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2020年7月9日更新

[彩職賢美リターンズ]株式会社琉球うりずん物産 取締役副社長の謝花恵子さん|伝統食品の新しい食べ方を提案

彩職賢美に出た人が再登場する「彩職賢美リターンズ」。今回は、はつらつとした笑顔が印象的な、株式会社琉球うりずん物産 取締役副社長の謝花恵子さん。「結婚を機に食品メーカーの副社長になり、人生が一変!」と笑う。伝統的な食品の「豆腐よう」や「じーまーみ豆腐」が長く愛されるようにと、今の時代に合った食べ方を提案している。

株式会社 琉球うりずん物産 取締役副社長
謝花 恵子 
さん

50代で異業種に挑戦 歴史文化に触れる場作り

沖縄の伝統的な総菜「豆腐よう」と「じーまーみ豆腐」を製造・販売する老舗食品メーカーの副社長になったのは4年前。社長である夫と結婚したことがきっかけでした。

それまでの私は30年以上広告業界で勤務。未経験の世界に飛び込むことはとても不安でしたが、自分の殻を破りたいという思いで覚悟を決めました。これほど大変だとは想定外です(笑)。夫とは意見が食い違うこともあり衝突の日々ですが、このような経験をさせてもらえて感謝しています。

今のやりがいは、お客さまとの交流。特に、「豆腐ようが苦手」というお客さまが、わが社の商品を食べて「おいしい!」と言ってくれるのがとてもうれしいです。


広告業界を経て起業 仕事の厳しさも経験

広告代理店でコピーライターとして働き始めたのは男女雇用機会均等法が施行されて間もない頃で、女性の社会進出は「これから」というとき。テレビやラジオのCMを担当したり、県内企業の販売促進企画や新規事業の立ち上げに関わるなど、豊富な経験をさせてもらいました。当時はとにかくがむしゃらに働くことしかできなかった。今の働く女性ははつらつと社会で活躍しており、頼もしく感じます。年齢を重ねるごとに、若い世代を見習うことが多くなりました。

彩職賢美で取り上げてもらったのはリゾートホテルの「リザンシーパーク谷茶ベイ」で広報や広告企画を担当する部署で勤務していた頃。「新聞で紹介されたのだから、きちんとした社会人でなければ」と思い、一つ一つの仕事により丁寧に向き合うようになりました。

50代でフリーのプランニングコーディネーターとして起業しましたが、仕事が全くない期間を経験。「個人で仕事をすることの厳しさ」を学びました。

その上、長期間体調を崩したことで「このまま一人で老後を過ごすのかな」と不安に。そんな時、外部スタッフとしてわが社の商品の新パッケージの制作に携わりました。夫と試行錯誤を繰り返して完成したのが今の豆腐ようのパッケージ。今思えば、二人の初めての共同作業で、わが子のような存在です。

歴史や伝統を守り、時代に合わせた提案も

夫と出会い、4カ月後に入籍。私の生活は一変! 「県内でいち早く豆腐ようとじーまーみ豆腐の製造・販売を始めたわが社だからこそ伝えられる歴史や食文化がある。多くの人に伝えたい」という思いが芽生えました。

お客さまに「発酵食品の豆腐ようです」とだけ紹介するよりも、「中国大陸から伝えられた食品がルーツで、沖縄の気候風土を考慮し、先人たちの知恵と工夫を重ねて今の豆腐ようになりました」と伝える方が、より深く知ってもらえるはず。

長く愛される食品であるためには時代に合わせたPRの方法や、新しい食べ方を提案することも必要と考え、新商品の開発や新事業企画にも取り組んでいます。新しいやり方が不安だという社員もいましたが、そのたびに「どうやったら理想を実現できるか」と考え続けてきました。

また、接客時には新しい食べ方を積極的に提案しています。豆腐ようはソースにしてパスタにあえたり、じーまーみ豆腐はバジルソースや粗塩をかけて食べるのもおすすめ。豆腐ようとじーまーみ豆腐の良さを知ってもらうのが今の私の役割だと思っています。


経営者目線に変化 「新しい何か」を生み出す

副社長になり、「経営者の目線」で物事を考えるようになったことは私の中で大きな変化です。以前は「パッケージは陳列時の見栄えが重要」と考えていましたが、「作業コストや輸送費を抑えられる形はあるか」と考えるようになりました。

経営者は一つの判断を下すために利益や商品の製造工程、社員の業務量など多方面から考えることが必要です。今、ようやく「広告を依頼する側の気持ち」が分かります。

今年オープンしたアンテナショップは、わが社の商品以外の県産品も販売しており、人と人が交流でき、歴史や文化に触れられる場にしたいと思っています。そしていつか、琉球かすりの着物を着て首里織の帯を締めて接客するのが夢。

今後は、分野や年齢も超えて、これまでと違う方向を向き、「新しい何か」を生み出すことにも挑戦したいです。   



夫と二人三脚で


謝花さん提供

大阪市で開催されたイベントに出店した際の写真。社長であり夫の久高直也さん=写真右=は謝花さんのことを「時代の先を見ることができて、行動力がある人。商品の新しい見せ方などを提案してくれる」と紹介。公私ともに最高のパートナーのようだ。


趣味は生け花


謝花さん提供

「どんなに疲れていても仕事後は40分掃除をします。生徒さんがくつろげる空間にするために、キレイにするのはおもてなしでもあると思っています」とAkaneさん。特に出入り口である玄関=写真=は念入りに掃除をする。


プロフィル
じゃはな・けいこ
1961年、那覇市首里出身。琉球大学短期大学部卒業後、広告業界へ。複数の広告代理店で勤務し、テレビやラジオCMのほか、県内企業の販売促進企画や官公庁の事業など幅広く携わる。34歳で県内のリゾートホテルに転職。フリーランスを経て、2016年から現職。


初登場の紙面(1997年10月15日号掲載)


撮影/比嘉秀明 文/比嘉知可乃
『週刊ほ〜むぷらざ』彩職賢美リターンズ<8>
第1718号 2020年7月9日掲載

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