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2025年4月17日更新

カフェで広がる交流の輪|ティザーヌ店主 松田沖子さん(那覇市)[人生ブラボー!⑬]

仕事の一線を退いた後も、年を重ねても、人生を生き生きと送る人たちを紹介。今回は、那覇市でカフェ&インテリア雑貨店「ティザーヌ」を営む松田沖子さん。1人で訪れて自然と会話が生まれる居場所を提供し続けている。

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ティザーヌ店主 松田沖子さん(那覇市)
2人の娘と従業員の5人で力を合わせ、店を切り盛りする松田沖子さん。シニア層の利用者が多く、1人で来ても自然と会話が楽しめるアットホームな空間を提供している=「ティザーヌ」(那覇市)


 聞く力で温かな触れ合い 

那覇市古波蔵の静かな住宅街で、カフェ&インテリア雑貨店「ティザーヌ」を営む松田沖子さん(77)。1996年に開業し、5年前に現在の場所へ移転した。「移転した後、探してでも来てくださるお客さまがいる。この店を愛し、遠方からも通ってくださる皆さんのおかげで続けられています」と笑顔で語る。

店名は「お茶を飲んでゆっくりしてください」との思いを込め、フランス語で「お茶」を意味する「ティザーヌ」と名付けた。大きな円卓が二つとカウンター席があり、1人席はない。「お客さまを見て、この人と話が合いそうだなと思う方の隣に座ってもらうんです」と松田さん。訪れた人が自然と会話を楽しみ、交流やつながりが生まれている。利用者はシニア層が多く、「居場所になっている」と喜ぶ。


店内には、松田さんがセレクトしたインテリア雑貨が並ぶ

夫の闘病を支えながら

松田さんは48歳で起業。以前は美容関係の会社で働いていたが、夫の通院をサポートするために退職した。「自由に動けて、自宅でできるように」と、紙粘土教室を始めたが、カフェも開きたいと考えた。経営の経験も資金もなかったが、「まずは女性が行きたい、また来たいと思う場所にしたい」と銀行に相談し、内装の改装費用を借り入れた。「5年間は休まずやります。迷惑かけませんからって宣言して。娘たちと力を合わせ、本当に5年間、1日も休まず店を開け、借金は3年で返しました」と語る。

決して若くはない年齢で多額の借金をし起業したことに不安はあったが後悔はない。「このカフェをやろうって決めたからこそ、夫の闘病を支えることができた。看病だけで生きるんじゃなくて、社会と関わり、家族以外の人とコミュニケーションをとり、楽しいこともしながらやっていけた」。夫は他界したものの、周りの人との交流に生きがいを感じ笑顔を見せる。

松田さんのモットーは「楽しく、明るく、気持ちよく」。店を訪れる人々にも、そう感じてもらえるように、一人一人の話を聞くことを大切にしている。「聞き出すんじゃなくて、自然に相手が話すことを聞くようにしています。もし良い情報を知っていたら共有することも。店内では自然に隣の人とそんな交流が生まれているんです」と目を細める。

取材中も1人客の来店が続いていたが、いつの間にか、客もスタッフも関係なく、連れ立ってきたかのように話している。にぎやかなようで静かな安らぎと優しさが空間を満たす。「これからも、世代を超え、心地よい居場所であり続けられたら」。ほほ笑む視線の先に、にこやかに話す娘と客の姿があった。


バランスよく食べやすく

現在のようにハーブやハーブティーといった言葉がまだ普及していなかった創業当時から、フランス製のハーブティーを提供していた松田さん。現在は、「来店する客層に合わせた食材選び、調理法で、栄養バランスと食べやすさにこだわっている」という手作りの日替わりランチ=写真=も提供している。「魚と肉料理に、野菜料理と五穀米、みそ汁、サラダ。娘が作ったスイーツも好評です」。

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取材/赤嶺初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざ
「第1966号 2025年4月17日紙面から掲載」

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