首里公民館を拠点に活動する歴史サークル「古都首里探訪会」で事務局長を務める宮城保茂(やすしげ)さん(76)。会員以外の多くの人にも生涯学習に役立ててほしいと公開講座を企画するなど精力的に活動している。(編集部/池原拓)
サークルで生涯学習の場を提供/宮城保茂さん(那覇市)

自作の家譜を手にする宮城保茂さん。琉球家譜は、家系図と祖先の功績や職歴などの記録で構成されているが、元の家譜が現存しないため、宮城さんはトートーメーに書かれていた祖先を一人一人調べ上げて作成した。いずれは冊子にしたいという=沖縄県立博物館・美術館
地元の歴史を深く知りたいと宮城保茂さんが思うようになったのは、定年退職後に沖縄県立博物館友の会に入会したのがきっかけだ。宮城さんは友の会で琉球王国時代の士族の家系についての記録「琉球家譜」の勉強会に参加した。「妻の実家のトートーメーに書かれた祖先がどんな人たちだったのか家族も知らず、詳しく知りたいと思いました」と宮城さんはふり返る。
調べた結果、トートーメーの初代は、第二尚氏王統の第13代・尚敬王(在位1713年-1751年)の第二子・尚和読谷山王子朝憲(読谷山御殿)の二世・読谷山王子朝英の次男である向国璧(宇地原親方朝昇)と判明した。国璧について史書や琉球王国の外交文書を記録した「歴代宝案」をひもとくと、1830年に中国へ進貢の正使(使者)として赴き、江戸城にも讃議官(使者)として登城した人物であることが分かった。「38年には踊奉行(冊封使をもてなす宴で芸能を監督する役職)も務めました。国璧の足跡を追ううちに琉球の歴史がとても身近に感じられるようになり、もっと知りたいと思うようになりました」
首里公民館を拠点に活動する歴史サークル「古都首里探訪会」に2012年に入会し、17年から事務局長を務めている。同会では、地元の史跡や歴史上の人物について文献などで調べてから、実際にゆかりの地を巡る活動をしている。同好の士で和気あいあいと史跡を巡り、打ち上げでのゆんたくも楽しいという。
17年から会の役員交代を機に、博物館の学芸員などを講師に招いて公開講座を企画するようになった。「会員同士の勉強会だけではもったいない。自分たちが学んできたことをもっと多くの人たちの生涯学習に役立ててもらいたいという思いで取り組んでいます」。県教育庁のおきなわ県民カレッジとも連携して、公開講座を受講するとカレッジの単位が取得できるようにした。また、学校の授業の一環や公民館のイベントで会員が講師を務めることもある。
学びの場を求め
宮城さんは、那覇市街角ガイドも務めていて、市内17コースを案内できるという。「ガイドの養成講座で著名な先生の講義を受講できると知ったのが始めたきっかけです」

首里城周辺の史跡巡りをする古都首里探訪会の皆さん
宮城さんは、多くの人が地元の歴史を学ぶ機会を作りつつ、自らも積極的に学びの場を求めて、県内の大学や博物館、埋蔵文化財センターなどで催される公開講座を受講している。県立博物館・美術館では、友の会の活動として展示会場を見守る交流員を務めていて、いろいろな企画展に触れることができて勉強になるという。
公開講座を主催

古都首里探訪会では年に数回、公開講座を開催してきた。ことしの3月19日に那覇市牧志駅前ほしぞら公民館で開催した公開講座は、「戦後の陶芸史から紐解(ひもと)く壺屋焼とやちむんの違い」と題し、那覇市歴史博物館学芸員主査の比嘉立広さんが登壇した。39人が受講して熱心に耳を傾けた=写真。「博物館のスタッフも協力的で助かっています」と宮城さん。
毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」人生ブラボー!(19)
第2024号(2026年5月28日発行)より転載