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2021年4月1日更新

[シニアウェ~ブ in ほ~むぷらざ]花と眺望と歌で 友と幸せを共有|末吉久志さん

このコーナーでは充実したシニアライフを送る人々を紹介します。今月は、名護市稲嶺にある山を一人で開拓し、人々が集う憩いの場を提供している末吉久志さん(73)。「人が喜ぶ顔を見るのがうれしい」と花の手入れに精を出します。


末吉久志さんの花園では冬アジサイとベゴニアが見頃を迎えた。見学に遠く糸満からも足を運ぶ人がいると喜ぶ=すえよし花園(名護市)
 

末吉 久志 さん(73) 名護市

名護市稲嶺で7千坪の山林を8年掛け1人で開拓し、「すえよし花園」を開設した末吉久志さん。四季折々に咲く花々、羽地内海と東シナ海に屋我地島や古宇利島を見渡す絶景が人々を魅了する。

「景色すごいでしょ。この景色をあなたにあげます。もう3千人くらいにあげたはず」。末吉さんの楽しい人柄も人気の理由だ。

7人きょうだいの次男。家は貧しく幼少期から家計を助けた。小学2年、空き瓶回収でお金をため、「4年生で新車のリヤカーを買った」。害虫駆除の補助金目当てで、1本2セントになるネズミの尻尾を役場に持ち込み、「村で1番になった」。運動会やバレー大会がある日は、山でミズモモを採り運動場で売った。「勉強よりお金を作ることに興味があった」と笑う。


ありのままに生きる

琉球政府が全島に電気を供給する事業を進めた、小学6年のころ、電信柱を設置する穴掘り作業に出た。「1・7メートルの穴を大人より多く掘り、給料も多くもらった。社長から大きくなったら会社にきなさいと言われ、つまり、小6で就職先が決まったわけ」。

中学卒業後、仕事を始めた。名護で勤めていた20歳のとき、社長が用立ててくれた2千ドルで独立。10年で完済した。

「ナマサンデー、イチスガ。ワーガサンデー、ターガスガ(今やらないでいつやるか、私がやらないで誰がやるか)」が好きな言葉。26歳で両親のために家を新築した。

社員20人の会社へと育て、48歳のとき、業界発展への功績で通産大臣賞を受賞。「心配掛けた人々に、これで少しは恩返しになったかな」と目を細める。

末吉さんのモットーは、偉ぶらず、ありのまま、普通に生きること。「そうすれば、誰とも交流できる」。作業服と長靴と軽トラックに人好きのする会話はずっと変わらない末吉さんのスタイルだ。

会社を長男に任せた現在は「人の喜ぶことをしたい」と花園に力を注ぐ。人が集う花園は、中学の担任と涙で抱き合う再会も引き寄せた。

4年前は園内にカラオケ喫茶も設立。歌仲間は50人にも増えた。「花や景色を見て、カラオケして、出会いがあり友達も増えた。楽しくて幸せだから病気も逃げる」。笑顔がいっそう輝いた。


水やり、雑草取り、植え替え、日当たりを考えた草木の伐採など広大な花園を毎日手入れする末吉さん

花園に併設したカラオケ喫茶は「沖縄で1番の音響設備」と胸を張る。3カ月に1回は歌仲間と歌謡ライブも開催する


取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1756号 2021年4月1日紙面から掲載」

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