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2018年10月11日更新

膝関節痛に再生医療の選択肢を|教えて!ドクター当山<209>

ひざの軟骨がすり減り、骨と骨が直接ぶつかることで痛みや炎症が生じる「変形性膝関節症」。予備軍を含めると患者数は推定3千万人と言われるほど多い。当山美容形成外科は「膝関節痛に対する幹細胞治療について」と題し、来る11月3日、開院66周年記念市民公開講座を開催する。当日は、第一線で活躍中のドクター2人が来沖し、最新の研究や治療法について講話。その概要や、市民公開講座への思いを、同院の当山拓也院長に話を聞いた。

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開院66周年記念市民公開講座
基礎研究と治療現場をリードする医師2人が来沖!

手術の前の新たな治療法
知っておくことが重要


貴院の市民公開講座は、毎年、美や健康に関心の高い女性たちでにぎわっていますね。
当山
おかげさまで100人の定員に対し、150人余のお申し込みをいただくこともあるほど、ご好評いただいております。
テーマは、今後当院が力を入れていく治療や、沖縄の女性たちにとって興味・関心の高い話題を中心に選定。今回取り上げるのは、当院でも問い合わせが増えている「膝関節痛に対する幹細胞治療について」です。

幹細胞治療は、自分の体から採取した幹細胞を移植する「再生医療」で、最先端の治療法ですよね?
当山
はい。おへそからとった脂肪から幹細胞を抽出し、特殊な技術で数億個程度まで増やし、症状を改善したい部位に移植することで、その組織を再生させます。当院ではシワやたるみといった皮膚に対する再生医療をことし5月から、変形性膝関節症に対する再生医療を6月から始めています。
特に変形性膝関節症は、悩んでいる人が多いにもかかわらず、これまで潤滑油代わりのヒアルロン酸や炎症を抑えるステロイドを注入する対処療法か、人工関節に置き換える手術、と選択肢が少ない現状がありました。そこに新たな選択肢として登場したのが再生医療です。まだ保険がきかず自費治療という難点はありますが、リスクのある手術を考える前に、こうした選択肢もあることを知っておいていただくことこそが重要だと考えています。


幹細胞治療の仕組みと実際
研究と臨床の第一人者が講話


公開講座では、どんな話が聞けますか?
当山
「膝関節痛に対する幹細胞治療」とはどういったものか、基礎研究と臨床の両分野から迫ります。ここでいう基礎研究とは、一言でいうと、なぜ幹細胞が組織を若返らせたり再生することができるのか、その仕組みや理屈を明らかにすること。今回は日本の基礎研究をリードする東京大学の齋藤琢先生が、関節が変形する理由や現在の治療法を踏まえて再生医療を取り上げ、現在進めている研究についてもお話しいただきます。
一方の臨床は、どのような効果がどの程度期待できるのか、より効果的な投与方法はどういった方法なのかを、さまざまな経験から導き出す分野です。公開講座では、変形性膝関節症の治療について、手術のリスクや再生医療で本当に膝の痛みが改善するのか、治療の実際のところを、ご専門に手掛ける寺尾友宏先生にお話しいただきます。

講演会への参加を考える読者に一言。

当山
昨今、再生医療という言葉を耳にする機会が増えてきましたが、次世代の治療法として注目を集めるのはなぜか? 国の認可を受けた第三者委員会が承認した医療施設でしか受けられないのはどうしてか? 変形性膝関節症に対してはどんな治療が受けられるのか? さらに最先端の研究や今後の可能性についてもお話がうかがえると思います。ぜひご期待ください。


第1部

関節が変形する理由から最新研究まで! 
「変形性関節症の病態と次世代の治療」

膝関節症に対する幹細胞治療の基礎研究を行っている東京大学大学院の整形外科学に所属する齋藤先生。拓也先生いわく、「国内のみならず海外からも講演依頼の多い、この分野の第一人者。お人柄も良く、講演会も快くお引き受けいただきました」。講演会では関節が変形する理由や、次世代の治療として注目を集める再生医療、最新のトピックなどについて講話。


齋藤 琢  医師
東京大学大学院医学系研究科 整形外科学


第2部

治療の実際や気になる話題に切り込む! 
「本当に、再生医療で膝の痛みが改善するのか?」

実際の臨床現場で長年、再生医療を専門に取り組んできた寺尾先生。「大学院で再生医療を手掛けて以来、膝やひじ、肩といったあらゆる関節痛に対して再生医療を取り入れる治療現場のスペシャリスト。スポーツドクターとして多くのアスリートの治療に携わってきた経験もお持ちです」と拓也先生。講演会では再生医療で膝の痛みが改善するのか?気になる点に切り込むそう!


寺尾 友宏  医師
アヴェニューセルクリニック



会長メッセージ

長寿復活への道を目指して!

2014年、日本は再生医療元年を宣言しました。「再生医療」はノーベル賞学者である山中教授の専売特許だとばかり思っていましたが…振り返れば、われわれだって多血小板療法「PRP」や多少幹細胞の入っている脂肪注入を治療に取り入れています。3代目からの「おやじ、再生医療に取り組んで健康長寿県を取り戻そう!」との大きな声は、私の心の中にズキーンと響くものでした。その大きなこだまは東京にも届き、今回、お2人の専門医が講演してくださいます。美容医療の分野からも健康長寿に寄与できる、今後の沖縄が楽しみです!


当山 護 氏
当山美容形成外科会長





当山拓也 氏
当山美容形成外科 院長

東京医科大学卒業後、東京大学医学部形成外科学教室入局。東京警察病院、杏林大学形成外科等で研さんを積む。リッツ美容外科・東京院、東京西徳洲会病院形成外科・美容外科医長、アヴェニュー表参道クリニック副院長をへて、一昨年4月に医療法人形成会当山美容形成外科副院長に。昨年6月、同院院長に就任。


<この記事に関する問い合わせ先>
医療法人形成会 当山美容形成外科
098-867-2093
http://www.touyama.com
Eメール info@touyama.com


※次回のテーマは「当山美容形成外科66周年記念市民公開講座リポート」です。


<過去記事一覧>
『週刊ほーむぷらざ』 教えて!ドクター当山<209>
第1629号 2018年10月11日掲載

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