[彩職賢美]海産物料理「海魚」おかみ 野甫節子さん|伊平屋島からおもてなし|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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2017年2月23日更新

[彩職賢美]海産物料理「海魚」おかみ 野甫節子さん|伊平屋島からおもてなし

伊平屋島で海産物料理「海魚」を夫とともに切り盛りする野甫節子さん(52)は、料理が生きがい。島を訪れる人から「ごはん食べに来たよ」といわれるとやりがいを感じるという。店は1989年オープン。従業員に県外出身のダイビングが好きな若者を雇い、中には島の人と結婚した人もいる。みな、離島のきれいな海のとりこだ。


 

海産物料理が生きがい

海産物料理「海魚」おかみ
野甫 節子さん


「海のものが不足したことはない」。夫で店のマスターの武志さんが漁師で、魚やイカ、タコ、貝などをとってくるので、たとえ台風が来ようとも、フェリーが欠航しようとも、食材がないからと来店を断ることはしない。「急な予約が50人入っても大丈夫。この点は周囲の人も感心しますよ」。冷凍庫には常にストックがある。離島ゆえの生活の知恵なのだろう。

仕入れも自分でやる。漁港を回って目当ての漁獲物を手に入れることは日常だ。朝6時に店に出勤すると、漁から帰った島の漁師や青年らがクーラーボックスを並べて待っていることも。自分たちでとったエビや島魚も調理して店のお客の前に並ぶ。

足かけ28年。料理以外の仕事はしたことがない。父を早くに亡くし、母と女の子ばかりの6人家族。楽な暮らしではなかった。小学5年生まで自宅は五右衛門風呂だった。母の記憶では、姉妹の中で一番料理が苦手だった。それなのに今、料理に携わっているのは野甫さんだけだ。

武志さんがダイビングショップのオーナーだったこともあり、全国から青い海を求めてダイバーがやってくる。テレビでお茶の間に人気の「さかなクン」もその一人。武志さんの下でライセンスを取った。魚を模した帽子をかぶり、「ギョギョッ」と驚く姿が人気を得る以前のことだ。

大阪教育大学付属高校の生徒たちとの出会いもダイビングだ。毎年夏になると伊平屋村を訪れる。先生の一人が家族連れでダイビングに訪れ、島のスローフードな生活に魅せられ、生徒たちにも体験させたいと始まった。島での体験学習は大人気。派遣メンバー34人(男女各17人)の競争率は高く、毎回学校内で、抽選で決めるほどだという。

「海魚」の従業員にとっても、余暇にダイビングが自由にできる環境はこの世の楽園だ。島の男性と結婚した人が数人いるというのも、うなずける。「大阪や兵庫、栃木、千葉などから嫁いだ方は、子どもが数人いますよ」。野甫さん夫婦はさながらキューピッド。「日本全国に知り合いがいっぱいいる。子どもがあちこちにいる感じです」とにっこり。

昨年11月にあった「離島フェア2016」では、なじみのお客が大勢訪れた。野甫さんの底抜けに明るい笑顔は弾けっ放しだった。

「誰が来ても笑って接客」がモットー。店のメニューは毎日午前10時半以降に、フェイスブックに載せる。島のスーパーに出す弁当も人気だ。今、ホームページを制作中、間もなくオープンする。

伊平屋の素材を使った特産品開発にも興味があり、「ヨウカンもずくゼリー」「イカ墨アンダギー」「スミのロールケーキ」など手掛けている。モズクをベースに、パパイアやシークヮーサーを重ねたようかんの試作品づくりは休みや厨房の空く夜中にやることも。

そんな野甫さんも「働くのは60歳まで」と決めている。それまで、お客の「ごちそうさま」を励みに「いへやじゅーてぃ(伊平屋所帯)」のおもてなしの心で、来島者を心ゆくまで満足させる。





過去11回体験学習に訪れた大阪の高校生

大阪教育大学付属高校の生徒たちは毎年夏に4泊5日の日程で野甫さんのところにやってくる。
事前に計画を立てないユニークな体験学習で、11回を数える。生徒たちは釣りをしたり料理を習ったり、シークヮーサー狩りでジュースを作ったりする。
自転車が1人1台与えられ、生徒たちは思い思いに島を駆け巡る。
(写真は4枚とも野甫さん提供)




島の豊年祭などで舞いを披露

浦添市のてだこホールで「カナヨー天川」を舞う野甫さん(左)。琉球舞踊は島の豊年祭で披露することもある。仕事が終わって夜の8時過ぎからけいこに出向くのも、楽しい時間だ。


大物を手にするさかなクン(右)と武志さん




大物もお手の物

厨房に立つ野甫さん。1メートルのウツボも30キロのマグロも自分でさばく。すしも握るし、たまにホールで客とユンタクもする。


 

野甫さんのハッピーの種

Q.幸せを感じる時間は?
3人の孫と遊んでいるときがとても楽しい。次女の子どもたちで、5歳、3歳、1歳半です。娘が、バレーボールをしに出かけたりするときに預かってます。お泊まりすることもありますよ。誕生日やクリスマスには、孫が好きそうなものは何でもつくってあげます。時々、「じいじとばあば、どっちが好き?」と聞くときがあります。夫も聞いているようです。孫は「どっちも好き」と答えます。賢いですよ。



PROFILE
野甫節子(のほ・せつこ)1964年伊是名村出身。5人姉妹の四女。伊是名中学校、豊見城高校を経て、県外の調理師専門学校卒業。中学校時代に始めたソフトテニスは、高校時代に九州まで行ったり、全国大会出場の経験も。琉球舞踊はソフトテニスの次に好き。島の豊年祭で舞うことも。夢は島発ちを迎えた三女と、足腰が強いうちに「カナーヨー天川」を踊ること。子ども5人、孫6人。



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撮影/比嘉秀明・編集/上間昭一
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1244>
第1545号 2017年2月23日掲載

この記事のキュレーター

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上間昭一

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編集者

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