可能性に満ちたジョージア -変化してゆく国-|沖縄人の世界一周

366日かけて世界一周をした「旅する沖縄人」さん。 21カ国を巡ったその目に映るのは、色とりどりの人、街、文化。当連載では、沖縄人が見た世界の魅力をたっぷりお伝えします。(文・写真/旅する沖縄人)


世界最古のワイン文化が息づき、人々が温泉を楽しむ国、ジョージア。ヨーロッパとアジアの境界に位置するこの小さな国(北海道より一回り小さい)は、近年、新しい働き方を求める人々からも注目を集めてきました。

訪れたのは2024年1月。世界一周の途中でした。ジョージアで楽しみにしていたことは三つあります。温泉に入ること、ワインを飲むこと、そして銀行口座を作ることです。少し不思議な組み合わせに聞こえるかもしれません。

首都トビリシに到着して最初に向かったのは、硫黄温泉が湧く旧市街の温泉地区。丸いドーム型の浴場が並ぶ景色はどこか懐かしく、異国にいながら温泉文化への親しみを感じました。久しぶりに湯船に身を沈めると、長旅の疲れがふっとほどけていきます。

レンガとドーム屋根が特徴のトビリシの温泉

温泉の後は、もちろんワインです。ジョージアは約8千年前から続く世界最古のワイン発祥地のひとつといわれています。地元のレストランで味わったジョージアワインは、肉料理やチーズを使った郷土料理と驚くほど相性が良く、その土地の食文化が長い時間をかけて育まれてきたことを感じさせてくれました。

ワイン発祥の地で作られた茶褐色のワイン

自分らしい生き方とは

そして最後のミッションが銀行口座の開設です。当時のジョージアは外国人にも比較的開かれた制度を持ち、非居住者でも銀行口座を開設することができました。また、ビザなしで長期滞在できる環境もあり、世界中からリモートワーカーが集まる場所として知られていました(※)。

※2026年3月1日施行の改正労働移民法により、ビザなしでの就労や自営業、起業活動は認められなくなりました

ジョージアでは旅行者でも銀行口座をつくることができます

世界には、国境を越えて働き、暮らし、自分らしい生き方を選ぶ人たちがいます。ジョージアは、そんな人々を自然に受け入れていました。銀行口座を作れたこと以上に、「人生の選択肢は、思っているよりずっと広いのかもしれない」。そう気づけたことが、私には大きな発見だったのです。

そんなジョージアでは、街そのものも大きな変化の途中にあります。トビリシや黒海沿岸のバトゥミでは新しいホテルや高層マンションの建設が続き、景色が日々変わっていました。発展していくエネルギーに心が躍る一方で、この国ならではの魅力も少しずつ姿を変えていくのかもしれないと感じます。

旅をしていると、絶景に心を奪われること、歴史や文化に感動することもあります。けれどジョージアで出合ったのは、「こんな生き方もあるのか」という発見でした。現在は法律が改正され、私が訪れた当時とは少し状況が変わりました。それでも、あの国で感じた可能性は、私自身の生き方を見直すきっかけになりました。

変わりゆく過渡期にあるジョージア。可能性に満ちた「今」がとても魅力的な街です。

5世紀に建てられたメテヒ教会

執筆者プロフィル

インスタグラム @okinawan_travel

1977年、沖縄生まれ。教員を経て独立。2023年5月から世界一周。6月に「50歳までのアフリカ旅のすすめ」を電子書籍、ペーパーバックで出版。他著に「夢をあきらめない40代からの世界一周のすすめ」、「EXPLORE the World 世界一周の歩き方」メキシコ編、キューバ編


毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」沖縄人の世界一周(8)
第2033号(2026年7月30日発行)より転載