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2016年8月25日更新

多汗症・ワキガの治療「ボツリヌストキシン・超音波吸引法・切開法」|教えて!ドクター当山<183>

夏真っ盛りのこの時期、気になるのが脇の汗。お気に入りの洋服でオシャレを楽しみたくても、脇の汗ジミや臭いが気になるという人も多いのでは? 今回はそんな多汗症とワキガがテーマ。特徴や見極め方、治療法を当山美容形成外科の當山護院長に聞きました。

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原因違う多汗とワキガ 治療は見極めが重要!

―どのような状態を多汗、ワキガと言いますか?
当山 衣服をぬらすほど脇に汗をかく人は多汗と言えます。汗の量は人によって違いますが、エクリン腺という汗腺から出る汗が原因=図1。これは興奮したり緊張したりする時にかく汗で、乾きにくいのが特徴です。ワキガは脇の臭いのことで、毛穴近くのアポクリン腺から出る汗が原因です。乾きやすいのですが黄ばみの原因になり、前述のエクリン腺から出る乾きにくい汗の影響で、臭いが持続してしまう特徴があります。

―見極めはどのように?
当山 当院では、どのようなタイミングでかく汗か、乾きやすいか、ベタつきがあるかなど、入念なカウンセリングを基に診断します。特にワキガの臭いの感じ方には個人差があり、ご本人が神経質になり過ぎているケースもあるため難しい。そこでご家族に同席いただき、普段の様子もうかがって参考にします。
 

ワキガの手術は2種類 県民に効果的な併用療法も

脇汗にはボツリヌストキシン注射​
―具体的な治療法は?
当山 多汗の治療に有効なのが、アラガン社のボツリヌストキシン注射(以下、ボトックスビスタ)です。多汗はアセチルコリンという神経伝達物質が作用しておこりますが、ボトックスビスタに含まれる成分がこのアセチルコリンを阻害。緊張などで交感神経が刺激されても、汗を誘発しなくなるというわけです。個人差はありますが効果は約1年です。
ワキガは市販の制汗剤や消臭剤で効果がない場合に手術を検討。切開法と超音波吸引法の2種類で、どちらも局所麻酔で行います。
切開法は、脇の皮膚を広く切開し汗腺をもれなく切除する方法。抜糸までに10日、傷痕が落ち着くまで2~3カ月必要です。超音波吸引法は脇を1~2ミリ切開し、超音波で汗腺組織を破壊・吸引する方法=図3。出血が抑えられるため、血腫など術後の合併症も少なくなります。いずれも8~9割の臭いは軽減されます。
どちらを選ぶかはリスクや費用まで含め判断する必要がありますが、若い女性なら傷痕が小さくてすむ超音波吸引法、ワキガがひどい方には切開法がお勧め。また「人が不快と感じるほどきつい臭い」の方に限り、保険適応が可能です。

―多汗、ワキガで悩む沖縄の女性たちに一言アドバイスを。
当山 高温多湿の沖縄は汗をかく頻度が高く、汗腺の穴が広がっている人が多いと言えます。脇毛も毛深く湿気がこもりやすい上、油っこい食習慣から脇にアカがたまりやすく雑菌が繁殖しやすいのも臭いを増長する原因です。当院では、多汗治療のボトックスビスタと脱毛、ワキガの術後にボトックスビスタといった具合に併用療法も実施していますので、お気軽にご相談ください。




當山 護 氏
当山美容形成外科 院長
東京医科大学卒業後、東京警察病院形成外科に国内留学。その後、日本形成外科学会評議員や日本美容外科学会会長を歴任している。当時最新の形成外科、美容外科の知識を持って帰沖、当山美容形成外科院長に就任。以来、常に新しい技術を導入し、顔のシワ取り、脂肪吸引、脱毛、植毛などに積極的に取り組み、現在もわが国の美容外科のリーダー的存在である。日本美容外科学会専門医(JSAPS)、日本臨床形成外科医会元会長・理事。第24回日本美容外科学会会長。日本形成外科学会専門医・日本美容医療協会認定医・日本医学脱毛学会認定専門医・国際美容形成外科学会正会員(ISAPS)・那覇市医師会元会長。沖縄県医師会元副会長。第37回日本医学脱毛学会会頭、皮膚腫瘍外科指導専門医(形成外科)。2012年秋の叙勲「旭日雙光章」受章。2013年5月国際美容医療研究会会長。2014年日本美容外科学会名誉会員。2015年11月「日本医師会最高優功賞」受賞。

■この記事に関する問い合わせ先 医療法人形成会 当山美容形成外科 098(867)2093
http://www.touyama.com Eメール info@touyama.com

次回は「デリケートゾーンの針脱毛」を取り上げます。
<過去記事一覧>
『週刊ほーむぷらざ』 教えて!ドクター当山<183>・第1519号 2016年8月25日掲載

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