沖縄の相続は不動産が7割|これから始める終活ノート

「相続に関して、何から始めたらいい?」と迷う人は多いのでは。FPの山川宗潤さんは「沖縄は相続財産の7割が不動産で分けにくく、トラブルになることも」と指摘する。必要な備えを聞いた。

財産・負債を見える化

山川さんは、「相続の相談の多くは、不動産に関連する」と指摘する。相続に占める不動産の割合は、全国平均は半分程度だが、沖縄では約7割を占めている=図②③。不動産は預金と違って物理的に細分化しにくいため、「どう平等に分けるか」という相談が多いという。

一方で「相続対策が必要」と身構える人が多いものの、実際に沖縄で相続税の申告が必要な人は約8%で、約9割の人はかからないのが現状だ=図①。

【相続税の基礎控除額】=3000万円 +(600万円×法定相続人の数)※遺産総額がこの額以下なら、相続税はかからない。

トラブル防ぐ3ステップ

トラブルを防ぐには、どんな準備が必要なのだろうか。

「トラブルの多くは『何がどこにあるか分からない』ことから始まります。まずは、不動産や預貯金などの『財産』と、借り入れやクレジットなどの『負債』を把握して、家族と情報を共有することが大事です」と山川さん。

例えば、所有している不動産は、毎年4月ごろに郵送される「固定資産税の明細書」で確認ができる。それ以外に注意したいのが、ネット銀行やネット証券といったデジタル資産だ。紙の通帳がないため、口座の存在が埋もれてしまうリスクがある。きちんと記録を残しておこう。

また、忘れてはいけないのがスマホのパスワードだ。「現代はスマホの中に資産情報が集約されていますが、セキュリティーが強化されていて、家族であってもスマホを開くことは難しいです。万が一の時に備え、スマホのロック解除のパスワードを家族に分かる形で残しておきましょう」。

次に、親子・きょうだいで「話し合い」の場を持てるといい。「お子さん側から相続の相談を受けることが多いのですが、親へ終活やお金の話しをしづらいこともあると思います。手始めに『おじいちゃんの場合はどうだった?』と聞いたり、家系図を一緒に書いてみたりしてもいいでしょう。あまり構えず、おしゃべりをしながら、お互いの意思を確認できるといいですね」

「親がどうしたいか」「子どもはどう考えているのか」を互いに確認しておくことは、将来のトラブル防止につながる。

③「遺言書」を残す

親の意向を明確にし、家族間の争いを防ぐ最も有効な手段となるのが、「遺言書」だ。しかし、その書き方には注意が必要だという。遺言書の形式は民法で厳格にルールが定められている。

例えば「自宅を長男に相続させる」という意思が読み取れても、日付や署名捺印などの形式が正しくなければ、法的に無効になるケースがある。山川さんは「遺言書は専門家へ作成を依頼するか、作成後にチェックしてもらって」とアドバイスした。

教えてくれた人

やまかわ・そうじゅん。アクロネット税理士法人。ファイナンシャルプランナー、相談診断士


取材/栄野川里奈子
毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」これから始める終活ノート②
第2028号(2026年06月25日発行)から転載