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2022年11月10日更新

[沖縄]11月11日は介護の日|介護の孤立防ぐ レスパイトケアとは?

高齢者や障がい者などの介護を行っている人を一時的に解放し、休みをとってもらう「レスパイトケア」が注目されている。レスパイトケアの必要性や、どのようなケアがあるのか、介護に携わる人たちに話を聞いた。

 活用しよう!レスパイトケア 

仕事をしながら、介護と子育てのダブルケアを行う人がいる。「その両立に悩みを抱えていても必要な情報やケアに結びついていないことが多い」と話すのは、仕事と介護の両立をサポートする合同会社hareruya(ハレルヤ)代表の大城五月さん。2025年には団塊世代が75歳以上の後期高齢者となる超高齢化社会がくる。社会課題とも言える「介護者のケア=レスパイトケア」について聞いた。

 

介護はチームプレーで

大城五月さん(介護支援専門員)が「つらくない介護」を提案

自宅で家族の介護をする人は身体的にも精神的にも負担がかかりやすい。hareruya代表の大城五月さんは、「中には、仕事と子育てもしながら疲弊し、要介護者と共倒れになりそうなケースも目の当たりにしました」と話す。

介護保険は、介護が必要となっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための制度であるため、介護者である家族に対する直接のケアはほぼない。しかし、デイサービスや訪問介護、ショートステイなど介護保険サービスを活用することで介護者の休息=レスパイトケアにつなげられる。

「積極的に活用してほしいけど、実際には、日々の生活をこなすのに精いっぱいで、多くの人はそれらをどうやって利用するか、どれが適切かといったところまで、なかなか考えが及ぼない」と大城さんは指摘する。「まずは介護の専門家とつながり、自分の介護の現状について話してほしい。自分だけでは思いつかなかった対応の仕方があることを知る一歩になる」と話す。

その上で頼りになるのが各市町村にある地域包括支援センターだ。業務時間の問題から足を運ぶのが難しい場合は、「病院や施設など関わった先で、介護を相談できる専門家とつながることが大事」と強調する。

つらくない介護を

「つらくない介護はできる。公的な介護保険制度でできないことは自費の介護サービスの活用も検討した方がいい」と大城さん=3面参照。「介護はプロジェクトと考え、主治医、ケアマネ、介護福祉士、各種リハビリ専門職など医療・介護の専門家とチームで行う方がいい。家族は、家族にしかできないことをやる『家族』という専門職のようなもの。いかに周りを巻き込んでいけるかで、つらくない介護ができる。チームメンバーそれぞれが介護を支えるくい。くいが多いほど、しっかりした土台が作れる」と力を込める。

望まない離職はしない

居宅介護支援事業を主たる事業に、病院付き添いサービスや仕事と介護の両立サポートを展開し、高齢者やその家族を支援している大城さん。沖縄における介護の現状を知ろうと、昨年、県の補助を受けて独自調査を実施。その結果、「介護を理由にした離職の多さ」「介護保険制度の仕組みの理解が不十分」「企業の取り組みの遅れ」などの課題が見えてきた=下グラフ。

出会った時にはすでに介護離職した後の人を見てきた大城さんは、「もっと早く適切なサービスを利用できていたら、望まない介護離職をしないで済んだかもしれない」と感じている。「介護離職から収入減や社会的孤立に悩む人が多い。老後の年金収入にも影響が出て、子どもの経済的負担になる可能性がある」と指摘。介護情報の提供、発信への重要性を説き、人々が「つらくない介護」を選べるようにと願っている。

 仕事と介護の両立に関するアンケート 
2021年7月~8月、hareruya調べ。県内企業104社、300人が回答

Q1.介護を理由に離職した従業員の有無
・家族の介護を理由とした従業員の離職(転職を含む)を経験した企業は全体の4分の1
・「介護をしながら仕事の継続は可能か」という問いに「できない」と回答した介護未経験者も50%いた



Q2.仕事と介護の両立に役立つことは?(介護経験者が回答)
・公的、公的外にかかわらず、介護保険制度やサービスについて詳しい人に相談し、活用できるようにするのが大事との回答が多数



大城五月さん
合同会社hareruya代表


おおしろ・さつき 1980年浦添市生まれ。24歳から介護業界に携わり、介護福祉士、介護支援相談員、主任介護支援専門員、終活カウンセラーの他、沖縄初の産業ケアマネジャーの資格を持つ。2016年、居宅介護支援事業、病院付き添いサービス等を行う合同会社hareruyaを設立。代表を務める。プライベートでは5人の子を持つシングルマザー。要介護の父がいる。


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文・赤嶺初美(ライター)
『週刊ほ〜むぷらざ』特集・11月11日は介護の日|介護の孤立防ぐレスパイトケアとは?

第1840号 2022年11月10日掲載

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