挫折しない整理のコツ|これから始める終活ノート

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家の整理をしたいけれど「どこから手をつければいい?」という人は多いのでは。生前整理や不要品買い取りを行う株式会社office双葉の比嘉計代表取締役に、挫折しない整理のコツやプロに頼む時の注意点を聞いた。(編集部/栄野川里奈子)

できるものから少しずつ

整理を始める際、最初に着手すべきは大量のペンや引き出物のタオルなど「思い入れのない物」だという。比嘉さんは「逆に、思い出の詰まった写真は手が止まりがちなので、最後に回すのが鉄則です」と話す。

また、一度に終わらせようとすると途中で挫折しやすいため、カテゴリーで分け、少しずつ進めるのが成功の鍵だという。お勧めの場所は「食器棚」。「普段使っている食器は全体のごく一部。行事用の食器類が大量に眠っているケースも珍しくありません」と比嘉さん。

整理をする時には、ぜひビフォー・アフターの写真を撮っておこう。視覚的に効果が実感でき、モチベーションが上がる。ほかに「段ボール2箱分」「引き出し1段分」といった物理的な枠を設定するのも効果的だ。「もったいない」と感じる場合は、リサイクルショップへの売却や寄付、友人への譲渡など、「次の人に使ってもらう」意識を持つと、気持ちに区切りがついて手放しやすくなるという。

比嘉さんオススメ! 挫折しない手放し方

思い出の物は後回し写真や思い出があるものから始めるのは避けましょう。判断に迷って作業が止まってしまいがち。たくさんあるペン、お店からもらったタオルなど、思い入れのないものから始めるといいですよ。
一気にやらず少しずつ「すべてを一気に片付ける」と意気込むと、途中で心が折れてしまいがち。部屋全体を一気に片付けるのではなく、カテゴリーに分けて少しずつ進めるといいですよ。
ビフォー・アフターの写真を撮る作業を始める前と後の写真を撮っておきましょう。物が減ってスッキリした成果が視覚的に実感ができ、モチベーションを維持しやすいです。

業者選びは慎重に

自力での処分が難しい場合はプロに頼むのも手。その際、業者選びは慎重に行いたい。相場よりも極端に安い見積もりを提示する業者は、後から高額な追加料金を請求したり、不適切な処分をしたりするリスクがあるという。

比嘉さんは「『回収した品をどこでどう処分するのか』を確認してください。明確に答えられない場合は注意が必要です。万が一、回収された物が不法投棄された場合、依頼した側にも法的責任が及ぶ可能性があります」とアドバイスをする。価格だけで判断せず、公式ホームページがあり、連絡先や所在地が明記されている信頼できる会社を選ぼう。

安全に住める環境へ

整理のメリットはさまざまだ。一番は、安全に住めること。床に物があふれていると転倒のリスクが高まり、高い場所に重い食器などを置いていると、地震などの災害時にケガをする恐れがある。

また、経済的な負担も軽くなる。「弊社では一般的な家の整理は十数万円~ですが、大物家具の処分だけなら2~3万円ほど、ゴミがあふれていると数十万円かかります」と比嘉さん。

「家の整理は、過去を振り返り、これからの人生を自分らしく快適に過ごすためのきっかけになります。整理を終えた人の中には『ずっと行きたかった場所に旅行へ出かけた』と、気持ちを新たにする方も。子どもから親へ切り出すと角が立ちやすいので、親が主体的に動くとスムーズですよ」と話した。

いざという時のパスワードの備え

「まずやるべき備えは、スマホやパソコンのパスワードの記録」と比嘉さん。整理の現場でスマホやパソコンが出てきても、パスワードが分からないとネットバンキングなどの口座状況が確認できない。パスワードの解除に数十万円かかることもあるという。

「紙のメモやエンディングノートに書いて、保管場所を家族に伝えておくといいですよ」と伝えた。

私の終活/1週間で足りなかった遺品整理Nさん(50代)

実家は県外にあり、母が亡くなった後に遺品を整理するため、1週間仕事を休んで帰省しました。ただ、母はもともと物を取っておくタイプ。嫁入り時の着物から、大量の空き箱・空き瓶まで物があふれていて、何がどこにあるのかを把握するだけで手いっぱいに。もっと時間があれば思い出の品をじっくり吟味できたのですが、時間が足りず、最終的には母が愛用していた服を1着だけ持ち帰り、残りの作業は近くに住む弟夫婦に頼むしかありませんでした。

父は、病気が発覚してからわずか半年で亡くなりました。保有している預貯金通帳や保証書、借り入れの有無、使っていた畑の場所や名義など、重要な財産情報を闘病中の本人から聞き出すのは本当に大変な作業でした。元気なうちに確認しておくことの大切さを痛感しています。

教えてくれた人

ひが・けい/(株)office双葉代表取締役。事件現場特殊清掃士


毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」これから始める終活ノート(4)
第2045号(2026年10月22日発行)から転載