腰を据えて予防を! 腰痛・坐骨神経痛|人生100年!!ココカラ健康長寿

腰痛や坐骨(ざこつ)神経痛の原因として運動不足や肥満、長時間同じ姿勢を続けることなどが挙げられます。ウオーキングやストレッチ、筋トレなどの運動を自分のペースで継続することが予防につながります。専門家にその原因やセルフケアについて聞きました。 (編集部/池原拓)

歩いて全身運動 体幹を鍛える

腰痛や坐骨神経痛は、日常生活での腰への負担が要因の一つ。はえばる整形外科クリニック院長の西川正修医師は「同じ姿勢を長時間続けたり、運動不足によって腰を支える筋肉が衰えたり、体重が増えたりすることで腰に負担がかかると、症状が出やすくなります。歩いて全身を動かし、ストレッチで柔軟性を保ち、体幹の筋肉を鍛えることが予防につながります」と説明する。 

教えてくれたのは

はえばる整形外科クリニック 院長 西川正修さん
整形外科専門医。運動器リハビリテーション医。スポーツ医。琉球大学医学部卒業後、豊見城中央病院をはじめ、県内外の病院に勤務。2025年、同院を開院

Q1 主な原因は?

A 筋肉の炎症・疲労や、背骨の変形・骨折

腰痛や坐骨神経痛は病名ではなく、症状を指す言葉です。腰痛の原因はさまざまで、腰部の筋肉や靭帯の炎症や疲労の蓄積、加齢による背骨(腰椎)や椎間板の変形(椎間板ヘルニアなど)、骨粗しょう症による背骨の圧迫骨折などが挙げられますが、検査をしても明らかな原因を特定できないケースも少なくありません。そのため、どのように痛むのかなど症状に合わせて適切な治療を選択することが重要です。また、発熱を伴ったり、じっとしていても痛んだり(安静時痛)する場合は、腎臓などの臓器に内科的疾患が隠れていることもあるので、専門病院での精査が推奨されます。

坐骨神経痛とは、「坐骨神経(腰から足先まで伸びている神経)に沿ってお尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけて走る痛みやしびれ」といった症状を指します。

代表的な原因としては、加齢や腰への負担によって腰椎の椎間板が飛び出す「腰椎椎間板ヘルニア」や、なんらかの要因によって腰椎にある神経の通り道(脊柱管)が狭くなる「腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症」が挙げられます。坐骨神経の根元をたどると腰の神経につながっていて、これらの疾患などによって神経が圧迫されると、その先の坐骨神経に沿って症状が現れます。


痛みやしびれのほか、触った時の感覚が鈍くなる、長時間歩くと脚がつらくなり休むと楽になる「間欠性跛行(はこう)」といった症状が特徴です。重症になると、脚に力が入りにくくなったり、排尿や排便に障害が現れたりすることもあり、このような場合は早急な受診が必要です。

Q2 気を付けたい習慣は?

A 肥満や、長時間同じ姿勢でいること

体重が増えると腰への負担が大きくなるため、適正体重を維持しましょう。同じ姿勢を長時間続けると筋肉の疲労を招くので、デスクワークや車を運転する時は、1時間に1回程度は休憩を取り、立ち上がって体を動かすことを意識しましょう。立ち仕事が多い場合は、足元に小さな台を置いて片足を交互にのせると腰への負担軽減につながります。また、重い物を持ち上げるときは、腰だけでなく膝も曲げてしゃがみ、脚の力を使って持ち上げるようにすると腰への負担を抑えられます。

喫煙は血管を収縮させ血流が悪くなることで、腰痛のリスクが高まることも指摘されています。ほかにも、心理的なストレスや疲労が影響することも知られているので、十分な睡眠によってストレスをため込まないようにしましょう。

Q3 予防で大事なことは?

A 毎日続けられる程度の運動を

運動不足になると、腰を支える筋肉の力や柔軟性が低下して、腰への負担が大きくなるので、適度に体を動かして筋肉に刺激を与えることが大事です。運動によって筋肉だけでなく、骨にも刺激を与えられ骨密度の維持につながります。

以前は腰痛になると安静が勧められることもありましたが、現在は痛みの程度に応じて無理のない範囲で体を動かして、早めに日常生活へ戻ることが回復につながると考えられています。ただし、強い痛みやしびれが続く場合は、無理をしないで早めに受診することが大切です。

運動は頑張り過ぎて三日坊主になるよりも、長く続けられるように軽いものから始めましょう。私は患者には「毎日続けられる運動の量を見つけてください」と呼び掛けています。例えば、歯磨きをしている時にかかと上げする、などルーティン化することも継続につながります。テレビを見ている時にCMの間は筋トレをする、野球中継でひいきのチームが攻撃している間は立って応援するというふうに、決めごとを設けるのもいいでしょう。

Q4 おすすめの運動は?

A 体幹の筋トレや、ウオーキング

ポイントは「歩く」「伸ばす」「支える」こと。歩いて全身を動かし、ストレッチで柔軟性を保ち、体幹の筋肉を鍛えて腰を支える。この三つを無理なく続けることが、腰痛予防の基本です。

取り入れやすいのがウオーキングです。1日20~30分程度を目安に、自分のペースで続けましょう。ストレッチは、太ももの裏側(ハムストリングス)やお尻、股関節周りの筋肉をやさしく伸ばすことがおすすめです。筋力トレーニングは特に体幹、おなかや背中、お尻の筋肉を鍛える、「プランク」や「足上げ腹筋」などが有効です=下図参照。

ウオーキングは骨に刺激を与えて腰椎の骨密度を維持するためにも有効です。運動だけでなく骨を作るために必要な栄養素を取ることも意識しましょう。カルシウムだけでなく、骨の半分を構成するタンパク質も大事です。カルシウムの吸収を促すビタミンDは、日本人が不足しがちな栄養素。

食べ物(魚やキノコ類など)から摂取するだけでなく、日光に当たると体内で生成されるので、熱中症を避けつつ朝夕などにウオーキングをしながら日の光を浴びてはいかがでしょうか。

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毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」人生100年!!ココカラ健康長寿(16)
第2034号(2026年8月6日発行)より転載