農薬未使用・自然栽培での農業を実践|岸本ファーム 代表の岸本洋子さん|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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彩職賢美|沖縄の輝く女性にインタビュー

わたしらしく

彩職賢美

2016年2月18日更新

農薬未使用・自然栽培での農業を実践|岸本ファーム 代表の岸本洋子さん

今週の彩職賢美は、自然栽培での農業を実践する岸本ファーム 代表の岸本洋子さん
才色兼備『沖縄で働く女性は、強く、美しい』

二人三脚の農業 ハーブ普及に力

バジルなど西洋ハーブやハンダマといった沖縄在来の島野菜など農薬を使わずに栽培、県内外に出荷する岸本ファーム代表の岸本洋子さん(68)。農業の道に入り20年余、自然栽培にこだわり、安心安全な食べ物の提供を続ける。生産だけでなく、飲食店などと連携し商品やメニューの開発なども手掛け、ハーブの持つ可能性を広げる活動も積極的に続ける。

岸本ファーム代表の岸本洋子さん

岸本ファーム 代表
岸本 洋子さん
 

安全で体にいい野菜作りを

きっかけは夫・利憲さん(71)が「安全性が高く、体にいい野菜が作りたい」と農薬を使わずに自然栽培で農業をするため一念発起したことだった。農薬が人体に及ぼす影響を危惧していた岸本さんは夫の考えに賛同。1991年、二人はハーブを中心に島野菜などの栽培を始めた。

当初は栽培方法から病害虫対策、流通、販売までまったくの手探り。農業の難しさを痛感しながら実践、検証を繰り返し、自分たちならではのやり方を確立していった。

当時、県内ではほとんどハーブの栽培が行われていなかったが、冬場温暖な沖縄はハーブ作りにむいていた。夫妻が生産したハーブは作り手の顔が見え、味も香りも良く、好評。県外を中心に取引先も増えた。

そんな矢先、利憲さんが病に倒れ、介護が必要に。子育て中ということもあり、農業を続けるべきか悩んだが、体が不自由になっても農業への情熱を失わない夫を前に思いを継ぐことに決めた。「私が農業を続けることで夫が元気になるかもと思った。彼を生かすためにも畑に立ち続けた」とはにかむ。

夫にアドバイスを受けながら夫婦二人三脚で農業を続けた。すると岸本さんのハーブのうわさを聞きつけた県内のレストランなどとの取引も増え始めた。「ここのハーブじゃないとだめ、といわれるような農家になりたい」と意気込む。

順風満帆とはいかなかった。2011年台風2号で農作物とビニールハウスに大きな被害が出た。辞めることも考えたがハーブや野菜を待つ顧客や飲食店などの取引先、そして家族の存在が引きとめた。

那覇市で飲食店を営む上江田崇さんら取引先の仲間たちは、流通できないがかろうじて残ったハーブで料理を作り、フェアを展開。売り上げを義援金にするなど支援。「畑の片付けや作付けにも積極的に関わってくれた」と目を潤ませる。「多くの人に支えられて今があることに本当に感謝。初心を忘れそうになったとき苦しかった当時を思い出す。苦しい時ほど頑張らなくちゃって」

現在は栽培・出荷に加え、県内でのハーブの普及にも尽力する。「ハーブには多くの種類があるが、それぞれ効能があり、体にもいい。もっと県内の人に知ってほしい」と話す。

特に注目するのは沖縄在来の島野菜だ。夏場の厳しい日差しや吹き抜ける潮風に鍛えられた野菜の栄養価は高い。飲食店などに向け、夏場旬を迎えるツルムラサキなど島野菜を使ったメニューを提案。さらにさまざまな用途で使いやすい特徴を生かし、飲食店などと連携してハーブを使った加工品の開発にも取り組む。「ハーブも商品も次も買いたいと思ってもらえるようにどこにだしても恥ずかしくない最高のものに仕上げる」と妥協は許さない厳しさも。ただし「やるなら楽しくやりたい」とにっこり。

2月。岸本さんの畑にはハーブや島野菜が青々と葉を茂らせている。いつも笑顔で農業と、人と向き合う岸本さん。その源には生命力あふれる植物の存在があるのだろう。




スタッフの末次咲希さん(右)とハーブを収穫をする岸本さん。「私自身も末次さんから多くのことを学んでいる。自らの経験などを伝え、一人前の農業人に育てたい」と話す


 

岸本さんのハッピーの種

Q.好きな島野菜は?
ハンダマです。ご飯に混ぜたり、ゼリーを作ったり、サラダに入れたりと手軽にいろいろな料理に使えます。ポリフェノールもたっぷりで体にも良い。彩りもきれいだし、使い勝手の良い食材。
島野菜ではないけど、バジルも好きです。最初に栽培を始めたこともありますが、本当に使い方のバリエーションが豊富なハーブの王様。
特にペーストにすることで和洋中、沖縄料理にも何にでも使えます。

Q.お休みの日の過ごし方は?
夫の介護をしたり、話をしたり、夫と一緒に過ごします。こうした時間はコミュニケーションを取ることだけでなく、彼のリハビリにもなるのでとても大切です。
また、ハーブを使ったレシピの開発にも挑戦しています。今注目しているのはハーブビネガー。サラダのドレッシングに加えたり、料理の調味料にしたり、使い方も多彩です。
またハーブと麦茶、緑茶を組み合わせたり、いろんなことをちょこちょこっとしています。


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PROFILE
岸本洋子(きしもと・ようこ)1947年、名護市出身。琉球大学卒業後、琉球政府に採用され、農業関連の業務に携わる。退職後は子育ての傍ら、塾講師などをし91年、夫とともに農業を始めた。93年、岸本ファームを立ち上げる。現在では生産や商品開発、産業祭りなどのイベントにも参加。自らの畑でも植え付けの体験なども実施。ハーブの普及に取り組む。



週刊ほーむぷらざ「彩職賢美」|輝く女性を応援!
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撮影/比嘉秀明・編集/相馬直子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1205>・第1492号 2016年2月18日掲載

彩職賢美

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相馬直子

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編集者
横浜市出身、沖縄で好きな場所は那覇市平和通り商店街周辺と名護から東村に向かう途中のやんばる。ブロッコリーのもこもこした森にはいつも癒されています。「週刊ほ〜むぷらざ」元担当。時々、防災の記事なども書かせていただいております。被災した人に寄り添い現状を伝えること、沖縄の防災力UPにつながること、その2点を記事で書いていければいいです!

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