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2024年3月14日更新

[沖縄スポット]歴史と野趣を感じる公園|末吉公園|シマ散策(24)

地域の人におすすめのスポットを案内してもらい、その地の魅力を再発見する企画。今回は歴史サークル・古都首里探訪会(知名勇会長)のメンバーに那覇市の末吉公園の園内や周辺にある史跡などを案内してもらいました。琉球国王も参詣したという末吉宮には古い参詣道が残っています。

歴史と野趣を感じる公園【末吉公園

かつて琉球国王も通ったと言われる末吉宮の参詣道。こけむした石畳が歴史を感じさせる。奥へ進むと組踊「執心鐘入」で有名な遍照寺跡がある
かつて琉球国王も通ったと言われる末吉宮の参詣道。こけむした石畳が歴史を感じさせる。奥へ進むと組踊「執心鐘入」で有名な遍照寺跡がある
 


那覇市の北側に位置する首里末吉町。集落の東、丘陵の南斜面にある末吉公園には多くの自然林が残っており県の鳥獣保護区に指定されている。古都首里探訪会の事務局長、宮城保茂さんは「園の北側には拝所が点在し、丘の頂上付近には琉球国王も参詣したという琉球八社の一つ、末吉宮があります。また、最後の国王・尚泰王の次男、尚寅(宜野湾王子)を祖とする宜野湾御殿の墓やノロ屋敷跡などもあります」と説明する。

末吉宮へのルートはいくつかあるが、琉球国王も通ったと言われる石畳の参詣道を歩いた。古道の周囲にはうっそうと木々が茂っていて、林の中を北西へ進むと末吉宮へ上がる坂道のふもとに組踊「執心鐘入」に登場する末吉の寺、遍照寺跡がある。一部石垣などを残すのみで敷地内は草木が茂っている。

執心鐘入は中城若松と鬼女になった宿の娘の物語で、鬼女に追われた中城若松は末吉の寺に逃げ込み、鐘の中に隠れた。「15世紀に尚泰久王が喜捨したといわれる寺の鐘は人が隠れるほどの大きさは実際にはなかったそうです。元は万寿寺といいましたが、18世紀に江戸幕府10代将軍家治の長女・万寿姫の名を避けるため改名しました」。

険しい坂道を登って末吉宮へ。境内には琉球石灰岩の切石を用いた石造りの階段「末吉宮磴(とう)道」が本殿まで続いている。石段を8段登ると祭場があり、そこから拝殿まで21段、本殿まで7段ある。祭場は広場になっていて、那覇の街並みが見渡せた。「末吉宮は眺めの良い景勝地で、王府が中国の冊封使をもてなすために案内した場所でもあったといわれています」。


井泉「宝口樋川」。背後の壁は大小の琉球石灰岩を使って頑丈に造られている

井泉「宝口樋川」。背後の壁は大小の琉球石灰岩を使って頑丈に造られている


宝口樋川をそばを流れる真嘉比川。地元では儀保川と呼ばれているという

宝口樋川をそばを流れる真嘉比川。地元では儀保川と呼ばれているという
 

末吉公園内にある滝見橋からの眺望。傾斜を流れる安謝川の大小の河石はこけが生え緑深い
末吉公園内にある滝見橋からの眺望。傾斜を流れる安謝川の大小の河石はこけが生え緑深い

遍照寺跡。一部石垣などが残る。そばの坂道を登ると末吉宮に至る遍照寺跡。一部石垣などが残る。そばの坂道を登ると末吉宮に至る


川や井泉も見どころ

公園の南側には東西に安謝川が流れていて、川の周辺は遊歩道が整備されており、亜熱帯植物が茂る林の中を散策して森林浴が楽しめる。川には花見橋と滝見橋が架かっている。滝見橋からの眺めは、こけむした大小さまざまの河石が野趣を感じさせた。

末吉公園から南、首里儀保町にある「宝口樋川(ひーじゃー)」は、真嘉比川沿いの崖下に設けられた井泉で、背後の壁は琉球石灰岩の石積みで造られている。「碑文によると、19世紀に当蔵村の人たちが私財を投じて造り、水が豊富で干ばつでもかれなかったといわれています」と宮城さん。井泉の水音や、そのそばを流れる川のせせらぎが心地よかった。


末吉宮の祭場からの眺望。右から古都首里探訪会の久高友千さん、宮城保茂さん、会長の知名勇さん、平田由美さん、赤嶺裕史さん末吉宮の祭場からの眺望。右から古都首里探訪会の久高友千さん、宮城保茂さん、会長の知名勇さん、平田由美さん、赤嶺裕史さん


案内してくれたのは

古都首里探訪会
首里公民館を拠点に首里の名跡・旧跡を調べ、フィールドワークをしている。
電話=090(7299)6010 事務局長・宮城


取材/池原拓
『週刊ほ〜むぷらざ』シマ散策 

第1910号 2024年3月14日掲載

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