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2023年8月10日更新

[沖縄スポット]ウマハラセー催した馬場跡|うるま市勝連内間|シマ散策(18)

地域の人におすすめのスポットを案内してもらい、その地の魅力を再発見する企画。今回は、うるま市勝連内間を訪ねました。地域のことに詳しい西田一雄さんは「かつては馬場があり、そこで行われたウマハラセー(琉球競馬)には他の地域からも良い馬が集まったといわれています」と話す。

ウマハラセー催した馬場跡  【うるま市勝連内間】

うるま市の東南、勝連半島の中央付近に位置する「内間」。内間公民館のそばには、内間のシンボルであり集落発祥のいわれを持つガジュマル「内間ホーヤーギー」がある。内間の出身で地域のことに詳しい西田一雄さんは「18世紀末ごろに祖先が内間に移り住んだ時に植えられたといわれています。村のウスデーク(祭祀舞踊)の歌詞でたたえられるなど、住民に親しまれた名木です」と話す。2003年に台風で倒木したが、さし木で植え直されている。内間の祖先は勝連グスクの西にあった御段坂付近に住んでいたが、人口増加に伴って住みやすい土地を求めて移動して内間に落ち着いたという。

公民館と接する道路はかつてウマハラセー(琉球競馬)が行われた馬場跡。与那城小学校付近にあった「北馬場」と並んで、「南馬場」と呼ばれた有名な馬場だったという。西田さんは「ウマハラセーは旧暦の4月16日、豊年を祈願するアブシバレーに合わせて開催し、具志川や美里など他の地域からも良い馬が集まったそうです。ウマハラセーは農村の娯楽として戦前まで行われていたそうで、単に速さだけでなく、走りの美しさも競うものだったといいます」と説明する。現在は綱引の会場として利用されている。



現在の内間ホーヤーギー。「内間這うや木ぬ 枝むちぬ美らさ 内間みやらびぬ 身持ち美らさ」と、村のウスデークでも歌われる

台風で倒木する前の内間ホーヤーギー(写真提供・うるま市教育委員会)
台風で倒木する前の内間ホーヤーギー(写真提供・うるま市教育委員会)


湧泉や拝所も点在

内間集落には湧泉が点在する。白川もその一つ。集落で一番古いカー(湧泉)で、産湯の水をくむウブガーとして使われ、正月と二月・六月ウマチー(稲麦の祭祀)の時は神人が身を清めた。自治会書記の山城さつきさんは「子どもが生まれた時、女の子なら包丁を、男の子なら鎌を持って行って、赤児の健康を祈願したそうです。祈願の際は、カーの行き帰りで後ろを振り向いてはいけないという習わしがあったといいます」と話す。

最後に案内してもらったのは集落の南東、うっそうと木々が茂る小高い丘の頂上にある仲吉御嶽。頂上の平たん地には南北に祠が設けられ、東には地域の神様を祭った拝み石がある。祠は遠くにあってなかなか行くことができない本島北部と南部の御嶽を拝む「お通し」(遥拝所)になっているという。自治会長の内間幸枝さんは「旧暦の1日と15日に区民の健康などを祈願しています。これからも内間の行事や史跡を受け継いでいきたい」と話した。


白川(シラカー)。かつて産湯の水をくんだ湧泉で、出産で使うむしろもここで洗ったという
白川(シラカー)。かつて産湯の水をくんだ湧泉で、出産で使うむしろもここで洗ったという

丘の頂上にある仲吉御嶽へ向かう階段。周囲にはうっそうと木々が茂る
丘の頂上にある仲吉御嶽へ向かう階段。周囲にはうっそうと木々が茂る

仲吉御嶽。左の祠は本島北部の御嶽を、右は南部の御嶽を拝む遥拝所。奥にあるのが拝み石
仲吉御嶽。左の祠は本島北部の御嶽を、右は南部の御嶽を拝む遥拝所。奥にあるのが拝み石

かつてウマハラセーで賑わった馬場跡。現在は道路になっている
かつてウマハラセーで賑わった馬場跡。現在は道路になっている




案内してくれたのは

西田一雄さん
地域のことに詳しい西田一雄さんや、内間自治会会長の内間幸枝さん、書記の山城さつきさんに案内してもらった


取材/池原拓
『週刊ほ〜むぷらざ』シマ散策 

第1879号 2023年8月10日掲載

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