日本そばの手打ちに夢中|人生ブラボー!

手打ちそばの同好会「やんばる手打ちそば倶楽部」(沖縄県名護市)で練習に励む運天美穂子さん(66)。そば打ちを通じて会員や地域との交流が広がっている。

そば道3段目指して特訓中/運天美穂子さん(大宜味村)

打ったそばを手にする運天美穂子さん。そば粉は北海道から仕入れている。「月1回の定例会以外にも、自分の好きな日に練習できるのがうれしい。拠点であるそば道場は広々としていて、会員同士の交流の場としてもぴったりの場所です」と話す運天さん=やんばる手打ちそば道場(名護市)

全麺協(東京)はそば打ちを通した地域貢献を担う人材育成を目的に、初段から8段までの「そば道段位」を制定していて、やんばる手打ちそば倶楽部の会員は段位取得を目標に練習に励んでいる。運天美穂子さんがそば打ちを始めたのは、2023年に地元の公民館で開催された段位認定試験を見学したのがきっかけ。会場で知人から「名護にそば打ちができる場所があるよ」と教えてもらい、同倶楽部に入会した。運天さんは「沖縄で本格的なそば打ちができることに興味をひかれました」と振り返る。

運天さんは2024年に初段を取得し、現在は2段の腕前だ。「最初のうちはそば打ちの工程を追うだけで精いっぱいでしたが、今は各工程でどう動けばより上手に打てるか自分で考えたり、熟練者の実演を見て研究したりするようになりました」

同倶楽部には、定期的に県外から全麺協の高段者がボランティアで指導に来ている。初心者と熟練者では、出来上がるそばの味わいがまったく違うところが奥深いという運天さん。「熟練者が打つそばは麺の厚みや幅が均一で喉越しが良く、自分もそんなふうにおいしいそばを安定して打てるようになりたい」と、近々大阪で行われる3段の試験に向けて特訓中だ。運天さんは段位取得を目標に練習することが上達の近道と考えている。「試験では制限時間内に規定量のそばを手際よく打つことが求められ、審査員によって技術を客観的に評価されるので、それを念頭に置くと練習にも身が入ります」。アルバイトが休みの日に週1、2回ほど練習しているが、それが生活の張りになっているという。

手打ちそばで地域交流

同倶楽部の会員は40人ほどで年齢や職業もさまざま。そば打ちを通じたコミュニティーとしても魅力的だという。「打ったそばを食べながらゆんたくをして、各人の人生経験に触れたり、情報交換をしたりできる得がたい場になっています」。会員同士で外食したり、みかん狩りを楽しんだりと、そば打ち以外での交流にもつながっている。

名護市の「やんばる手打ちそば道場」を拠点に活動している、やんばる手打ちそば倶楽部の皆さん

同倶楽部では、地域交流のツールとしてもそば打ちを活用している。県内の学生や青年会議所などの団体へのそば打ち体験や、「名護まつり」のスタッフへのそばの提供といったボランティア活動を通じて、「日本そば」の魅力を発信している。今月から地域の人たちにそばの販売も始めた=下記参照。

「私は英語が得意なので、沖縄を訪れた海外の方にもそば打ち体験をしてもらい、日本のそば文化を知ってもらいたいと考えています」

月1回、手打ちそばを販売

やんばる手打ちそば倶楽部では地域交流の一環として、毎月第2水曜日の午前11時半からやんばる手打ちそば道場(名護市)で、日本そばを販売する試みを今月からスタートした(1食800円・40食限定)=写真。「会員には書道が得意であったり、カフェを営んでいたりする人もいるので、そばを提供するだけでなく会員それぞれの特技を生かした、交流の場にしていこうと思っています」と運天さん。


取材/池原拓
毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」人生ブラボー!(20)
第2032号(2026年7月23日発行)より転載