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2016年10月6日更新

[彩職賢美]大地こども園 園長の金城美和さん|子どもが輝く保育を

「子育ての楽しさを多くの人に伝えたい」。那覇市の「大地こども園」で園長として、子どもたちを優しく見守る金城美和さん(43)。「ダメでしょ」などと否定的な言葉を避け、肯定的な言葉掛けを大事にする。保護者や地域の人を対象に、親子の集い「青空・子育て支援・大地の会」を開き、幼児教育の大切さを伝える。22年の保育経験を生かし、子どもたちの成長を後押しする。


 

認める教育で成長を支援

大地こども園 園長
保育士
金城美和さん


子どもたちの日々の変化や成長、生きる活力を身に付けていく姿を見るのがうれしい」と保育の魅力を語る金城さん。木のぬくもりが感じられる園内で、子どもたちが遊ぶおもちゃは、創造力の広がりを大事にするため、布や木製など自然素材のものを中心にそろえる。園庭では、泥んこや砂遊び、草花などを使った「ごっこ遊び」が繰り広げられている。

金城さんが子どもたちと接する中で意識しているのは、肯定的な言葉掛け。例えば、「廊下は走らない」ではなく、「廊下は歩きましょう」という具合。「子どもは、『ダメよ』『こうでしょう!』などと否定的な言葉を言われると、脳が萎縮してしまい、自主性が弱くなり、親の顔色をうかがって行動することが多くなる」と説明する。

園内では、おもちゃの取り合いでケンカをして一方が泣いていると、普通は職員が仲裁に入り、泣かした子に対し「ごめんなさいは?」と注意するなど、やった方に目がいきがち。同園では、やられた子に「びっくりしたね。ごめんね」と職員が謝る。それを見て、泣かした子は「悪いことをしたな」と自分で気付き、自分から謝るといった光景が見られる。

給食は、「体をつくる食事ですから、調理師による手作りで無添加にこだわっています」。ご飯や主菜、副菜、汁物、果物の5品で、食材は地産地消を中心に提供している。

「パートでも専業主婦でも、親の仕事の有無に関わらず子どもを受け入れる。直接親子と顔合わせして、園の方針に共感してもらえる方と共に子どもの成長を見守っていきたい」。それが、認可外保育施設として園を営む金城さんの運営方針だ。

姉3人に弟と妹の6人きょうだいの大家族で育った金城さん。7歳離れた弟と9歳離れた妹の面倒をよくみていて、将来は保育士になりたいという夢を描いた。高校卒業後は金銭面で親に負担はかけたくないと、県外で寮に入り働きながら短大に通える就労進学を支援する会社へ就職。大学では幼児教育を学び、保育士・幼稚園教諭免許を取得。卒業後の1994年に県内の保育園に就職。これまで、認可・認可外と県内の複数の保育園で子どもたちと接する中で、もっと子どもの視点に立った保育の必要性を感じ、「子どもたち主体の居心地のいい空間を提供したい」と、2011年に「大地こども園」を開園した。

開園にあたり背中を押してくれたのが夫・雅文さん(43)。幼児教育の大切さや子どもたちとの接し方について考えが一致し、応援してくれた。「園児募集のチラシ作成や、備品の手配など開園の大きな力になった」と感謝する。

園での業務以外にも、もっと地域の人に幼児教育の大切さを伝えようと開園の1年前から「青空・子育て支援・大地の会」を立ち上げた。天気が良ければ近所の児童公園で定期的に講話や個別相談会を行っている。園の保護者だけでなく、地域の子育て中の親子も参加。親同士の交流の場としても一役買っている。

「肯定的な言葉掛けができる家庭をもっと増やし、子育ての楽しさを多くの人に伝えたい」と目標を掲げ、一歩一歩、歩み続ける。

 

 


 

幼児教育の大切さ伝え

定期的に開く「青空・子育て支援・大地の会」では、園が積極的に取り組む、子どもたちへの肯定的な言葉掛けはもちろん、幼児教育の大切さを伝えている。同会では、「ほのぼのとした雰囲気の中、教育相談をはじめ、親子同士が、子育てについて情報交換し合うなど、交流の場になっている」と金城さんは喜ぶ。

2011年の開園当初、那覇市の小禄すみれ児童公園で開かれた「青空・子育て支援・大地の会」。幼児教育について講話する金城さん(左)=本人提供
2011年の開園当初、那覇市の小禄すみれ児童公園で開かれた「青空・子育て支援・大地の会」。幼児教育について講話する金城さん(左)=本人提供


 

コント披露し親近感

お笑いが大好きという金城さんは、2年前の園の「親子もちつき大会」でお笑い芸人の弟と一緒に「初笑いコント」を披露。「私の違う一面を園児や保護者に見せることで、楽しんでもらえたと思います」と話す。原始人役を演じたそうだが、ゴリラのような動きに周りは大爆笑。「こんなこともするんですね」と、好評で、親近感も得られたようだ。


「もちつき大会」でコントをする金城さん(左)=2014年1月


 

栄養バランス考え手作り

園の給食は「栄養のバランスを考えた手作りメニューが自慢」と金城さん。食材の頭文字を取って「マゴハヤサシイ=マ(豆類)・ゴ(ゴマ)・ハ(ワカメ、海藻類)・ヤ(野菜)・サ(魚)・シ(シイタケ、キノコ類)・イ(イモ類)」を意識した献立になっている。

ひき肉(県産豚肉)と豆腐を使った「豆腐ハンバーグ」がメーンのメニュー
ひき肉(県産豚肉)と豆腐を使った「豆腐ハンバーグ」がメーンのメニュー


 

金城さんのハッピーの種

Q.新しく始めたことがあるそうですね。

トライアスロンを続けている夫に勧められたこともあり、来年の石垣島トライアスロン出場に向けトレーニングをしています。今年、同大会のリレー部門に参加し、自転車を担当しました。最初はバイクの練習からはじめ、今は泳ぎの練習に励んでいます。それと、走りを意識して朝の30分のウオーキングも続けています。仕事をする上で、体力も大事ですからね(笑)。



今年、初めてリレーに参加した金城さん(右)と、夫の雅文さん


大地こども園
沖縄県那覇市金城1-13-6
098-859-0288
http://daichi-kukuru.com/
 



PROFILE
金城美和(きんじょう・みわ)1973年那覇市出身。高校卒業後、都築紡績株式会社(岐阜県)に就職し、働きながら、聖徳学園女子短期大学幼児教育科に在籍。保育士・幼稚園教諭免許を取得後、1994年に帰沖し、那覇市の保育園に就職。複数の保育園職員として働いた後、2011年、那覇市金城に「大地こども園」を設立。幼児教育の大切さを伝える「青空・子育て支援・大地の会」を定期的に開き、親子支援にも携わる。



週刊ほーむぷらざ「彩職賢美」|輝く女性を応援!
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撮影/比嘉秀明・編集/安里則哉
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1230>・第1525号 2016年10月6日掲載

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安里則哉

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日々、課題ばかりですが、取材ではできる限り、対象者の人間性が引き出せたらと思い、仕事に努めています。食べることが大好き。そのためダイエットにも力を入れたところですが、いまだ実現せず(笑)。

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