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乳がんの治療をはじめ医療費が高額になった際に利用できる「高額療養費制度」が、2026年8月に見直された。全国健康保険協会(協会けんぽ)の望月弘也さんと牧宣昭さんに、同会の加入者について、見直しのポイントを聞いた。(編集部/徳正美)
教えてくれたのは

全国健康保険協会(協会けんぽ)の望月弘也さんと牧宣昭さん
Q 高額療養費制度って?
A 全国健康保険協会の加入者については、所得区分によって1カ月に払う医療費の上限が定められていて、申請すればそれを上回った分が後日返還される制度です=図1。大きく三つの特徴があります。

①月単位での計算…医療費の計算は月(月の1日から末日まで)単位で行われます。治療や入院が月をまたいだ場合、それぞれの月で自己負担限度額まで支払う必要があります。
②自己負担限度額は所得によって違う…自己負担の上限額は、被保険者の所得区分に応じて異なります=図2。70歳以上の場合は、上限額が変わります。

③払い戻しには申請が必要…基本的に、医療機関の窓口で1度自己負担分(医療費の3割)を支払い、後日申請することで上限額を超えた分が払い戻されます。払い戻しには、診療月から早くても4カ月程度がかかります。
ただし事前に「限度額適用認定証」を申請し、医療機関の窓口に提示すると、支払いを自己負担限度額まで抑えられます。マイナ保険証を利用登録している場合、マイナ保険証で限度額の区分が確認できるため、限度額適用認定証がなくても窓口での支払いは限度額までになります。
Q 見直しのポイントは?
A 今回の見直しは、長期療養者や低所得者の経済的負担のあり方に配慮しつつ、制度を将来にわたって維持するのが目的です。ポイントは①月ごとの自己負担限度額が上がり、②年単位(8月~翌年7月)の上限額(年間上限)が新設されたことです=図2。
高額療養費には、長期にわたって高額な治療が必要な場合、自己負担額がさらに引き下げられる「多数回該当」※という仕組みがあります。これは、同一世帯で直近12カ月以内に3回以上高額療養費の支給を受けている場合、4回目以降は自己負担限度額が低くなるものです。
※全国健康保険協会の加入者以外は、健康保険を運営している保険者へ問い合わせを。
今回の見直しで、これまで多数回該当に該当しなかった方や、見直しによって多数回該当の対象から外れる方、毎月高額療養費を利用している方、極めて高額な医療を受けた方でも、医療費の負担が軽くなる場合があります。例えば図3のように、標準報酬月額が28万~50万円の方が一つの医療機関で継続して治療中の場合、月ごとでは高額療養費に該当しなくても、年間上限に該当するため年約23.7万円の負担減になります。

Q 知っておいた方がいいことは?
A 自分の上限額がいくらかを知っておくと、いざという時の医療費の備えにつながります。所得区分を勤務先の担当者に確認しておくといいでしょう。
またマイナンバーカードを取得済みの方は、マイナアプリとけんぽアプリ(またはウェブサイト)を利用して、ことし1月からオンラインで高額療養費の申請ができるようになりました。記入もれなどのミスが防げ、郵送にかかっていた手間や費用も不要で、手軽に申請が可能です。
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毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」特集・10月1日はピンクリボンデー
第2042号(2026年10月1日発行)から転載
