮て、ザルに取る。

2 ボウルに餅粉を入れて、分量の水を少しずつ入れて=写真、

2の続き 手で十分に練り、耳たぶくらいの硬さにする=写真。

3 よく練った餅粉を15等分(目安は1個50グラム)して楕円(だえん)形のもちを作る。

4 蒸気の上がった蒸し器に布巾を敷いて餅を並べ入れ=写真、強火で15分蒸す。

5 蒸し上がった餅が温かいうちに、1の小豆をまんべんなくまぶす=写真。

おやつにぴったりな、おすすめレシピ

監修者プロフィル

まつもと・かよこ/松本料理学院 学院長・琉球料理伝承人宗匠

↓画像をクリックすると、「松本料理学院」のホームページに移動します


毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」ごちそうレシピ
第2040号(2026年9月17日発行)より転載